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高品質SiC 6インチ単結晶基板 “CrystEra®” の製品化に成功【住友電気工業】

2020年5月11日

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 当社)は、6インチSiCパワーデバイス用単結晶基板 “CrystEra®” の開発に成功し、2020年度下期より当社SiCエピタキシャル基板 “EpiEra®” への適用を開始します。

パワーデバイスは電力制御用の半導体デバイスであり、電力、鉄道、自動車、家電など様々な分野で使われています。省エネルギーの観点から、より高効率で電力ロスの少ない高性能なデバイスが求められており、SiC (炭化ケイ素) パワーデバイスはその中で最も注目されている半導体材料の1つとして適用範囲が拡大しています。その一方で、サプライチェーンはまだ安定しておらず、SiC市場において、基板~エピタキシャル基板~デバイスの一貫生産が可能なメーカーへの期待は高まっております。さらに適用範囲拡大に伴い、材料面の高品質化に対する期待はますます大きくなっております。

そのような背景の中、当社が長年培ってきた化合物半導体技術に加え、高精度シミュレーションなどを取り入れた当社独自技術 “MPZ®”*1を駆使した成長炉の活用、硬脆性なSiCに適した加工技術構築により、低転位密度かつ厚みバラツキや反りが低減されたSiCパワーデバイス用の6インチ (150mm径) 基板 (製品名 “CrystEra®”) の製品化に成功いたしました。


SiC基板製品”CrystEra®”(左)とCrystEra®のX線トポグラフィ画像*2(右)

当社は、2017年度から高品質SiCエピタキシャル基板 “EpiEra®” の量産を行い、好評を得ておりますが、2020年度下期から、この “EpiEra®” の基板として今回製品化した “CrystEra®” を適用する予定です。

当社は、基板~エピタキシャル基板~デバイスの一貫生産が可能なメーカーとして引き続き”CrystEra®” と “EpiEra®” を用いた高品質なSiC材料の供給を行い、幅広い分野において、より高性能なパワーデバイスの実現に貢献してまいります。

*1 Multi-Parameter and Zone controlled SiC Growth Technologyの略称。
  高精度シミュレーションを通して、空間・時間など多次元的に最適な
  条件を割り出すことができる成長技術
*2 基板をX線で撮影・観察したもので、転位の密集領域が無ければ一様 (灰色) に見えます。








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