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「非接触給電型電気自動車向けの戸建住宅用充電装置」開発を開始 【IHI/三井ホーム】

2012年2月8日

㈱IHI(本社:東京都江東区、社長:釡 和明)と、三井ホーム㈱(本社:東京都新宿区、社長:生江隆之)は、ケーブルに触らずに充電できる非接触給電装置を搭載した電気自動車を、戸建住宅において充電する装置の実用化に向けた研究開発に共同で取り組むことといたしました。

㈱IHIでは、2011年より、電気自動車向け非接触給電技術の開発に着手し、電気自動車の様々な車種や蓄電池に適合可能な非接触給電装置の車載側(受電)、地上側(送電)の装置の開発を進めるために、独自で受電装置を搭載した試験用の電気自動車を製作し、テストを開始しています。非接触給電は、離れて置かれた送電装置と受電装置の間で電力を伝えることができる技術であり、ケーブルを引き回したり、コンセントを抜き差しする必要がなくなります。㈱IHIで開発中の非接触給電は磁界共鳴方式(※1)であり、3kWを超える電力を20cm離れて効率90%以上で送電可能なことが実証されています。この技術を用いることにより、利用者がケーブルを接続することなく電気自動車への充電が可能になり、電気自動車の利便性を高めることができます。

今回の取り組みは、開発プロセスの第二段階「実証試験」のひとつとして、戸建住宅における実用化につながるものです。三井ホーム㈱では、戸建住宅における宅内インフラの基準づくりや、太陽光発電システムや家庭用蓄電池と協調するHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)制御等の分野で研究を行い、自動車側からの送電・受電を含めた双方向の効率的な電力供給システムの開発につなげたいと考えています。

今回の取り組みを通じ、将来、自宅の駐車場で短時間の駐停車時にも充電が可能となるなど、ユーザーの利便性の著しい向上に寄与し、新しいライフスタイルの実現を目指してまいります。

(※1) 磁界共鳴方式について
ブランコを押すとき、ブランコが行って戻ってくる時間にちょうど合わせて押すとブランコを大きく揺らすことができるのと同じように、送電装置と受電装置の共振周波数がほとんど同じ時、間の磁場を通って送電装置と受電装置の間で共鳴が起こる。磁界共鳴方式では、共鳴を利用して送電装置と受電装置が離れていても効率良く電力を送ることができる。


株式会社IHI
ワイトリシティ(※2)と技術ライセンス契約を締結。自社製品向けの電気制御装置の開発を行ってきた経験を活かし、自動車向けおよび産業用途向けの非接触給電装置を開発し、そのサプライヤーとなることを目指している。

(※2) 米国WiTricity Corporation
2007年、マサチューセッツ工科大学(MIT)の著名な物理学者チームが原理試作を発表し、その後スピンアウトして設立した企業で、磁界共鳴方式の非接触給電の技術を保有している。

三井ホーム株式会社
環境にやさしい木の家、ツーバイフォー工法の注文住宅のリーディングカンパニーとして、グループ環境基本理念“「木の家、暮らしデザイン」宣言”を掲げている。太陽光発電、太陽熱ソーラー(給湯)等の創エネや蓄エネ設備はもちろんのこと、環境設計を提案し、家族にも環境にもうれしい“暮らし継がれる家”を提供している。


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