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(社)日本トライボロジー学会からの受賞について【日本精工】

2012年6月7日

日本精工㈱(本社/東京都品川区 取締役 代表執行役社長 大塚紀男、以下NSK)は、一般社団法人日本トライボロジー学会*1より「2011年度 日本トライボロジー学会 トライボロジーオンライン論文賞」と「2011年度 日本トライボロジー学会 奨励賞」を受賞しました。今回の受賞は、独創性など優れた研究成果が認められ、今後の社会貢献が期待できることが評価されたものです。

*1  (社)日本トライボロジー学会 : 1956年にトライボロジー(相対運動しながら互いに影響を及ぼしあう二つの表面の間におこるすべての現象を対象とする科学技術)に関する技術の向上を目的に設立された。

日本トライボロジー学会のウェブサイト : http://www.tribology.jp/

1. 2011年度 日本トライボロジー学会 トライボロジーオンライン論文賞

(1) 受賞対象 : 「The effect of Hydrogen on Microstructural Change and Surface Originated Flaking in Rolling Contact Fatigue」

水素はクリーンなエネルギーとして、燃料電池などでの利用が期待されています。しかし、水素が金属中に浸入すると転動面内部の金属組織が変化することで、はく離が起こり、転動疲労寿命が著しく低下するケースも発生しています。本研究では、水素を人工的に鋼の内部に浸入させ、金属組織変化を伴うはく離を再現させ、電子顕微鏡を用いて詳細な観察を行ないました。その結果、繰り返しのせん断応力と水素の作用によって、局所的に塑性変形が加速し、金属組織の変化が生じることを解明しました。また、本研究では、鋼中への水素の浸入が繰り返されると、圧痕を起点とする疲労亀裂の発生が著しく加速し、転動疲労寿命が低下することを明らかにしました。これらの通り水素によって、転動疲労寿命が低下する基本メカニズムを解明したことで、今後、水素による寿命の低下を防止する技術を進歩させ、クリーンエネルギー水素の活用加速に貢献します。

(2) 受賞者 :
宇山  英幸 (うやま ひでゆき)
山田  紘樹 (やまだ ひろき)
飛鷹  秀幸 (ひだか ひでゆき)
三田村  宣晶 (みたむら のぶあき)

2. 2011年度 日本トライボロジー学会 奨励賞

(1) 受賞対象 : 「X線CTを用いた玉軸受内部の潤滑グリースの可視化及び数値解析の妥当性確認」

本研究は、X線CT(Computed Tomography)によって、グリース潤滑の玉軸受を解析することで、軸受を分解することなく、軸受内部のグリースの挙動を可視化しました。これにより、より効果的なグリース潤滑の設計が可能になり、軸受の長寿命化や低摩擦損失、小型・軽量化に貢献します。

(2) 受賞者:
野田  隆史 (のだ たかし)


NSKは世界トップレベルの技術力によって、機械の摩擦をコントロールし、エネルギー損失を小さくすることで、今後も安全・快適・環境にやさしい社会の実現、産業の発達、機械の進歩に大きく貢献してまいります。


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