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世界初、ノイズ設計フリーの車載オペアンプ「BA8290xYxx-Cシリーズ」を開発【ローム】

2017年9月12日

世界初、ノイズ設計フリーの車載オペアンプ「BA8290xYxx-Cシリーズ」を開発
圧倒的なノイズ耐量を実現し、普及する車載センサアプリケーションの
シンプル設計・高信頼化に貢献

※2017年9月12日現在 ローム調べ


<要旨>
ローム㈱(本社:京都市)は、EV / HEVエンジンなどの基幹システムや車載センサを採用する車載電装システムに向けて、圧倒的なEMI耐量*1)(以下、ノイズ耐量)を実現した車載用グランドセンスオペアンプ「BA8290xYxx-Cシリーズ」(BA82904YF-C / BA82904YFVM-C / BA82902YF-C / BA82902YFV-C)を開発しました。
「BA8290xYxx-Cシリーズ」は、ロームの「回路設計」「レイアウト」「プロセス」、3つのアナログ技術を融合して開発し、全周波数帯域の出力電圧変動が一般品±3.5%~±10%に対して±1%以下という圧倒的なノイズ耐量を実現したオペアンプです。センサなど微小な信号を出力するデバイスの後段に設置することで、ノイズの影響を受けずに信号増幅できるため、従来フィルタを用いて対策していたノイズ設計を不要にして、システムの設計工数削減や高信頼化に大きく貢献します。
本製品は、2017年9月よりサンプル出荷(サンプル価格 500円/個:税抜)を開始しており、2018年6月から当面月産100万個の体制で量産を開始する予定です。生産拠点は、前工程がローム・ワコー㈱(岡山県)、後工程がROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd.(タイ)になります。
なお、本製品のノイズ耐量を実感できるデモンストレーションを10月3日~6日に千葉・幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2017」のロームブースで出展する予定です。ぜひご来場ください。


<背景>
近年の車載電装システムでは、ECU(Electric Control Unit)やセンサを使って温度や加速度、電流などの内部状態を管理し、最適化することで、燃費改善や安全機能付加を実現しています。
一方、自動車の電子化・高密度化が進んだことで、ノイズ環境はますます悪化しており、センサなど微小な信号を扱うデバイスの大きな問題になっています。また、自動車開発において、ノイズ評価は個別に行うことが難しく組み立て後の評価が重要視されますが、評価NGになれば大きな修正になるため、ノイズ設計には細心の注意が払われています。
ロームは、これらノイズの課題に対し、アナログ設計技術や独自のバイポーラプロセスなど垂直統合型の生産体制を活かすことで、世界で初めて車載センサアプリケーションのノイズ設計を不要にするオペアンプを開発しました。


<特長の詳細>
1.世界初、ノイズ設計不要の車載オペアンプ
「BA8290xYxx-Cシリーズ」は、ロームの「回路設計(新しいノイズ対策回路)」「レイアウト(長年培ってきたアナログレイアウト)」「プロセス(独自のバイポーラプロセス)」、3つの独自アナログ技術を融合して開発されており、全周波数帯域の出力電圧変動が一般品±3.5%~±10%に対して±1%以下という圧倒的なノイズ耐量を実現しています。このノイズ耐量により、一般品には欠かせない外付けのノイズ対策部品(電源、入力、出力のCRフィルタ3つ)を削減することで、システムで重要な役割を果たす車載センサアプリケーションのノイズ設計を不要にできるため、車載電装システム開発におけるノイズ課題を解決し、設計工数削減や高信頼化に貢献します。
なお、今後は高ノイズ耐量を実現するオペアンプ技術を産業機器市場向けにも展開していく予定です。

2.世界で求められる車載要求に対応
「BA8290xYxx-Cシリーズ」は、世界的な車載信頼性規格のAEC-Q100に対応することはもちろん、一般品と比較して消費電流(一般品0.7mAに対し0.5mAを実現)やオフセット電圧(一般品±7mVに対し±6mVを実現)に優れており、標準的なオペアンプ端子配置で一般的な面実装パッケージとチャンネル数をラインアップしているため、ノイズに懸念のある既存製品から簡単に置き換えることができます。


<製品ラインアップ>


<アプリケーション例>
■EV / HEVのインバータ ■エンジンコントロールユニット ■オートマチックトランスミッション
■電動パワーステアリング ■車載ランプ ■カーエアコン ■コンビネーションスイッチ ■EV充電器 ■カーナビゲーション
など、ノイズが気になる電子回路を持つあらゆる車載電装システムに採用可能です。


<用語説明>
*1) EMI(Electromagnetic Interference:電磁妨害)耐量
EMI耐量は周囲で発生するノイズに対する耐性を表す指標。EMI耐量が低い場合に周囲でノイズが発生した際、デバイスやシステムが誤動作する懸念があるため、フィルタ(コンデンサ、抵抗など)やシールド(金属板)でノイズ対策を行う必要がある。逆にEMI耐量が高ければノイズの影響を気にする必要がなくなるため、対ノイズの設計工数削減に大きなメリットを持たせることができる。


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#2017年9月12日