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ZF、次世代レーダー技術をAstyx社と共同開発へ【ゼット・エフ・ジャパン】
2017年3月30日
■ ZFは、Astyx Communication & Sensors(アスティックス・コミュニケーション&センサー社)の株式の約
45%をHannover Finanz Group(ハノーバー・フィナンツ・グループ)および創業株主から取得
■ レーダーは、障害物検知、事故防止、自動運転のための重要な技術
フリードリヒスハーフェン/オットブルン発 -ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン社(以下、ZF)は、アスティックス・コミュニケーション&センサー社の株式の約45%を取得しました。アスティクス社は、ドイツ、ミュンヘン近郊のオットブルンで1997年に創立された企業で、自動車産業などを対象とする極超短波レーダーセンサーやモジュールの開発、生産を手がけています。
ZFの最高経営責任者(CEO)、シュテファン・ゾンマー博士は、アスティクス社への投資に関して、次のように語っています。「アスティクスは昨年、ライダー(LiDAR)技術に続き、現在は、周辺環境や障害物の検知において鍵となる技術に研究開発の対象を広げています。アスティクスのレーダー技術は、現在当社が車間距離制御のようなドライバー・アシスト機能に利用している他のレーダーソリューションを補完する理想的な技術です。レーダー、ライダー、さらにカメラセンサーを組み合わせることにより、自動運転に不可欠な周辺環境検知機能を提供できます。」
アスティクスは、短/長距離レーダーセンサーの開発、生産を行っています。レーダーセンサーは超音波と似たような働きをしますが、超音波信号ではなく電磁放射束を送り、障害物の検知だけでなくその距離や速度を測定できる点が異なっています。最新のレーダーは、センチメートル単位の高解像度で人や物の動きを検知し、位置を確認し、識別する性能を備えています。
アスティクスはZFと協力し、世界中の自動車メーカーに向け、短/中距離の周辺環境についてさらに精密な画像を提供できる、次世代レーダーセンサーを開発します。
ゾンマーCEOはさらにアスティクスとの提携について次のように語っています。「ZFの中心的テーマである、『See-Think-Act(見て、考えて、動かす)』は、未来の車に高い知性と感覚を提供するという当社の理念を示しています。そのため、当社の技術ポートフォリオを確実に、かつ、系統的に発展させています。このレーダー技術に投資することで、未来の車の視力をさらに強化していきます。これは、当社のビジョンである無事故運転の実現に向けた、大きな一歩です。」
2015年5月の買収により、TRWの事業はZFのアクティブ&パッシブ・セーフティ・テクノロジー事業部に統合されました。本事業部は長年にわたって、レーダー技術の開発、提供に取り組んでいます。レーダーはとりわけ、車間距離や速度の自動制御が不可欠な高機能運転支援システムに使用されています。
ZFのアドバンスト・エンジニアリング部門の責任者でZFの子会社のZukunft Ventures(ツークンフト・ベンチャーズ社)のマネージング・ディレクター、トルステン・ゴレウスキは次のように述べています。「アスティックスと連携することで、複雑な環境検知に向け技術的に大きく前進することができ、完全自動運転という未来の姿に近づくことができます。わたしたちはツークンフト 社を通じて、これらの重要なテクノロジーをZFに迅速に導入しています。」ツークンフト社は、ZFが保有するテクノロジー関連企業の株式管理を担当しており、今回これにアスティックスが加わりました。
アスティックスのギュンター・トゥルマーCEOは ZFが少数株主となったことについて、次のように述べています。「ZFと共に働けることを非常に楽しみにしています。安全性の向上や自動運転といった大きな流れを系統的に形作ることのできる、強力なパートナーを得ることができました。当社にはレーダー技術における包括的なノウハウがあるため、高度な自動運転機能を含め、あらゆるドライバー・アシスト機能を実現することができるのです。」
ZFは以前の少数株主であったハノーバー・フィナンツ・グループおよび創業株主から株式を引き継ぎます。これまでの17年間、ハノーバーおよびウィーンに本社を持つこのプライベートエクイティ会社は、アスティックスの資本提携パートナーでした。過去40年にわたり、両社の専門家ネットワークにより、異なる分野のさまざまなテクノロジー企業が成長を遂げていきました。
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