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先進的なリチウムイオンバッテリーの要素技術をAPB株式会社にライセンス供与【日産自動車】
2020年4月16日
日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:内田 誠、以下日産)は16日、先進的なリチウムイオンバッテリーの要素技術である「バイポーラ電極構造を有する全樹脂電池の技術」をAPB株式会社(本社: 東京都千代田区、社長:堀江 英明、以下APB)に、ライセンス供与すると発表しました。
日産は1990年代初頭よりリチウムイオンバッテリーの研究開発を始め、1997年には「プレーリーJOY EV」で電気自動車用リチウムイオンバッテリーを、世界に先駆けて実用化しました。それ以降、日産は自動車用バッテリーの技術革新につながる要素技術の研究を継続して行っています。
今回ライセンス供与する「バイポーラ電極構造を有する全樹脂電池の技術」には以下の特長があります。
・容積当たりの充電容量が増大する
・電解質が樹脂に置き換わることで安全性がより向上する
・構造がシンプルなため低コストである
APBは本技術を活用し、次世代型リチウムイオン電池である全樹脂電池の定置用バッテリーの製品化を目指しています。また同社は、国内有力企業からの出資を受け、日本国内に年間ギガワットアワー(GWh)クラスの充電量を持つ電池の生産が可能な工場の建設を計画しています。
日産の経営戦略本部 理事:木俣 秀樹は、「日産は自社で開発した技術を自社利用だけに留めず、社外における自社開発技術の有効活用を積極的に推し進めることにより、社会や産業全体での技術の発展に寄与していきます。今回のAPB株式会社への先進的なリチウムイオン電池の要素技術の供与もこの取り組みの一環です。同技術が広く用いられることにより、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の実現にインフラ面から貢献できる他、日本政府が推進する持続可能な低炭素社会の実現への一助にもなると確信しています」と述べました。 日産は、今後も先進的な技術をライセンスの枠組みを通して社会に貢献可能な領域への活用を推進することで、持続可能でより豊かな社会の発展に寄与していきます。
<バイポーラ電極構造を有する全樹脂電池技術の概要>
バイポーラ電極構造を有する全樹脂電池は、従来液体状であった電解質と金属製だった電極の両方を樹脂に置き換えるものです。バッテリーセルの表・裏面をそれぞれ構造体であると同時に正極・負極の機能を有する樹脂集電体で形作り、複数のセルを重ねることで、バイポーラ構造の組電池の構成を可能とする要素技術です。構造が単純化しコストが下がり、容積当たりの充電容量が増大することに加え、電解質が樹脂に置き換わることで安全性も向上します。
<本要素技術を用いた定置用バッテリーについて>
バイポーラ電極構造を有する全樹脂電池は、従来の定置用リチウムイオンバッテリーに対して、同じ充電容量で大幅なサイズダウンとコストダウンを実現出来ることに加えまた、さらなる安全性の向上も期待できます。
本要素技術を用いた定置用バッテリーが普及すると、個々のユーザー単位でも深夜電力や太陽光パネルなどで発電した再生エネルギーの有効活用が、少ない投資効果で実現することが可能となります。それにより、地域社会の単位でもピーク時の電力消費量を抑制、安定した効率の良い電力活用の実現により、障害や災害が発生した際の電力供給停止のリスクを冗長性の観点で減らすことができるなど、社会単位でより安全でクリーンなエネルギー供給の実現に寄与することが可能です。
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日産のテクノロジーライセンスについて
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