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「宇宙家族ジェットソン」があなたの近くの電気自動車にやって来る?【日本テキサス・インスツルメンツ】

2019年2月1日

1960年代初頭にテレビ放送されたアニメーション作品「宇宙家族ジェットソン」では、2062年の空を飛ぶ自動車に乗っている家族が描かれています。こういった自動車はまだ実現していませんが、まもなく電気自動車(EV)から同じような音が聞こえてくるかもしれません。

EVには主に3つのタイプがあります。


〇ハイブリッド電気自動車(HEV):電気モーターと標準的な内燃エンジンを組み合わせて使用
〇プラグイン・ハイブリッド電気自動車(PHV):HEVのバリエーション。
 標準的な内燃エンジンと電気モーターを搭載。車両を外部の電源にプラグで接続することで内部バッテリーの再充電が可能。
〇バッテリー電気自動車(BEV):推進力として電気モーターを使用する自動車

よく知られている通り、EVは従来の内燃エンジンと比較して非常に小さなエンジン音です。そのため、自動車が接近していることに音で気づく必要がある視覚障害者、小さな子ども、高齢者などの歩行者に危険をもたらします。ある研究では、このように音の静かなEVは、通常の内燃エンジンの自動車よりも歩行者と衝突する可能性が40%高くなることが示されています。また、別の研究では、歩行者は、衝突するわずか1~2秒前まで、EVが低速で走行していることが十分に聞こえないことが示されています。

EVの音が静かなのには、いくつかの要因があります。EVはエンジンをかけたときに雑音が発生しません。また、バックするときや、一時停止の標識や赤信号から発進するときにも、感知できるような音は発生しません。

先日、私はこのことを実感しました。新しいファミリー・カーを購入するために出かけた際、HEVはボタンを押すだけでエンジンがかかりますが、内燃エンジンを始動するときの聞きなれた音は聞こえませんでした。

「READY(準備完了)」状態であることを示す緑色のインジケーター・ライトが見えるだけです。聞きなれたエンジン音が聞こえないので、自動車がどれだけ静かであるかに慣れる必要があります。

運転を開始すると、バックまたは前進のいずれの場合にも、時速32キロあたりになるまで内燃エンジンの始動音は聞こえないことがわかります。

また、燃料を節約するために、特定の停止点で内燃エンジンが自動的に止まります。これは、再発進するときも、タイヤの音や風切り音が大きくなるような特定の速度に自動車が達するまで完全に無音であることを意味します。

このような現状から、米国政府はEVに外部音発生装置の設置の義務化を開始しました。この装置は、自動車が低速で走行しているときに歩行者に自動車の接近を警告します(図1を参照)。各地域によりこの装置は、バーチャル・エンジン・サウンド・システム(VESS)、車両接近通報装置(AVAS)、エンジン/車両サウンド・ジェネレーター、のように呼ばれています。

図1:VESSのメリットが得られる状況

通常、新しい要件では、EVがバックするときと規定の最高速度(米国では時速30キロ、欧州では時速20キロ)に達するまでVESSで音を発生させなければならないことを定めています。

また、速度の変化を歩行者に警告するため、発生する音の音圧レベルは、自動車の速度の上昇または低下に応じて一定量で変化するようにしなければなりません。 一般的にVESSの規制では、発生させる必要がある音や信号の厳密なタイプは義務付けられていませんが、一部の初期プロトタイプでは、宇宙船が接近しているような疑似的な印象を与える音やピッチに変わっています。私が「宇宙家族ジェットソン」を引き合いに出したのはこのような理由からです。図2の音からわかるように、最新の実装では、やや未来的な音で、なおかつ調和が取れていることを目標にしているように思われます。

図2:調和が取れたVESSサウンドのTIによるシミュレーション

あるケースでは、自動車メーカーは、自動車後部へのVESSに追加スピーカーを実装することもあります。その目的は、自動車がバックしていることを知らせるための外部音を発することによって、安全対策を提供したり、自動車全体で心地よい自然な音の印象を実現したりするためです。自動車前部のスピーカーのみを実装する設計の場合、音は自動車の後部に向かって徐々に小さくなる可能性があります。

現在もVESSの規制は世界中で進化しているので、車載オーディオ・アンプのメーカーは、自社製品が、このような新たに登場した車載向けエンド装置の市場を確保できるよう速やかに取り組んでいます。多くの自動車メーカーは、前部スピーカーのみのVESS設計、または前部・後部の両方にVESSスピーカーが必要な実装を満たす単一の基板設計を行うことによって、より少ない研究開発費を実現できるような拡張性の高い車載オーディオ・アンプ・ソリューションを目指しています。

TIは、VESS市場のニーズに応えられる拡張性の高いClass-D車載オーディオ・アンプ・ファミリを提供しています。TIは、2チャネル、デジタル入力、Class-D車載認定アンプ『TAS6422-Q1』の唯一の車載オーディオ・アンプ・メーカーです。また、自動車メーカーがVESS市場に対応するために必要な拡張性や柔軟性を提供する、互換性のある1チャネルおよび4チャネルのClass-D車載オーディオ・アンプを提供しています。

参考情報
 
・ 『TAS6422-Q1』の特徴とメリットはこちらのビデオをご覧ください。  
・ VESSの詳細はこちら  
・ ハイブリッド / 電動パワートレイン・システムの詳細はこちら

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2019年1月31日)より翻訳転載されました。
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