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2012年度を「グリーンモビリティ」推進の年へ【ランクセス】

2012年3月26日

・ 2012年度の年次テーマを「グリーンモビリティ」とし、環境対応型車社会を目指す
・ 「グリーンモビリティ」関連製品の提供に注力
・ シンガポール、インドをはじめとした世界各国で「グリーンモビリティ」関連製品の製造へ積極投資
・ 日本市場においても積極的に「グリーンモビリティ」を推進
・ 「グリーンモビリティ」関連の全世界の総売上高目標を2015年度までに80%増と設定

ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、2012年度の年次テーマを「グリーンモビリティ」にすることを発表しました。このテーマを軸に、ランクセスはグリーンモビリティ関連の幅広い製品群の提供と製造拠点への積極投資などを通じて、環境対応型車社会の推進を目指します。

またランクセスは、3月22日にドイツ・レバクーゼンで発表した2011年度年次決算において、「グリーンモビリティ」に関する製品が、総売上高の20%にせまる約15億ユーロに達したと発表しています。さらに、2015年度までには同関連製品の売上高を80%増の27億ユーロに引き上げる数値目標を示しました。 

ランクセスのCEOであるアクセル・ハイトマンは、次のように述べています。
「車社会化という世界的なメガトレンドは、当社の成長戦略に不可欠な要素です。しかしながら、成長だけでは十分ではなく、持続可能でなければならないと考えています。当社は、自動車・タイヤ産業に向けて、イノベーションと技術力を結集し、より省エネルギーで環境にやさしい、未来に向けた製品の開発に注力していきます」

ランクセスは、「グリーンモビリティ」関連製品のポートフォリオとして下記のような製品群を提供していきます。

* 「エコタイヤ」向けの合成ゴム(Nd-PBR、SSBR)とその他関連製品
* 車両の軽量化をもたらす高機能プラスチック(「デュレタン(R)(Durethan(R))」(ポリアミド)と「ポカン(R)(Pocan(R))」(ポリブチレンテレフタレート)など)
* シート用革素材の軽量化を実現する皮革用化学品
* 自動車部品などに使用可能な植物由来のエチレン素材を提供するテクニカルラバー
* 物質保護剤(各種バイオサイド製品)の抗酸化作用を利用したバイオディーゼル燃料の実用化

これらの製品において、ランクセスは「グリーンモビリティ」をキーワードに、環境に配慮した製品の開発、製造、販売に注力します。この実現には、研究開発への取り組みが不可欠です。ランクセスは、2011年度に、前年比24%増の1億4,400万ユーロを研究開発費として費やし、さらに2012年度には40%の増加を見込んでいます。

シンガポール、インドをはじめとした世界各国での積極投資

ランクセスでは環境対応型車社会を目指し、世界各国で「グリーンモビリティ」関連製品の製造設備へ積極的に投資を行っています。シンガポールのジュロン島では、急成長するアジア市場に向けて世界最大のNd-PBR(ネオジウム触媒ポリブタジエンラバー)新製造プラントの建設を、2012年9月11日に着工します。Nd-PBRは「エコタイヤ」の主要材料の一つとして、需要が大幅に増加しています。

同新プラントにおける主要サプライヤーとの契約調印式で、ランクセス CEOのアクセル・ハイトマンは次のように述べています。「『グリーンモビリティ』推進の年に、これ以上ない適切なタイミングで、新プラントの建設に着工できることを大変嬉しく思います。ランクセスは、イノベーションと技術力を駆使し、タイヤの転がり抵抗の低減と燃費の向上を可能にすることで、消費者と環境に貢献していきます」

インド・ジャガディア製造拠点では、タタ・モーターズ、フォルクスワーゲン、フォードなどの主要自動車メーカーをはじめとする自動車産業向けに、高性能プラスチックの製造を行います。この高性能プラスチックは金属の代替となる軽量プラスチック製品で、大幅な車両重量の軽減と燃費の削減をもたらすほか、低コスト生産と組立工程の簡略化を実現します。

ブラジルでも「エコタイヤ」産業向けの事業展開を強化しており、Nd-PBRの製造能力増強を図っているほか、標準タイヤ向けのESBR(エマルション・スチレン・ブタジエン・ゴム)の製造を「エコタイヤ」向けのSSBR(ソリューション・スチレン・ブタジエン・ゴム)の製造に転換する新技術導入の可能性を検討しています。また、自動車産業向けにも、世界で初めての植物由来の原料を使用したエチレンプロピレンゴム(EPDM)の製造を行っています。

日本市場での「グリーンモビリティ」への取り組みについて

日本は、自動車・タイヤ産業において、世界市場を牽引する企業が多数存在しており、ランクセスにとっても極めて重要な市場です。2010年1月から業界自主基準として、世界に先駆けて導入されたタイヤラベリング制度により、消費者の「エコタイヤ」に対する関心は非常に高まっており、2011年末には、乗用車用夏タイヤの20%を占めるまでに成長しています。タイヤラベリング制度は各国でも導入され、EUでは2012年11月から法規制として適用されるほか、韓国でも2012年末の法規制が検討されており、今後ますます注目されていく分野といえます。

ランクセスが2011年11月にミュンヘン工科大学に依頼し発表した「ラベリング制度とエコタイヤ」に関する調査では、日本のエコタイヤの市場シェアは、2020年までに70~80%まで拡大すると予測しています。世界的な合成ゴムメーカーであるランクセスは、こうした動きに注目し、国内および世界市場でのさらなるシェア拡大を目指します。

日本市場の主な取り組みとしては、環境に関する意識の高い日本市場において、環境対応型の製品群を積極的に提供していくとともに、主要な顧客と環境分野におけるパートナーシップをさらに強化し、協力して最新技術・ソリューションの開発などにも注力していきます。

ランクセスの日本法人 ランクセス㈱は、「エコタイヤ」向けの製品以外でも幅広いポートフォリオを用意し、「グリーンモビリティ」に向けた積極的な取り組みを行っていきます。ランクセスの愛知県豊橋市に位置する豊橋事業所では、合成ゴム添加剤などの製造拠点として「グリーンモビリティ」に貢献します。


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