ニュース

植物原料由来イソプレンゴムの実用化に向けた研究プロジェクトに参画【ブリヂストン】

2018年8月31日

 株式会社ブリヂストンは、植物原料由来イソプレンゴムの実用化に向けた研究プロジェクト「植物原料由来イソプレン及び高機能イソプレン誘導体製造技術の社会実装に向けた課題抽出」に参画します。このプロジェクトは、タイヤの原材料として使用されている天然ゴムや石油由来の合成ゴムを代替し得る、植物原料由来イソプレンゴムの実用化・事業化に向け、製造技術、精製・重合技術、コスト等に関する調査研究を通じて課題抽出を行うもので、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「スマートセル関連技術※1の社会実装推進に向けた先導研究テーマ※2」に採択されています。

植物原料由来イソプレンを用いたタイヤ製造プロセス(イメージ図)

 天然ゴムは、パラゴムノキから採取される生物資源で、合成ゴムに比べ強度・摩耗性能や補強材との接着性能に優れるタイヤの重要な原材料です。今後も世界的なタイヤ需要の拡大とともに、天然ゴムの消費量も増加すると予想されています。当社は天然ゴムの安定供給を目指し、パラゴムノキに関する様々な研究開発に取り組むと同時に、天然ゴムを代替する材料を人工的に合成する研究を進めてきました。2016年には、当社独自の触媒技術を用い、天然ゴム以上の性能を持つ次世代ゴムを実現しうるポリイソプレンゴム(合成ゴム)の合成に成功しています※3。植物原料由来のイソプレンを用いることも可能な当該技術の実用化・事業化に向け、本プロジェクトに参画する株式会社三菱ケミカルリサーチ、JSR株式会社、三菱ケミカル株式会社と連携し、タイヤ原材料の安定供給源確保や製造プロセスの確立等、イソプレンのバリューチェーンに関わる検討課題を明確にしていきます。これにより、植物由来原料を用いたタイヤの商用化を目指します。この取組みは、当社が2050年を見据えた環境長期目標として掲げる「100%サステナブルマテリアル化※4」の達成にも大きく貢献するものと考えています。

 当社グループはこれからも、世界最大のタイヤ会社・ゴム会社として、一人ひとりのもつ様々なニーズに応えながらも、地球の自浄能力・扶養力とバランスのとれた事業運営に取組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。


※1 植物や微生物の細胞が持つ物質生産能力を人工的に最大限引き出した
  「スマートセル」を活用し、生物機能を活用した物質生産や植物原料由来の素材開発に繋げる技術
※2 「植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発/スマートセル関連技術の
  社会実装推進に向けて解決すべき新規課題の検討」
  http://www.nedo.go.jp/koubo/EF3_100128.html
※3 分子構造を高度に制御したポリイソプレンゴムの合成に成功 (2016年12月13日 ニュースリリース)
  https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2016121301.html
※4 当社では「継続的に利用可能な資源から得られ、事業として長期的に成立し、
  原材料調達から廃棄に至るライフサイクル全体で環境・社会面への影響が小さい原材料」を
  サステナブルマテリアルと位置付けています


株式会社ブリヂストンホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#ブリヂストン
#材料
#ゴム
#タイヤ
#2018年8月31日