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大音量を楽しめるインフォテインメント・システム向け700W車載オーディオ・アンプ【日本テキサス・インスツルメンツ】

2017年7月14日

クルマの運転中に大音量で音楽を楽しみたい、というドライバーは数多くいることでしょう。図1の『700W車載用Class-Dオーディオ・アンプ』リファレンス・デザインは、最大700WのRMS電圧をサポートし、車内で大音量で音楽を聴きたい人のニーズを満たせる十分な電力を提供します。

図1:テスト済みの車載オーディオ・アンプ・システム


このデザインの主電源は、マスタ・スレーブ方式の2つの『LM25122-Q1』昇圧コントローラを備えた二相交互同期昇圧コンバータで構成されています。この回路は、2つの『TPA3251』350W高性能Class-Dアンプを提供します。この昇圧コンバータは9Vから12Vの入力電圧範囲を持ち、最大20Aの負荷電流で36Vの出力電圧を生成します。最小6Vの入力電圧でも動作しますが、その際の出力電圧は約半分に抑えられます。

TPA3251』アンプ段の一つは、車内の左右に搭載されたスピーカーに信号を送り、チャネルあたりの最大出力は175W(4Ω負荷時)です。その他のアンプ段向けには、2つのチャネルを橋渡しし、サブウーファやサブウーファ・アレイに350W(2Ω負荷時)の出力を提供します。図2は、このシステムのブロック図です。

図2:700W車載用Class-Dアンプのリファレンス・デザインの回路図


図3:電源回路図


このデザインには、各オーディオ・アンプ段向けにクリッピング検出器(図4)とプリアンプ(図5)も搭載されます。また、サブウーファをアンプのいずれかに接続するために、『OPA1662A-Q1』オペアンプを搭載する二次アクティブ・ローパス・フィルタが統合されています。コーナー周波数は超長波信号だけをサブウーファに送れるように80Hzに設定されています。

クリッピング検出器とプリアンプ回路用には、補助電源がオペアンプの正負両電源電圧を生成します。これらの補助電源には、12V向けの降圧型、および-12V向けの降圧昇圧反転型の『LM2841X-Q1』DC/DCスイッチング・レギュレータが含まれます。(図6)


図4:クリッピング検出器の回路図


図5:1アンプ段の回路図


図6:補助電源の回路図


Class-D技術により、このシステムは22cm x 20cm x 3cmという小型化を実現し、自動車の助手席の下に容易に搭載することができます。Class-D技術は、実装面積だけでなく、効率面においても、従来、車載向けオーディオ・システムで一般的に使用されてきたClass-ABに比べて著しい優位性を備えます。

薄いサイズと高出力を兼ね備えたこのデザインは、車載インフォテインメント・システム向けカーオーディオ用外部アンプを設計する開発者に最適な製品です。


参考情報
+インフォテインメントに適したソリューション
+TIのプレミアム・カー・オーディオ・ソリューション
+ブログ(英語):
-「車載向け外部アンプの疑問と方法
-「カーオーディオ・アンプシステムの要件の理解 パート1

※その他すべての商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年6月15日)より翻訳転載されました。


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