ニュース
4チャネルオシロスコープを発売【アンリツ】
2019年3月20日
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、オシロスコープとBERTを一体化したBERTWave™ MP2110Aに、4チャネルのサンプリングオシロスコープを搭載できるオプションを開発、販売を開始いたします。
このサンプリングオシロスコープは100GbEや400GbEなど光モジュール評価で必要とされるアイパターン解析[※1]、アイマスク試験[※2]、TDECQ測定[※3]などが行えます。4チャネルオシロスコープは、従来の2チャネルモデルに比べ、チャネル単価を約1/2に引き下げられます。また、多チャネル同時測定と、各チャネルの個別測定の両方が可能です。これにより、多チャネルモジュールだけでなく単チャネルモジュールを複数同時に測定することが可能であり、測定システムを柔軟に構築できます。
アンリツは今後も、光モジュールの開発製造の促進に貢献するソリューションを提供してまいります。
開発の背景
5Gなどの通信需要増大に伴い基幹網やデータセンターでは100G Ethernetが普及し、さらに400G Ethernetが本格的に立ち上がろうとしています。この光通信ネットワークを構成する光モジュールは、チャネル数、波長、伝送方式(NRZ/PAM4[※4])などによりさまざまな種類が存在しますが、一方でコスト要求は厳しさを増しています。そのため、評価系構築にあたってはさまざまな方式に対応し、かつコストパフォーマンスの高いシステム構成が求められています。
そこでアンリツは、100G以上の光モジュールの評価用測定器として提供している、BERTWave™ MP2110Aの機能を強化し、4チャネルのサンプリングオシロスコープオプションを開発しました。
製品概要
BERTWave™ MP2110Aは、光モジュールの評価で使用できる測定器です。今回開発した4チャネルのサンプリングオシロスコープオプションを使用することにより、1台のMP2110Aに、BERTとサンプリングオシロスコープを同時に、最大4チャネルまで内蔵することが可能となり、開発・製造現場で必要となる試験系を、柔軟かつ適切なコストで構築できます。
BERTWave™ MP2110Aの特長
・25G〜400Gの光デバイス製造開発に必要なオシロスコープとBERTを搭載可能。1/2/4チャネルが選択可能。
・サンプリングオシロスコープ:世界最高レベルの高感度。25G NRZから53 Gbaud[※5]
PAM4までの幅広い光信号解析に対応。クロックリカバリ搭載可能。
・BERT:R&Dモデルと同等の波形品質・高感度。クロックリカバリ標準搭載。
・内蔵PCによる安定した高速測定。
対象市場・用途
対象市場
光モジュールメーカー
用途
データセンター、コアメトロネットワーク、4G/5Gモバイルバックホール、5Gモバイルフロントホールで利用される25G~400Gの光トランシーバモジュール、光ケーブルならびにそれら構成部品の物理層性能評価
・伝送規格:Ethernet、eCPRI/RoE、CPRI、SDH/SONET、OTN、InfiniBand、Fibre Channel
・光トランシーバモジュール:CFP2/4/8、SFP28、SFP56、QSFP28、QSFP56、OSFP、QSFP-DD
・ケーブル:Active Optical Cable(AOC)、Direct Attach Cable(DAC)
・デバイス:TOSA、ROSA、High-Speed Optical Engine、PHY、Driver IC
用語解説
[※1] アイパターン試験
周期的な信号波形を加算することでアイパターン波形の解析を行うこと。表示された信号波形が目のように見えることからアイパターンと呼ばれる。波形が同じ位置で重なり合っていれば品質が良いが、波形の位置がずれていた場合は、信号が正しく伝送されていないと判断する。
[※2] アイマスク試験
アイパターン解析の一種。アイパターンが、各規格で要求されるマスク(目の部分の開口率)に準拠しているかを確認するための試験。
[※3] TDECQ測定
TDECQはTransmitter and Dispersion Eye Closure Quaternaryの略。PAM4光信号品質の測定。
[※4] NRZ/PAM4
NRZは、Non Return to Zeroの略であり、デジタル信号を伝送する方式。PAMは、Pulse Amplitude Modulationの略であり、振幅変調により伝送容量を向上させる方式。PAM4は4値での振幅変調方式。
[※5] Gbaud
Giga baudの略であり、baudは変調レートの単位。単位時間あたりの変調の回数として定義。
アンリツ株式会社ホームページはこちら