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車載ディスプレイ・ソリューションのバックライトLEDドライバにかかわる課題を解決する【日本テキサス・インスツルメンツ】

2020年7月16日

電気自動車産業の急速な成長と共に、自動運転車や人と人との相互接続が出現しました。そのため、車のセンター・コンソールの機能が複雑さを増し、より高度なものが求められるようになった結果、図1のような大画面化が進んでいます。

図1:LCDスクリーンを利用した車載ディスプレイ・アプリケーション

大型化する車載ディスプレイ画面では、広範囲にわたるスムーズな輝度変化を消費者が望んでいるため、分解能が高くシームレスな動作が重要になります。車が置かれる厳しい環境を考えると、システムの信頼性と安全性も考慮すべきです。結果として設計者は、大画面向けに設計されたバックライトLEDソリューションを探しながら、高い調光率とシステムの安全性も実現するという課題を突き付けられることになります。

大型ディスプレイ画面を駆動するために、バックライトLEDドライバは、高い電流シンクと高い昇圧電源を備えていなければなりません。図2に示すように、外付けスイッチングFETを使用することで、大型パネルを制御するための高い電力密度が得られ、高電流に耐えるための冷却能力も高めることができます。さらに多くのライトを駆動してディスプレイを明るくするには、高い電流シンク能力を持つマルチチャネル・ドライバも必要です。電力密度を最大限に高める、TIの6チャネル搭載、車載用バックライト・ドライバ『LP8866-Q1』は、外付けスイッチングFETを特長とします。インフォテインメントやHUDなどのアプリケーション向けに設計されており、電流シンクは最大200mAです。

図2:車載用バックライトLEDドライバのトポロジ

広い範囲で輝度をスムーズに変化させるにはパルス幅変調(PWM)調光が不可欠であり、薄暗い場面では特に、高い分解能も備えている必要があります。明るい場面では、昇圧出力リップルや可聴ノイズの問題を避けるために、アナログ調光を選択するのが良いでしょう。詳しくは、アナログ調光方式(英語)およびPWM調光方式(英語)についてのTIトレーニング・ビデオをご覧ください。

TIでは、図3に示すような、ハイブリッド調光と呼ばれる適応型の調光制御ソリューションも使用します。『LP8866-Q1』の場合、入力輝度100%(0xFFFF)から12.5%(0×2000)までは、12ビット電流DACステップでの調光が可能です。12.5%未満の輝度には、PWMによる最大16ビットの分解能を利用できます(PWMのデューティ制御+ディザリング制御)。ハイブリッド調光の利点としては、EMIの削減、昇圧出力リップルと可聴ノイズの低減、LED光学効率の向上、特定のLED PWM周波数の調光分解能比の増加などがあります。

図3:ハイブリッド調光モード

最後に、厳しい条件下で動作する車載用アプリケーションには、より高度な安全レベルが求められることを考えると、バックライトLEDドライバは、システムの信頼性のための総合的診断機能を備えていなければなりません。バックライトLEDドライバには、LEDの動作状態を監視する機能と共に、内蔵または外部の電源診断機能が必要です。『LP8866-Q1』は、電源とLEDの障害に対する包括的な保護機能と診断機能を備えているため、設計者は安心して実装できます。

6チャネル車載ディスプレイLEDドライバLP8866-Q1の評価モジュール.を使って、さっそく設計を始めましょう。

※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらの技術記事(2020年7月16日)より翻訳転載されました。
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