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グラファイトパウダーを使った新素材「グラファイト含有ゴム」を開発【パナソニック】

2012年3月7日

微小薄板状のグラファイトパウダーの量産技術を確立
グラファイトパウダーを使った新素材「グラファイト含有ゴム」を開発

柔軟性と、高熱伝導率を同時に実現

要旨

パナソニック㈱、パナソニック プロダクションテクノロジー㈱、パナソニック ポリテクノロジー㈱は、ゴムにグラファイトパウダー[1]を分散させ、ゴムの柔軟性を維持しつつ、高い熱伝導率[2]を有するゴム「グラファイト含有ゴム」を開発しました。 本開発のゴムの熱伝導率は、一般的なゴムに比べて、面方向で200倍、厚さ方向で3倍を実現しています。本開発のゴムを用いれば、振動吸収と放熱を同時に実現でき、車載用の電子回路の防振対策と放熱対策などの用途を含め、幅広い応用展開が可能となります。量産サンプルは、4月より提供する予定です。

効果

車載用の電子機器は、防振対策と放熱対策が必要となりますが、従来の対策では、防振にはゴムやプラスチックを使い、放熱には銅、アルミニウムなどの金属を用途別に使い分けていました。本開発のゴムを使用すれば 防振と放熱が同時に実現できるため、防振対策部材と放熱対策部材をコンパクトにまとめることができます。また車載用に限らず、素材に柔軟性と熱伝導率を要求される分野への広範囲な展開が考えられます。

特長

本開発のゴムは、以下の特長を有しています。

1. 熱伝導率は、一般的なゴム材の0.1W/m・K[3]に対して、面方向は20W/m・Kと200倍、厚さ方向は0.3W/m・Kと3倍を実現。
2. 熱が伝導する方向を自由に設計可能。
3. ゴムの持つ柔軟性は損なわれないため、防振性を維持。

内容

本開発のゴムは、以下の技術で実現されています。

1. グラファイトブロック[4]から、微小薄板状(面方向は10μm[5]程度の大きさ)のグラファイトパウダーを実現する粉末化技術。
2. グラファイトパウダーをゴムの中で面方向に整列させる高配向プロセス技術。

従来例

従来は防振対策にはゴム、プラスチック、また放熱対策には銅、アルミニウムなどの金属を使い、用途別に材料を使い分けており、コンパクト化は困難でした。

特許

国内 2件、外国 1件(出願準備中を含む)

お問い合わせ先

パナソニック株式会社  生産革新本部 企画グループ
06-6905-4857

内容の詳細説明

1. グラファイトブロックから、微小薄板状(面方向は10μm程度の大きさ)のグラファイトパウダーを実現する粉末化技術。
高分子フィルムを特定の条件下で高温処理し、炭素以外の元素を脱離させグラファイトブロックを作ります。これを微粉砕することにより高アスペクト比の微小薄板状粉末を製造することができます。

2. グラファイトパウダーをゴムの中で面方向に整列させる高配向プロセス技術。
上記の微小薄板状のグラファイトパウダーに対して、ゴムの原料、および添加剤などを特定の条件下で混練・硬化することで、グラファイトパウダーをゴム中で面方向に配列させることが可能となります。

用語の説明

[1] グラファイトパウダー
炭素の結晶体で、層状の結晶構造(1層の厚さは0.3nm[6]程度)を持つものがグラファイトで、ブロック状に構成したものがグラファイトブロックです。これを細かく粉末状にしたものをグラファイトパウダーと呼びます。なお本開発で使用するグラファイトパウダーは当社が独自に製造するグラファイトブロックを微小薄板化(面方向10μm程度で、厚さは0.1μm程度)したものです。

[2] 熱伝導率
物質中の熱の伝わりやすさを示す値です。数値が大きいほど、熱は伝わりやすくなります。例えば、銅は398W/m・K、金は320W/m・K、アルミニウムは236W/m・Kです。

[3] W/m・K
熱伝導率の単位であり、その意味は1m幅の物質の両端面に1度の温度差がある場合に1m2の面積を通して伝わる熱量となります。

[4] グラファイトブロック
グラファイトブロックの製造方法は、当社独自の高分子法と、その他に炭素水素ガス堆積法があります。当社の高分子法によるグラファイトブロックは、高分子フィルムを3000度で熱処理することにより、140mm×50mm×厚さ10mmの大きさまで製造することが可能です。

[5] μm
長さの単位で、1μmは1mの1/100万の長さ。

[6] nm
長さの単位で、1nmは1mの1/10億の長さ。


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