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ミリ波レーダーセンサーを用いた ADAS 機能評価のための、 業界初の視野角度可変ターゲットシミュレータ「ASGARD2」を発売【東陽テクニカ】

2020年10月16日

ミリ波レーダーセンサーを用いた ADAS 機能評価のための、
業界初の視野角度可変ターゲットシミュレータ「ASGARD2」を発売

“自動運転 EXPO(名古屋)”で初展示

 株式会社東陽テクニカ(本社︓東京都中央区、代表取締役社長︓五味 勝)は、スウェーデンのUniqueSec AB(本社︓ヴェストラ・イェータランド県ホヴァ)製の、ミリ波レーダーセンサーを用いた先進運転支援システム(ADAS)試験用の視野角度(Field of View)可変ターゲットシミュレータ「ASGARD2(アスガルドツー)」を、2020 年 10 月 19 日に発売いたします。また、2020 年 10 月 21 日(水)~23 日(金)にポートメッセ名古屋で開催される自動車技術者のための技術展「自動運転 EXPO」で、本製品の実機を初展示いたします(ブース番号︓2-44)。

【 製品概要 】
 自動緊急ブレーキ(AEB)をはじめさまざまな ADAS 機能の実現には、他の車両など周辺の障害物(ターゲット)を検知するセンシング技術が重要です。「ASGARD」シリーズは、車両搭載用として開発が進むコアセンサーの一つであるミリ波レーダーセンサーが検知するターゲットを、ミリ波レーダーセンサーの視野角度(電波を受信する向き)を変化させながらシミュレーションする装置で、ミリ波レーダーセンサーを用いた ADAS 機能を試験することができます。「ASGARD」シリーズは特許を取得した周波数スペクトラムドメインでの信号処理技術※1 により、試験対象のミリ波レーダーセンサーとシミュレーション上のターゲットとの距離をほぼ 0 メートルの短距離に設定し、衝突の直前を再現する試験シナリオを実行できるのが大きな特長です。「ASGARD2」は新機能として、接続した試験用アンテナ(図 1 の金色の筐体)を移動させずに、接近してくる複数のターゲットのそれぞれ異なる到来角度を同時にシミュレーションする機能を搭載しています。これは MIMO テクノロジーを使った業界初※2 の機能です。
 この「ASGARD2」と交通状況をシミュレーションするソフトウェアを組み合わせ、さらに試験対象であるミリ波レーダーセンサーを用意することで、車両の衝突防止機能やその他の ADAS 機能の試験を全て室内のシミュレーション環境で行うことができる HILS(Hardware in the Loop Simulation)※3 システムを構築できます。

※1 FMCW(周波数連続変調)方式のレーダーでは電波の遅延を周波数偏移で表すことができるのを利用し、
  時間ドメインで遅延時間を変化させる遅延回路を用いず、周波数の変化を利用した数学的処理でレーダーの
  反射信号成分(ターゲットからの反射状態)の変化を計算する技術。
※2 2020 年 10 月東陽テクニカ調べ。
※3 車両の挙動をソフトウェア上でシミュレーションする開発ツール。

【 用途/製品詳細 】
 現在、ミリ波レーダーセンサーの機能評価は実際のフィールドで行う試験と、ターゲットシミュレータを含む HILSシステムを使った試験で行われています。フィールドでの試験は、周辺車両や歩行者、自転車などのターゲットを実際に設置して行います。しかし試験シナリオが複雑になるとターゲットの位置や数を変えながら試験を繰り返す必要があり、コストや時間、手間がかかります。HILS システムでの試験はこれらの欠点を補うことができますが、これまではターゲットシミュレータの信号処理による遅延や回路自体の長さなど、機器の性能が原因で車両からターゲットまでの距離を数メートルより縮めることができなかったため、それ以下の距離で行う衝突直前までの試験シナリオに対応できず、AEB の衝突防止機能の試験を行うことができませんでした。「ASGARD2」は特許を取得した周波数スペクトラムドメインでの信号処理技術により、測定対象のレーダーとターゲットとの間の距離をほぼ 0 メートルにすることができるため、衝突防止機能の試験を行うことができます。同様に、これまでは移動するターゲットの到来角度を含むシミュレーションでは、ターゲットシミュレータの試験用アンテナを台車やレールに乗せて動かす必要があるなど手間がかかっていたため、前方車両の割り込みや側方からの飛び出しといった試験シナリオをシミュレーションするのは簡単ではありませんでした。しかし「ASGARD2」では MIMO テクノロジーを用いた新機能により、試験用アンテナを動かさずに、割り込みや飛び出しといった複雑なシナリオでの試験を行うことが可能です。
 「ASGARD2」は、ミリ波レーダーセンサーの1次処理アルゴリズムの評価も行うことができ、ミリ波レーダーセンサー搭載車両の衝突回避機能などの試験のために、接近してくるターゲットの到来角度や相対速度、距離のシミュレーションを効率よく実施できます。また、制御ソフトウェアでレーダーの反射信号を生成し、複数のターゲットの到来角度、距離や相対速度といったパラメーターを自由に変化させて、ミリ波レーダーセンサーの機能評価を行うこともできます。オフィスのデスク上に設置できるほどコンパクトなのも特長で、環境がコントロールされた室内で再現性の高い試験が可能です。ターゲットの到来方向の検知を含め、ミリ波レーダーセンサーが利用されるさまざまな環境を、正確にシミュレーションすることができます。

