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インダクタ:車載PoC用インダクタADL3225Vの開発と量産【TDK】
2017年4月11日
● 広帯域での高いインピーダンスの実現
● 良好な直流重畳特性
● 自動化ラインによる高信頼、高品質を確保
● AEC-Q200準拠
TDK㈱(社長:石黒 成直)は、車載PoC(Power over Coax)用のインダクタ ADL3225Vシリーズ(外形寸法:L3.2×W2.5×T2.4mm)を開発し、2017年4月より量産を開始したことを発表します。
PoCでは、負荷インピーダンスの低い電源ラ インに高周波信号が流れていかないようにするため、電源ラインと信号ラインの分岐点において高いインピーダンスを求められています。本製品は、弊社独自の構造設計と巻線工法を用いることにより、広帯域(1〜1000MHz)で高いインピーダンスを確保し、良好な直流重畳特性を実現しています。また、自動製造プロセスで高信頼性、高品質なモノづくりを可能にしています。
近年、自動車にはセンサおよびカメラ 系の機器が増加し、多数のECU(電子制御ユニット)を結ぶ車載インタフェースにおいて高速化のニーズが高まっています。 こうした先進の車載インタフェースとして、双方向通信には車載Ethernet(最大伝送速度100Mbps)、また、カメラからメイン基板に映像信号を送る一方向の通信に対してはLVDS(最大伝送速度1.5Gbps)が導入されています。LVDS伝送においては、ワイヤーハーネスの重量を軽減するため、1本の同軸ケーブルで信号伝送と電源供給を実現するPoC化が進んでいます。加えて、ワイヤーハーネスの軽量化により燃費の向上に貢献します。
今後、さらに小型サイズ、また使用温度範囲の拡大などラインアップの拡充を図り、多種多様な車載用機器設計へ対応していきます。
用語集
● PoC(Power over Coax):同軸ケーブル1本で信号および電源を重畳させた伝送技術。
主な用途
● 車載カメラシステム等のPoC
主な特長と利点
● 広帯域で高いインピーダンスにより、信号ラインと電源ラインを分離する。
● 良好な直流重畳特性
● 自動化ラインによる品質の安定性
主な特性
*1 Isat:インダクタンス変化率に基づく場合(初期L値に対して-30%以下)
*2 Itemp:温度上昇に基づく場合(自己発熱による温度上昇40℃)
生産・販売計画
● サンプル価格:30円/個(税抜き)
● 生産拠点:日本
● 生産予定:30万個/月(当初)
● 生産開始:2017年4月
TDK㈱について
TDK㈱(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主な製品としては、各種受動部品※(製品ブランドとしてはTDK、EPCOS)をはじめ、電源、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2016年3月期の売上は約1兆1500億円で、従業員総数は全世界で約92,000人です。
※ 主な製品は、コンデンサ(積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ)、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、センサ、ピエゾおよび保護部品等です。
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