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DSMの新製品、耐加水分解性Arnite® PBT。高いコストパフォーマンスで高性能なポリマーを代替。【DSM】
2017年11月30日
ライフサイエンスとマテリアルサイエンスのグローバルカンパニーであるDSMでは、熱可塑性ポリエステルのArnite®シリーズに耐加水分解性(HR)グレードのポリブチレンテレフタレート(PBT)を新たに加えました。この新素材は、自動車用のコネクター、制御デバイス、センサーなどの高温、多湿環境にさらされる用途に、コストパフォーマンスの高いソリューションを提供します。
自動車業界では、DSMのStanyl® PA46やForTii® PA4Tといった高耐熱ポリアミドほどの高性能までは要求されないものの、高温、多湿環境への一定の耐性が求められるという場面が増えています。この新たなグレードは、こうしたニーズに対応するものです。DSMのお客様からは、「連続使用時や温度が上昇し続けるエンジン周辺におけるピーク温度においては、ポリアミド6および66、さらに標準PBTは、一部の用途でもはや対応できなくなってきている」との声が寄せられています。このため私たちは、この新たなHR PBTが、多くの自動車関連企業にとって、標準素材と高価な特殊機能ソリューションの間に位置づけられるものと考えています。
一部の熱安定剤は、金属と接触すると腐食要因となりますが、PBTは、熱安定剤を必要とせず、また吸湿性が低いために寸法安定性が良く、電装用途として、標準的なポリアミドより優れています。
新製品のArnite®HRは、多くの点で標準的なPBTより優れていますが、特に優れている点として、機械的特性の保持性がより高くなっている点が挙げられます。USCAR Class 3、4、および5に準拠した温度/湿度試験で、「85/85」サイクル(85°C/85%相対湿度)に最大3000時間さらした後においても特性の保持が確認されています。また、150°Cにおける性能は比類がなく、加工サイクル時間の短縮につながる結晶化速度、また流動性においては他社製品を上回っており、機械特性の持続時間は、自動車の耐用年数を充足します。
DSMでは、Arnite®HRの性能目標を設定するにあたり、現在の自動車産業のニーズのみならず、それらが将来どのように変化するかも含めて検討しました。電気自動車や自動運転車へのトレンドが高まるにつれ、テストや検証基準がより厳しくなることから、新たなグレードへの工夫を重ねました。
DSMでは今後も、新たなArnite®シリーズとして、ガラス繊維30%強化の2グレードも販売を予定しており、そのうちの1つは、シリコーン系との接着性向上グレードです。それらのラインアップが揃うと、様々なグラスファイバー強化量によるグレードが提供され、0.4 mm厚でUL94規格でV-0までの難燃性グレード、耐衝撃性改善グレード、シリコーン封止剤との高い接着性を持つグレードなどが網羅されることになります。
DSMは、これらのArnite® PBTシリーズをラインナップに追加していくことで、カーエレクトロニクス分野のフルサービスを提供する世界でも数少ないプラスチックサプライヤーとして、自動車産業に貢献していきます。
<参考資料>
■製品に関するお客様からの問い合わせ先
ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチックス㈱
Tel:03-5404-8301 / e-mail:DEP-info.japan@dsm.com
DSM – Bright Science. Brighter Living.™
DSM社は、科学をベースとして健康、栄養、材料分野で活躍しているグローバル企業です。ライフサイエンスとマテリアルサイエンスにおける独自の技術を組み合わせることで、経済的繁栄、環境問題への取り組み、そして社会の発展を促進し、DSMと関わる全ての人々にとって持続可能な価値を創造します。また、DSMは食品や栄養補助食品、パーソナルケア、飼料、医療機器、自動車、塗料、電気・電子機器、ライフプロテクション、代替エネルギー、バイオベース素材などのグローバル市場において、顧客企業の業績向上・維持に貢献できる革新的なソリューションを提供します。年間の純売上高はおよそ100億ユーロ、社員数は25,000名で、Euronext Amsterdamに上場しています。
詳細についてはwww.dsm.comをご覧ください。
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