ニュース

トラック・バス用タイヤの使用状態推定モデルを構築【TOYO TIRE】

2020年7月22日

TOYO TIRE株式会社(本社:兵庫県伊丹市、社長:清水隆史)は、このたび、トラックやバスなど、運輸車両の個別運行状況に応じ、装着されているタイヤの状態変化をはじめ、走行環境情報を自動的に収集し、蓄積するシステムを開発しました。また、このシステムで収集したデータに、個々のタイヤの既定情報や天候データなど外部情報を加え、AIを駆使して、タイヤの使用(摩耗)状態を推定するモデルを構築しましたので、お知らせいたします。

■ロジスティクスを支える新しいメンテナンス・ソリューション
運輸事業に携わる多くの事業主は、「より安全にかつ効率的にロジスティクスを支える」ということを経営の主眼とし、合理性の追求という課題にさまざまな側面から取り組んでおられます。
「適切なメンテナンスを適切な時期に実施すること」が安全と効率の両立につながることから、保有する複数台数の車両について、それぞれ異なる運行状況を適正に把握し、よりこまめな点検を遂行するため、社内や社外のリソースを投入して対策されているのが現状です。
当社はタイヤメーカーとして、タイヤのメンテナンスという側面から、ロジスティクスの安全と効率を充足するアプローチについて、その可能性を探索してきました。
特に運輸業界においては、1~3ヵ月ごとに、人が計測機器を用いて1本ずつタイヤの溝の深さを測定、摩耗の点検をされていることから、新しいソリューションとして、実測することなく適正にタイヤ使用状態を管理、メンテナンスしていくことができる推定モデルを実現しました。
当社は今後、これを運輸事業向けのビジネスモデルとして構築し、タイヤメーカーならではのメンテナンス・サポートの確立を進めてまいります。

今回のメンテナンス・ソリューションは、今後、タイヤの寿命を長持ちさせるような使用方法(交換ローテーションや最適運行ルートの提示、運転方法のアドバイスなど)やお客様のニーズに合ったタイヤの提案など、安全やコスト低減といった課題解決にもつなげていくことができると考えています。

■トラック・バス用タイヤ 情報自動集積システム
当社は、トラックやバスなど運輸車両のホイールに装着したセンサー(TPMS*1)によって、空気圧や内部温度といったタイヤの状態をデータとして自動収集し、また、全地球測位システム(GPS)によって得られる位置情報や車両の加速度情報などと合わせて、リアルタイムでクラウドに蓄積する独自の情報集積システムを開発しました。
これは、個別の車両運行状況によって異なるタイヤへの負荷や経年変化について、その推定確度を高めるのに必要な情報を、適切かつ自動的に収集、蓄積されるようシステム化したもので、当社は、この生きたデータを運輸事業者の車両メンテナンス管理に活用していくという構想を具現化していきます。
*1)TPMS:Tire Pressure Monitoring Systemの略。送信機を内蔵したセンサーで走行中のタイヤの空気圧や内部温度の監視を行なうシステム。

■トラック・バス用タイヤ 使用(摩耗)状態推定モデル
情報自動集積システムに蓄積されたデータをもとに、より高い精度でタイヤの使用状態を推定し、把握できるように、タイヤそのもののマスター情報をはじめ、外部データベースから取得した天候データなどを統合するとともに、AI技術を用いてデータ解析処理を行ないます。
当社は、実証実験を重ね、運行状況によって異なる各運輸車両のタイヤ使用状態、つまり、タイヤの摩耗進行度合いを、個別に実測することなくデジタル環境の中で推定することができるモデルを構築しました。

■メンテナンス・ソリューションの概念図

【ご参考】
■イノベーション・パートナー

トラック・バス用タイヤ情報自動集積システムの開発にあたっては、三菱商事株式会社が株式の34%を出資する「日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社(代表取締役社長:垣原弘道)」*2と、また、トラック・バス用タイヤ使用(摩耗)状態推定モデルの開発にあたっては「SAS Institute Japan株式会社(代表取締役:堀田徹哉)」*3とそれぞれ協業を行ないました。
また、今後、当社はこうしたメンテナンス・ソリューションの提供をビジネスモデルとして構築するための検討を進めていきます。
*2) タタ・グループの一員である日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社は、お客様のビジネスの変革やシンプル化、強化を実現するための、ITサービス、コンサルティング、ビジネスソリューション、そしてデジタルソリューションを提供するグローバル企業で、世界中に分散する複数のチームがコラボレーションし、効果的にアジャイル開発を進めていく独自のデリバリー体制(Location Independent Agile delivery model)により、群を抜くスピードと品質を実現しています。(https://www.tcs.com/jp-ja/Corporate
*3) 革新的ソフトウェア/サービスを通じ幅広い産業にAIテクノロジーの活用や高度なIoTソリューションの導入を進めるアナリティクスのリーディング・カンパニーです。
https://www.sas.com/ja_jp/home.html

■デジタル技術を駆使した当社独自の技術アドバンテージ
当社は、素材のあり方からアプローチする「材料開発基盤技術」とシミュレーションの進化によってアプローチする「商品設計基盤技術」の基軸を両輪として、タイヤの開発を進めており、それぞれ、MI*4やAIの積極活用、ナノレベルでの構造最適化など、間断なく次世代技術を導入した進化を図っています。また、生産においては、工場のIoT化によるスマートファクトリーの具現化に着手しているほか、顧客接点においては、タイヤそのものの役割を高度に進化させたセンシングタイヤの開発構想、今回の新たなメンテナンス・ソリューションの実現など、デジタル情報を有機的に連関し、顧客使用状況から素材開発へのフィードバック、タイヤ設計への適用、最適生産へ展開といった「付加価値のループ」を循環させていきたいと考えています。
*4) MI:Materials Informaticsの略。人工知能などを用いることで、従来方法に比べ、新規材料や代替材料の探索などを効率よく行なうことが可能となる技術。

【本件に関するお問合せ先】
TOYO TIRE株式会社 コーポレートコミュニケーション部
(本社) TEL:072-789-9110 FAX:072-773-3272
(東京) TEL:03-5822-6621 FAX:03-3865-2240

プレスリリースは報道機関向けの発表文章であり、そこに掲載されている情報は発表日現在のものです。 ご覧になった時点ではその内容が異なっている場合がありますので、あらかじめご了承下さい。








TOYO TIRE株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#TOYO TIRE
#タイヤ
#TPMS
#IoT
#2020年7月22日