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エプソンアトミックス、北インター事業所に水アトマイズ生産新ラインを増設【セイコーエプソン】

2020年10月14日

エプソンアトミックス、北インター事業所に水アトマイズ生産新ラインを増設
- 微細合金粉末の旺盛な需要に対応し、生産能力を1.5倍に拡大 -

エプソンアトミックス 北インター事業所

セイコーエプソン株式会社のグループ会社で、微細合金粉末の製造において世界シェアNo.1※1のエプソンアトミックス株式会社(本社:青森県八戸市、社長:大塚 勇、以下 エプソンアトミックス)は、このたび約15億円の投資を行い、北インター事業所内に水アトマイズ法による微細合金粉末の新ラインを増設、本日火入れ式を執り行い、稼働を開始したことをお知らせします。

新ラインの増設により、本社工場と合わせた微細合金粉末の生産能力を2025年までに現在の約1.5倍の年間約1万5,000トンまで増強することが可能になります。

エプソンアトミックスの水アトマイズ法による微細合金粉末は、その原材料・用途により、主に磁性粉末とMIM(Metal Injection Molding)※2用焼結粉末の2種類に分けられます。

エプソンアトミックスでは、高周波炉により溶解した金属に高圧水を当てて霧状に飛散させ、それを急速冷却させる高圧水アトマイズ法※3に独自の技術を加えることで、ミクロン単位という微細サイズであり、かつ成分・特性が均一で安定した微細合金粉末を提供し、市場で高い評価を得ています。

優れた磁気特性を有する磁性粉末は、スマートフォン、ノートパソコンなど高機能モバイル機器の電圧を制御するために必要なインダクター、チョークコイル、リアクトルなどの電子部品の原材料として使用されています。さらに、自動車の電装化が進み、ハイブリッド車やEV車などでインダクターの搭載数が増加するなど、今後さらなる市場拡大が見込まれています。エプソンアトミックスの磁性粉末は、粒子の微細化技術によってエネルギー損失を抑制し、電圧制御部品の低消費電力・小型化、高周波・大電流対応に大きく貢献しています。

一方、MIM用焼結粉末は、複雑な形状でありながら高精度・高強度が求められる、医療用特殊機器や自動車エンジン用途、電子機器・OA機器などの金属射出成形(MIM)部品の原材料として使用されています。さらに、金属3Dプリンターの普及が進み産業分野での需要拡大も見込まれています。エプソンアトミックスの焼結粉末は、ステンレス鋼や低合金鋼などさまざまなラインアップをそろえ、さらには用途に応じて粉末の粒径を調整できるため、焼結部品の高密度化や高強度化などに寄与しています。医療、自動車産業、3Dプリンターなどの市場成長に伴い、今後も安定した需要が見込まれています。

エプソンアトミックスは、2013年に金属粉末製造工場として「北インター事業所」を竣工以来、同工場内にアモルファス合金粉末※4の製造工場を増設するなど、需要拡大に対応するためのライン増設を行ってきました。微細合金粉末の市場は、スマートフォン、タブレットPCなどの高機能モバイル機器や、自動車、医療機器などにおける、部品の原材料としてその需要は年々高まりを見せています。中長期的にもその傾向が続くと予測されており、エプソンアトミックスでは、微細合金粉末の能力増強を図ることで、旺盛な需要に対応してまいります。

今後もエプソンアトミックスは、独自の金属粉末製造技術を強みとし、お客様に信頼され喜ばれる製品・サービスをお届けし続けてまいります。

詳細はエプソンアトミックスのホームページ(http://www.atmix.co.jp )をご参照ください。

※1 微細合金粉末の2019年金額ベースにおける市場シェア(エプソンアトミックス調べ)

※2 MIM(Metal Injection Molding)
射出成形と粉末冶金の特長を併せ持った最新の金属加工方法。MIMにより、微細合金粉末を高精度・高密度・高強度のさまざまな形状をした部品に加工することが可能。

※3 高圧水アトマイズ法
微細合金粉末の製造方法の一つ。高周波炉により溶解した金属を高圧水によって微細化し、それを急速冷却させ、微細合金粉末を製造する方式。

※4 アモルファス合金粉末
通常の合金は原子が規則正しく並んだ結晶構造になっているのに対して、物質を構成する原子の配列に規則性のないものがアモルファス(非晶質)合金で、固体でありながら液体同様の原子が不規則に密に詰まった構造を持ち、エネルギー伝導性・強度・軽量性に優れたアモルファス合金を、数十から数百ミクロン単位の微小な粉末にしたものをアモルファス合金粉末という。




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