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フォトレジストを効率的に除去する環境に配慮したグリーンケミストリーの新シリーズを発表【メルク】
2018年10月9日
●半導体プロセスのフロントエンド、バックエンドにおけるメルクの専門的ノウハウを活用し、強力なターンキーソリューションを作成する製品ポートフォリオ
● フォトレジストの分解により除去プロセスに要する時間を短縮し、化学品の寿命を延長し、総所有コスト(TCO)を改善する新製品AZ® Remover 880を発表
●高額な投資なしにNMPベースの製品から脱却することができ、メーカーに大きなメリットをもたらす新シリーズ
2018年10月9日、ドイツ、ダルムシュタット発 – サイエンスとテクノロジーの分野における世界有数の企業であるMerck(以下メルク)は本日、半導体製造向け機能性材料における専門的ノウハウを活かし、フォトリソグラフィープロセスによってターンキー・プラットフォームを作成する際に用いる環境配慮型のグリーンケミストリーの新シリーズを発表しました。新シリーズの第一弾であるAZ® Remover 880は非N-メチル-2-ピロリドン(NMP)ベースの化学品で、リフトオフプロセスで線幅が縮小し、歩留まりやコストに問題が生じる5Gや高度なウェハーレベルパッケージング加工技術のニーズに応えるものです。
メルクのスペシャリティアカウント・ビジネスフィールドの統括責任者、デビッド・ライアルは次のように述べています。「新しい製品ポートフォリオは、メルクには化学品開発の分野でイノベーションを生み出し、お客様のニーズに応える能力があることを示しています。機能性材料メーカーとして、当社はフォトリソグラフィープロセスのあらゆる段階に携わっています。市場で認識されつつあるリムーバーに関する問題に対処するため、環境負荷を抑え、新規製品を開発する貴重な機会をお客様に提供します」
MEMS、自動車、パワーIC、ウェハーレベルパッケージング機器市場をターゲットとするAZ® Remover 880は、間もなく発売される関連製品と合わせて、毒性の高いNMPベースの化学品の代替ソリューションを提供します。この新製品は、現在提供されているNMPベースの製品のようにフォトレジストをウェハーの表面から持ち上げて取り除くのではなく、ネガとポジの両方のトーンを分解する画期的な製品です。新たな手法を用いることで除去プロセスにかかる時間を半分に短縮し、ケミストリーの寿命を延長して、メーカーは高度なCPUに要求されるハイエンドの剥離液に投資することなくプロセスを大幅に改善することができます。
メルクのグローバルプロダクトマネージャー、アルベルト・ディオセスは次のように述べています。「ほんの1ガロンのAZ® Remover 880で、80%レジストで覆われた8インチのウェハーを250枚以上洗浄することができます。NMPベースの製品では到底このような成果を上げることはできません。NMPベースの製品の場合、除去プロセスを完了するまでにはるかに時間がかかる上、溶液槽に残るレジストの塊を注意深く濾過して取り除くためのさらなるコストが発生し、工程が複雑になるからです」
AZ® Remover 880 の主な特徴
AZ® Remover 880はシリコン、シリコン酸化物、一般的な相互接続材料をはじめとする精密金属などの材料が露出した製品の加工に適しています。浸漬式(ウェットベンチ)やスプレー式、浸漬式と高圧スプレーの組み合わせのいずれのバッチ式洗浄装置とも互換性があります。NMPだけでなく、DMAC、DMSO、TMAHのいずれの苛性化合物も含んでいないため、環境に優しい製品です。
当製品は2018年9月後半より販売を開始し、同シリーズには順次、新製品を追加する予定です。
メルクについて
Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。がんや多発性硬化症のためのバイオ医薬品を用いた治療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約53,000人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2017年は66カ国で153億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、創業家が今でも、上場企業が率いるグループの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。
メルク株式会社はメルクの日本法人として1968年に設立され、液晶や顔料などの化学品の研究開発・製造・販売や、試薬・分析機器などバイオサイエンス基礎研究や医薬品製造、創薬にかかわるライフサイエンス関連製品・サービスを手がけてきました。2017年1月より、日本国内におけるパフォーマンスマテリアルズ事業をメルクパフォーマンスマテリアルズ株式会社に集約し、液晶材料や半導体製造用材料、顔料、特殊化学品・機能性材料などの製造・輸出入・販売などを行っています。メルク株式会社およびメルクパフォーマンスマテリアルズ株式会社は、ライフサイエンスとパフォーマンスマテリアルズの両分野で高付加価値製品とソリューションを幅広く提供しています。詳細はwww.merck.co.jp をご覧ください。
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