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世界初︕ 既存のEMC試験用大型電波暗室を3D MIMO試験対応に変える 「自動車向け総合電磁環境測定ソリューション」を販売【東陽テクニカ】

2018年10月16日

世界初︕ 既存のEMC試験用大型電波暗室を3D MIMO試験対応に変える
「自動車向け総合電磁環境測定ソリューション」を販売

~General Test Systems社と総代理店契約締結~


株式会社東陽テクニカ(本社︓東京都中央区、代表取締役社長︓五味 勝)は、携帯端末・アンテナおよ びOTA 試験※1の分野で業界トップの専門技術集団General Test Systems Inc.(本社︓中国広東省深 セン市、以下 GTS 社)と日本における総代理店契約を締結し、第一弾として、世界初※2 の「自動車向け総 合電磁環境測定ソリューション」の販売を 10 月 1 日に開始いたしました。自動運転車の開発が進む自動車業 界に向け、新たな自動車用OTA 試験ソリューションを提案してまいります。
 本ソリューションは、既存の自動車向け EMC※3 試験用大型暗室に、GTS 社独自のハードウェアとソフトウェア を追加するだけで、EMC試験に加え、3GPP※4が認可したGTS社独自のRTS法※5によるMIMO OTA試験 を含む自動車の OTA 試験が実施できるようにするものです。特許取得のアルゴリズムにより、計測時間を大幅に 短縮し、自動車のような大きな被試験体の 3D MIMO※6計測も高精度で実施できます。新規施設の建設によ る多額な設備投資や広い土地が不要で、建設期間と手間の削減に寄与します。

  無線機器搭載のアンテナ測定の分野において、アンテナ計測ソリューションを 40 年以上にわたり提供し多数の 実績を持つ東陽テクニカは、今回、特許取得で3GPPにより認可された、GTS 社独自のRTS 法によるMIMO OTA 試験装置およびソリューションの取り扱いを開始することで、自動車や車載部品メーカー向けアンテナ計測事 業の強化を図り、自動運転に向けた開発に貢献してまいります。
  本ソリューションを、2018 年 11 月 28 日(水)~30 日(金)にパシフィコ横浜で開催される「マイクロウェ ーブ展2018」に初展示(パネル展示)いたします(ブース番号︓J-02)。

自動運転の実現に向けて、さまざまなセンサや通信機器 開発が進んでいます。車両の位置の把握、外部との通信、 地図のダウンロード、ステアリング・アクセル・ブレーキなどの運 転操作、そして障害物の検出などを行うために GPS、 LiDAR※7、移動通信アンテナ、ビデオカメラ、セントラルコン ピューターや車両ミリ波レーダーなどが実装されています。センサの実装数増加に伴い、その正常動作の確認や最適な搭載位置を決定するための無線通信品質測定の重要 性がますます高まっています。
 無線通信の品質評価としては、OTA 試験による実環境に近い無線通信下での評価が必須で、携帯電話な どの無線通信機器や無線端末のメーカーは、製品に対するOTA試験の実施を業界団体や携帯通信事業者な どから要求されてきました。この試験には、実際に使用するユーザーの体感に近い評価ができることと、搭載部品の アンテナから発する電波で他の電子部品が妨害を受ける内部 EMC 問題による感度劣化や通信品質劣化を評 価できるという利点があります。国際的な標準仕様を策定している3GPPには、これまで多くのOTA 試験手法が 提案されてきましたが、MIMO 技術に対する OTA の試験手法としては、GTS 社が特許を取得した RTS 法と、 マルチプローブ法の二つだけが、唯一認可されています。
 近い将来、自動運転に向けた技術開発や自動運転車の開発が進むに伴い、自動車全体に対する OTA 試 験の実施・評価がますます求められてくると予想されますが、自動車全体に OTA 試験を実施するには非常に大 型な OTA 試験専用の電波暗室の建設が必要で、新規建設には多額の設備投資や長い建設期間、また広い 設置場所も必要になってきます。加えて、自動車のように大型の被試験体を効率よく試験・評価できる手法が必 要です。
 新発売の「自動車向け総合電磁環境測定ソリューション」は、GTS 社独自のハードウェアとソフトウェアを使って 既存の自動車用 EMC 電波暗室を改造するだけで、EMC 試験に加え OTA 試験の実施を可能にし、さらに 3GPP認可のRTS法によるMIMO OTA試験にも対応できるようにします。特許取得のアルゴリズムで試験を高 速に、また、自動車のように大きな被試験体の3D MIMO試験も高精度に実施します。新施設の建設にかかる 多額の設備投資や広い土地、建設期間と工数を削減、計測時間の短縮に寄与し、自動運転車の開発スピー ドを加速させます。
 東陽テクニカは40年以上にわたるEMC試験分野での経験を活かし、EMC試験用大型電波暗室を保有し 今後自動車OTA 試験が必要となるお客様に、両試験ニーズを満たす本ソリューションを提案することで今後の自 動車開発に寄与するとともに、既存 EMC 試験設備の費用対効果を向上させることによってお客様の業績向上 に貢献いたします。