【 ターゲットシミュレータ「ASGARD2」の主な特長 】
・ 特許取得の信号処理技術を利用することで、300 メートルからほぼ 0 メートルまでの距離をシミュレーション可能
・ MIMO テクノロジーを用いて試験用レーダーを移動させずに複数ターゲットのそれぞれ異なる到来角度を
 シミュレーション可能
・ 本体とアンテナ部が分かれており機器の配置の自由度が高いため、車両のレーダーセンサー部の近くに置いて
 試験することが可能
・ 200 個以上のターゲットを同時にシミュレーション可能

【 製品データ 】
・ 製品名︓ターゲットシミュレータ「ASGARD2」
・ 販売開始日︓2020 年 10 月 19 日
・ 販売地域︓日本、米国、中国

【 展示会ブース概要 】
● 会期︓2020 年 10 月 21 日(水)~23 日(金)
● 場所︓ポートメッセ名古屋
● ブース番号︓2-44
● 出展のお知らせ︓https://www.toyo.co.jp/mecha/seminar/detail/autonomous-drive2020_nagoya.html
■ 主催者公式サイト︓ https://www.automotiveworld-nagoya.jp/

<UniqueSecABについて>
UniqueSec AB は 2013 年に設立された、短距離・高周波・広帯域のレーダーの信号処理を専門とする計測器メーカーです。レベル計測、距離・速度計測、存在検出、外部監視や物体分類における最先端の信号処理アルゴリズムを開発し、多くの国と地域で特許を取得しています。
このアルゴリズムを発展させ、自動車をはじめとするさまざまなアプリケーションで使用されるレーダーの試験・検証ソリューションの設計もしており、ADAS や自動運転の安全性と信頼性の検証に役立つ製品を提供しています。
UniqueSec社Webサイト︓https://www.uniquesec.com/


<株式会社東陽テクニカについて>
東陽テクニカは 1953 年の創立以来、世界最先端の計測機器の輸入販売を行ってきました。現在の事業分野は、情報通信、自動車、エネルギー、EMC(電磁環境両立性)、海洋、ソフトウェア開発、ライフサイエンスなど多岐にわたり、独自の計測技術を搭載した自社製品の開発にも力を入れ、国内外へ事業を拡大しています。
「“はかる”技術で未来を創る」のスローガンのもと、5G(第 5 世代移動通信システム)の普及や自動運転車開発なども支える最新ソリューションを提供することで、安全で環境にやさしい社会づくりと産業界の発展に貢献してまいります。
東陽テクニカWebサイト : http://www.toyo.co.jp/

★ 本件に関するお問い合わせ先 ★
株式会社東陽テクニカ EMC マイクロウェーブ計測部
TEL︓03-3245-1244(直通) E-mail︓emc@toyo.co.jp
ターゲットシミュレータ「ASGARD」シリーズ製品紹介ページ︓
https://www.toyo.co.jp/emc/products/detail/ASGARD

※本ニュースリリースに記載されている内容は、発表日現在の情報です。製品情報、サービス内容、
 お問い合わせ先など、予告なく変更する可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
※記載されている会社名および製品名などは、各社の商標または登録商標です。








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