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2019年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第6戦 岡山 山下 健太がスーパーフォーミュラ初優勝! 中嶋 一貴が2位フィニッシュ【トヨタ自動車】

2019年9月30日

岡山国際サーキットで行われたスーパーフォーミュラ第6戦は、様々な戦略が交錯する中、2番手グリッドから正攻法の作戦で走り抜いた山下 健太(KONDO RACING)が終盤首位に復帰し、国内トップフォーミュラでの自身初勝利を飾りました。2位にも同等の作戦で4番手からスタートを切った中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が入り、トヨタ勢が1-2フィニッシュを果たしました。

スーパーフォーミュラ初勝利を挙げた山下 健太(ORIENTALBIO KONDO SF19 3号車 : 中央右)、2位の中嶋 一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19 36号車 : 左)

スーパーフォーミュラの第6戦が9月28日(土)、29日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。

全7戦で争われている同シリーズも今大会を含め残り2戦。今シーズンはここまでの5戦全てで勝者が異なる大乱戦となっており、タイトル争いも、前戦までにポイントを獲得したドライバーのほとんど全員に逆転タイトルの可能性が残っています。

現実的にタイトルを狙えるポイント差を考えても、トップ11人は充分に狙える状況と言えます。そんな中、最終戦でのタイトル争いに少しでも優位な状況で生き残るためにも、今大会は非常に重要な一戦となりました。

予選
28日(土)は雨の予報もありましたが、結局雨が降ることはなく、予選が開始される頃には強い日差しで暑さを感じるほどのコンディションとなりました。

今大会、1周の短い岡山のコースを鑑みて、予選は第3戦SUGOに続き、Q1を2グループに分ける方法で行われました。同じチームのドライバーがぶつからないように抽選で2グループに分けられ、A組、B組それぞれ10台ずつアタックし、上位6台がQ2へ進出。Q2から上位8台がQ3へ進み、グリッドを決定します。

予選アタックに向かう平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 20号車)

午後2時25分、Q1のA組アタック(10分間)が開始されました。ここではニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)が他車をコンマ4秒も引き離す速さを見せトップタイム。山下が最後のアタックで3番手につけました。小林 可夢偉(carrozzeria Team KCMG)が5番手に入りQ2進出。

一方、第2戦の勝者である関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は僅か0.045秒届かず7番手でQ1敗退。坪井 翔(JMS P.MU / CERUMO・INGING)が9番手、大嶋 和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)は10番手となりました。

B組では中嶋がトップタイム。キャシディと共にトムス勢が速さを見せました。前戦初勝利を挙げた平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がチェッカーと同時にマークしたタイムで3番手。石浦 宏明(JMS P.MU / CERUMO・INGING)38号車が4番手、国本 雄資(KONDO RACING)が5番手でQ2進出。

一方、今大会、急遽代役としてスポット参戦することとなった中山 雄一(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)は、午前中のフリー走行でトヨタ勢最上位の5番手タイムをマークし期待がかかりましたが、予選Q1は10番手に終わりQ2進出はなりませんでした。

Q2は午後3時5分から7分間で実施。平川が3周目に1分12秒台に入れてトップに立つと、現コースレコードの保持者である石浦も1分12秒台に入れましたが平川には僅かに届かず。

そしてセッション終了直前、それまで下位に沈んでいた国本と山下が2、5番手に飛びこみ、7、8番手につけていた小林とキャシディが押し出される形となってしまいました。小林とキャシディを含む、当落ラインの8位争いは3台が僅かコンマ1秒以内の僅差でした。


ポールポジションを獲得した平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 20号車)と星野 一義監督

Q2は平川、国本、石浦がトップ3、山下が5番手、中嶋が7番手で5人がQ3へ進出を決めました。

Q3は全車セッション終盤の一発アタックとなり、残り30秒を切って山下が最後のストレートで僅かにコースオフを喫しながらもトップタイムをマーク。そのすぐ後に中嶋、国本、平川と続き、僅差のアタック合戦は、山下を0.08秒上回った平川が制し、自身今季初、キャリア2度目のポールポジションを獲得しました。

山下が2番手、チームメイトの国本が山下にコンマ1秒差の3番手。そしてこの国本に1000分の4秒遅れる形で中嶋が4番手と、非常に僅差の争いで、トヨタエンジンの4台が予選トップ4を独占しました。石浦も中嶋にコンマ1秒以内の差ながら6番手グリッドとなりました。

決勝
29日(日)も予報に反して雨は降らず、終始ドライコンディションでのレースとなりました。曇り空だったものの気温は30度、路面温度は37度に達する季節外れの陽気の下、午後3時5分に68周のレースがスタートを切りました。

