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新幹線用アルミニウム製吸音パネルが日本アルミニウム協会賞の開発賞を受賞【古河スカイ】
2012年4月3日
古河スカイが東日本旅客鉄道㈱殿(本社:東京都渋谷区、社長:冨田哲郎)、川崎重工業㈱殿(本社:兵庫県神戸市、社長:長谷川聰)と共同で開発した新幹線用アルミニウム製吸音パネルが、2011年度日本アルミニウム協会賞の開発賞を受賞しました。
吸音パネルは、東北新幹線新型車両E5系「はやぶさ」、「はやて」、「やまびこ」「なすの」に使用されており、高速走行する営業車両として車外吸音パネルに搭載されたのは世界で初めてです。
このアルミニウム製吸音パネルは、吸音材と共鳴吸音構造を有するアルミニウム合金製の強度部材を組み合わせた構造となっており、多孔質材料を吸音材として使うことで高い吸音性能を実現しています。さらに、強度部材である中空フレームのアルミ押出形材の両端を塞いで密閉構造とし、所定の位置に小さな穴を設けることにより、音の共鳴を利用した吸音構造としています。このことにより、広い周波数範囲で高い吸音性能を持つ優れた吸音パネルとすることができました(特許4317554)。
また、高速鉄道車両では特に軽量化が求められるため、主要部品に軽量・高剛性の6000系アルミニウム合金押出形材を用いるとともに、パネルの接合には重ね合わせやリベットやボルトのような副資材を必要としない摩擦攪拌接合(FSW:Friction Stir Welding)を採用することで、軽量化と接合部の信頼性向上を図りました。
開発した吸音パネルにより、鉄道車両の高速化をおこなっても、防音壁より外側に放射される騒音が増大するのを抑えています。
当社は今後も、吸音設計・評価技術、パネル設計技術、接合技術をはじめ、材料や加工の基盤技術を活用し、アルミニウムの特徴を生かして環境に配慮した製品を開発、提案していきます。
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