【 「自動車向け総合電磁環境測定ソリューション」の特長 】
 GTS社が独自に開発した測定アンテナや吸収体などのハードウェアと、3GPP認可のRTS法を実装したソフト ウェアで既存大型電波暗室をアップグレードし、EMCおよびOTA 試験の両方を実施可能にするソリューション。
 ◆特長
   ・ 既存EMC試験設備を活用し、OTA 試験も可能な試験システムに改造
  ・ 測定項目︓EMC 測定、OTA 測定
        (SISO※8、MIMO、5G、フェーズドアレーアンテナ、車両ミリ波レー ダー)
   ・ 小型プローブアンテナ︓ プローブアンテナ周波数範囲︔400MHz~6GHz、18GHz~80GHz
   ・ EMC(30MHz~18GHz)、4G(600MHz~6GHz)、5G とミリ波(18GHz~90GHz)の
    全帯域をカバーする発泡ポリプロピレン(EPP)吸収体
  ・ SISO高速試験 ・ 自動車用3D MIMOスループットの高速および高精度試験
  ・ ニアフィールド・ファーフィールド変換 ・ DUTオフセット補正アルゴリズム

【 製品データ 】
   ・ 製品名︓「自動車向け総合電磁環境測定ソリューション」
   ・ 販売開始日︓2018年10月1日

【 「マイクロウェーブ展2018」に出展 】
 マイクロ波技術関連の学術、産業、教育に関する国内最大規模のイベントである「マイクロウェーブ展 2018」 に出展いたします。 
  会期︓2018年11月28日(水)~11月30日(金) 
  会場︓パシフィコ横浜 
  ブース番号︓J-02 
   展示会公式サイト︓https://apmc-mwe.org/mwe2018/

※1 Over-The-Air試験。無線通信環境下での性能を評価する試験。
※2 RTS 法(3GPP 規格番号︓TS 37.544 v14.5.0 (2018-03))を使った
  電磁環境測定ソリューションとして。 2018年9月現在。東陽テクニカ調べ。
※3 電磁環境両立性(Electromagnetic Compatibility)。電子機器が電磁妨害
  (電磁波ノイズが周囲の機器や 人体に影響を及ぼすこと)を与えず、かつ他の電子機器からの
  電磁妨害に影響されずに性能劣化や誤動作を生じる ことなく設計どおり動作し得る能力。
※4 Third Generation Partnership Project。各国の標準化団体によって第3世代携帯電話(3G)の
  普及のため に 1998 年 12 月に作られた国際的なプロジェクト。それ以降の移動通信システムに
  関連する仕様の検討、策定を行 っている。
※5 Radiated Two-Stage法。3GPP認可のOTA試験手法。(規格番号︓TS 37.544 v14.5.0 (2018-03))
※6 Multiple Input and Multiple Output。無線通信で通信品質向上のため送信と受信に複数のアンテナを
  使用す ること。
※7 Light Detection and Ranging。光による検知と測距。
※8 Single Input and Single Output。送信、受信で一つずつのアンテナを使用すること。

<General Test Systems Inc.について>
 General Test Systems社は2012年に中国の「シリコンバレー」と呼ばれる中国広東省深セン市で創業し、 その後6年の間に携帯端末アンテナのOTA試験ソリューションの主要なサプライヤーとなりました。General Test Systems 社の急成長を支えているのは、多くの通信学会に発表した計測理論、アルゴリズムや電磁シミュレーシ ョンに関する論文などに代表される技術、および独自開発した広帯域・狭ビームのプローブ、高精度のポジショニン グシステム、高性能吸収体といった核となるコンポーネントやシステムインテグレーション能力です。社員の多くは博 士号を持つエンジニアであり、OTA試験に関する特許も多数取得しています。複数のプローブを使用しRTS法に 対応した、最も人気のある 4G 端末開発環境向け「RayZone シリーズ」を、これまで中国本土、米国、カナダ、 台湾、韓国などの顧客に200システム以上納入しています。5Gの市場に対しても、ミリ波チップセット、フェーズド アレーアンテナ、ハイパワー基地局アンテナ試験の分野で、世界的プレーヤーと協力してソリューションを提供してい ます。General Test Systems社 Webサイト:http://www.generaltest.com/english.php/

<株式会社東陽テクニカについて>
 当社は 1953年の創立以来、世界最高水準の“はかる”技術の提供をコアコンピタンスとし、最先端の測定機 器の輸入販売と自社開発製品の提供によって、官公庁、大学ならびに企業の研究開発を支援してきました。技 術分野は、情報通信、自動車計測技術、環境エネルギー、EMC(電磁波障害)試験、海洋調査、ソフトウェ ア開発支援、メディカルなど幅広く、米国や中国の現地法人などを通じて世界にも提供しています。また、2016 ~2017年にかけて新しい3組織「セキュリティ&ラボカンパニー」「技術研究所」「ワン・テクノロジーズ・カンパニー」 を設立。サイバーセキュリティサービスの提供、自動運転車の開発支援、AI(人工知能)を使ったデータ解析な ど、新しいソリューションの創造に取り組んでいます。
 東陽テクニカは「“はかる”技術で未来を創る」のスローガンのもと、これからも産業界の発展と安全で環境にやさ しい社会づくりに貢献してまいります。
 株式会社東陽テクニカ Webサイト:https://www.toyo.co.jp/


★ 本件に関するお問い合わせ先 ★
㈱東陽テクニカ EMCマイクロウェーブ計測部
TEL:03-3245-1244(直通) E-mail:emc@toyo.co.jp
「自動車向け総合電磁環境測定ソリューション」サイト︓ https://www.toyo.co.jp/emc/products/detail/CET
東陽テクニカ「自動車計測ポータル」︓https://www.toyo.co.jp/solution/car/


※本ニュースリリースに記載されている内容は、発表日現在の情報です。製品情報、サービス内容、お問い合わせ先な
 ど、予告なく変更する可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
※記載されている会社名および製品名などは、各社の商標または登録商標です。








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