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ECU 統合に向けて、世界初、仮想化を実現するフラッシュ内蔵28nm車載制御用クロスドメインマイコン「RH850/U2A」を開発 【ルネサス エレクトロニクス】

2019年2月25日

ECU 統合に向けて、世界初、仮想化を実現するフラッシュ内蔵 28nm 車 載制御用クロスドメインマイコン「RH850/U2A」を開発
~機能安全レベルの異なるシャシー制御とボディ制御などのソフトウェアを1チップに統合可能~

ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼 CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、こ のたび、28nm プロセス採用のフラッシュメモリ内蔵車載制御マイコン「RH850/U2A」を開発しまし た。新製品は、RH850 のリアルタイム性を確保しつつ、フラッシュメモリ内蔵のシングルチップマ イコンとしては世界で初めて(注 1)、仮想化を実現することに成功。この仮想化技術は、機能安全 レベル ASIL D(注 2)までサポート可能のため、機能安全レベルの異なる ECU(電子制御システ ム)の統合を可能にします。「RH850/U2A」は、従来のシャシー制御用マイコン RH850/Px シリー ズと、ボディ制御用マイコン RH850/Fx シリーズの、双方の機能を統合した後継モデルです。複数 の用途に使用できる新世代の車載制御マイコン「クロスドメインマイコン」として、シャシー制御、 ボディ制御のほか、ドメイン制御や、ローエンドからミッドレンジのゲートウェイ用 ECU にも最適です。

 クルマの電気/電子(E/E)アーキテクチャの変化に伴う ECU の統合化を早期に実現するため、 複数の役割を1チップで実現するニーズが高まっています。これに応えるため、RH850/U2A にはハ ードウェアによる仮想化支援機構を搭載しました。この仮想化技術は、リアルタイム性を確保しな がらシャシー用などでは必須となる最も高い機能安全レベル ASIL D をサポートすることが可能で す。これにより、機能安全レベルの異なる複数のソフトウェアを1つのマイコンに搭載し、同時に 独立して動作させることが可能です。各ソフトウェアは相互干渉しないため、ユーザは従来のソフ トウェア資産を効率よく活用して ECU の統合を図ることができます。ルネサスは「RH850/U2A」を 第一弾として、クロスドメインマイコンのソフトウェアや開発環境を整備していく計画です。本新 製品「RH850/U2A」は、2020 年 1Q からサンプル出荷を順次開始する予定です。

 ルネサスのオートモーティブソリューション事業本部、テクニカルカスタマーエンゲージメント 統括部の統括部長、吉田直樹は次のように述べています。「E/E アーキテクチャの進化により、ECU を統合し、複数のアプリケーションを動作させることができる高性能なクロスドメインマイコンへ の要望が高まっています。今後、お客様がコネクテッドカーや自動運転車の開発を加速させるため にも、このクロスドメインマイコンによりソフトウェアの共通化を図り、増大し続けるソフトウェ アの開発効率の向上に貢献できると確信しています。」

RH850/U2A の主な特長は次の通りです。

(1)世界初、リアルタイム性を確保しつつ仮想化を実現、ASIL D までサポート可能
   RH850/U2A は、400MHz の CPU を最大 4 コア(ロックステップ対応)搭載しました。各 CPU には、
   ハードウェアの仮想化支援機構を搭載。これによりリアルタイム性を確保しなが ら仮想化を実現できます。
   さらに電流変動率を抑制した自己故障診断 SR-BIST(StandbyResume BIST)機能を搭載しました。
   これらより ASIL D を含む機能安全レベルの異なる複 数のソフトウェアを1つのマイコンで
   動作させることが可能になり、ECU の統合が実現可能 です。

(2)大容量フラッシュメモリ搭載により、OTA(Over The Air)によるソフトウェアの更新が可能
   フラッシュメモリを最大 16MB(メガバイト)、SRAM を 3.6MB 内蔵しているため、
   将来の 機能拡張に対応できるだけでなく、自動車の走行を中断せずに OTA(Over The Air)による
   ソフトウェアの更新が可能です。サイバー攻撃の脅威からクルマを守るため、EVITA-Full(注 3) に
   対応するセキュリティ機能も搭載しており、安全に OTA を実現可能です。

(3)ADAS や自動運転機能に対応する高速ネットワーク機能を強化
   ADAS や自動運転機能により増加する各種センサからの信号を高速で通信するため、
   最大 16 チャネルの CAN-FD に加え、SGMII 規格の 1Gbps のイーサネット通信インタフェースを
   搭載するなど、ネットワーク機能を強化しました。

 ルネサスは、RH850/U シリーズ を使用したデモンストレーションを、2019 年 2 月 26 日から 2 月 28 日 にドイツ・ニュルンベルクで開催される組み込み機器の専門展示会「embedded world 2019」の当社ブース (ホール 1、ブース 1-310)に出展する予定です。

 ルネサスは今後、車載制御用クロスドメインマイコンを車載制御用マイコンの主力製品と位置づ け、パフォーマンスの向上、セキュリティの強化、ネットワーク対応、スケーラビリティの拡充を 目指して積極的に展開をしてまいります。そして、今後も技術革新を続け、安心・安全なクルマ社会 の実現に向けて業界をリードしていきます。

RH850/U2A の詳細は、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/products/microcontrollers-microprocessors/rh850/rh850u2x/rh850u2a16.html

(注1)2019年2月25日時点、ルネサス調べ。
(注2)ASIL (Automotive Safety Integrity Level)は、自動車向け機能安全規格ISO 26262に
    おける機能 安全レベルであり、AからDの中でASIL Dは最も高いレベルです。
(注3)EVITA (E-safety Vehicle Intrusion proTected Applications)は、車両内ネットワークの
    セキュリ ティレベルであり、機能と性能によって3つのレベルがあり、fullはその最上位です。
*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。








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