スタート直後のシーン

今大会は最初の10周を終えてからスタートとは異なる種類のタイヤに交換しなくてはならないという新たな規定が加えられたため、様々な戦略が考えられました。まず、10番手スタートの小林が1周を終えていきなりピットイン。ミディアムタイヤからソフトタイヤへと交換。この10周以降の義務は終えていないため、再度のピットインが必要ながらソフトタイヤでファステストラップをマークしながら追い上げを開始しました。 上位勢では、ポールポジションの平川はソフトタイヤで順調に首位をキープ。3周目を終えた時点では2位に2秒差をつけました。一方、2番手グリッドの山下はミディアムタイヤでのスタートを選択。3番手グリッドの国本はスタートで出遅れ、その後1コーナーでのバトルでコースオフを喫するなど、ポジションを落としてしまいました。

4番手グリッドの中嶋も山下同様のミディアムタイヤスタート。山下と中嶋は、ソフトタイヤのライバル勢に追い上げられ、じりじりとポジションを落とすことに。しかし、8周目に2位走行中の車両がコースオフ。セーフティカーが導入されました。

国内トップフォーミュラで初勝利を飾った山下 健太(ORIENTALBIO KONDO SF19 3号車)

セーフティカー走行中にタイヤ交換義務の10周を過ぎたため、山下、中嶋らは一斉にピットイン。首位平川を含むソフトタイヤの上位勢はピットに入らず、13周目の再スタートは、平川に石浦、キャシディと続くトップ3、そして坪井が6位、小林が7位、その後方にタイヤ交換義務を終えた山下、中嶋と続きました。

その後は上位勢の差は開き、大きな順位の変動ないまま淡々と周回が重ねられていきました。

2位で平川を追い、20周目過ぎからはじりじりと差を詰めていた石浦でしたが、33周目、タイヤのトラブルに見舞われ緊急ピットイン。タイヤを交換して周回遅れでコースに復帰しましたが、更なるトラブルのため、戦線離脱を余儀なくされてしまいました。

石浦がいなくなって2位に浮上したキャシディは、首位平川を猛追。その差を詰めていきました。

51周を終えたところで小林がタイヤ交換義務消化のためにピットイン。新しいソフトタイヤに交換した小林は次々に前車をパスし順位を取り戻して行きました。

キャシディは57周目に平川をようやくパスし首位に浮上。猛烈なペースで後続との差を拡げ始めました。しかし、レースはセーフティカー走行の影響もあり、予定の68周を終える前に1時間半で終了するタイムレースとなることがほぼ確定。残り10分を切って59周を終えた平川、続いて60周を終えたところでキャシディがピットイン。キャシディは小林の前でコースに復帰しました。

2位表彰台を獲得した中嶋 一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF19 36号車)

キャシディは更なるポジションアップを目指し、小林と実質5位を争って激しいバトルを展開。しかし、63周目のリボルバーコーナー進入でインをつこうとしたキャシディが縁石に乗り上げてスピン。幸運にもコースアウトはせず、レースへは復帰しましたが、ポイント圏外の11位へとポジションを落としてしまいました。

残り3分を切って首位の車両がタイヤ交換義務消化のためにピットイン。これで山下が首位に立ち、そのままチェッカー。トップフォーミュラに参戦して3年目の若き山下が、キャリア初勝利を飾りました。この勝利で山下はランキング8位から4位へ急浮上。首位との差も8ポイントとし、最終戦でのタイトル争いに加わることとなりました。

2位には中嶋が続き、トヨタ勢が1-2フィニッシュ。4位争いを繰り広げていた小林はファイナルラップで他車と接触しコース上にストップ。大嶋が8位でポイント獲得を果たしました。

スーパーフォーミュラ初優勝を果たした山下 健太(KONDO RACING 3号車)と近藤 真彦監督

KONDO RACING 3号車 ドライバー 山下 健太
長かったです。参戦3年目なんですが、なかなか勝てなかったので、本当にほっとしたという感じです。今年からクルマが新しくなって、僕らはQ1を通るのにすごく苦労してきました。チームがすごく頑張って色々解析してくれたこともあって、今大会で1段階クルマが良くなり、上位争いが出来るようなクルマにしてくれました。本当にチームのおかげです。戦略的には、トップと同じ作戦では勝てないと思ってミディアムスタートを選択しました。セーフティカーが絶好のタイミングで出てくれるなど、運もあったと思います。なかなか勝てない中、ずっと支えてくれた監督やチームに感謝しかありません。こうして勝つことが出来て、ようやく次のステップに行けるような気がします。これでチャンピオン争いにも少し加われるみたいなんで、次の鈴鹿も頑張ります。

VANTELIN TEAM TOM’S 36号車 ドライバー 中嶋 一貴
僕も山健(山下 健太)同様、今年はQ1を通るのに苦労してきました。今週、金曜の走り出しはあまり良くなかったんですが、金曜から土曜にかけて変えたことが良い方向に行ったのか、ミディアムでも戦える速さがあって、予選で前に行くことが出来ました。結果的には予選のポジションがレースでの結果に直結した感じなので、少し悔しくもありますが、ここまでずっと苦労してきたので、まずはある程度の結果が出せてほっとしています。ただ、いつもなんとなく山健が前にいるような気がするので、次の最終戦は負けないように頑張ります。








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