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世界初 動圧作用や外周面しゅう動により低トルク化を実現 回転用低トルクシールリングを開発【NOK】

2017年3月21日

NOK㈱(本社:港区芝大門1−12−15 正和ビル、以下「NOK」)は、自動車用自動変速機(AT/CVT)に使用される回転用低トルクシールリング、「TS-Ring」「CT-Ring」の2種類を開発いたしました。TS-RingとCT-Ringは、それぞれ動圧作用や外周面しゅう動により低トルク化を実現しており、これらの技術は、いずれも世界で初めてのものです。
自動車の燃費向上のため、回転用シールリングに対する低トルク化のニーズが高まるなか、NOKはTS-Ring、CT-Ringの受注拡大を目指しています。

TS-Ring:しゅう動面にテクスチャーを付与し、摩擦係数を大幅に低減

シールリングのしゅう動(潤滑)環境は、混合潤滑域であることが一般的です。TS-Ringでは、しゅう動面にテクスチャー(シール媒体である油を供給する形状)を付与し、相手面の粗さを管理することで、流体潤滑域でのしゅう動を実現しました。流体(油膜)が相手しゅう動面との間に形成されることで動圧が発生し、摩擦係数が低減します。
→低トルク化の詳細は ◆付属資料(1)

CT-Ring:しゅう動面を側面から外周面に変更し、受圧面積を低減

シールリングのしゅう動面は、側面であることが一般的です。しゅう動面が側面の場合、シール性を維持するためには「はみ出し隙間」(相手面の寸法)以上の「受圧面積」が必要となります。これに対しCT-Ringは、断面形状を凸字断面にすることで、しゅう動面が外周面となるため、はみ出し隙間の大小に左右されずに押し付け荷重を低減することができます。
→低トルク化の詳細は ◆付属資料(2)

しゅう動面を外周面に変更したことで、従来品に比べ横方向のスペースを縮小できるようにもなり、シールリングを使用するAT/CVTの、レイアウト設計の自由度が向上します。また、溝側面としゅう動しないため、軟質軸への適用も期待されます。


◆付属資料(1)TS-Ring低トルク化のしくみ  (グラフはNOK調べ)
グラフ①は、G値<sup>※</sup>の変化によって、摩擦係数(μ)がどのように変化するかを示したものです。従来品(■)は動圧が発生しないため摩擦係数は高く推移していますが、TS-Ring(●)では、G値の増加とともに摩擦係数が低減する傾向を示しています(動圧が発生することにより油膜が形成され、流体潤滑域に移行していることが分かる)。摩擦係数の低減により、TS-Ringは従来品対比、最大80%の低トルク化を実現しています(グラフ②)。

グラフ① ストライベック曲線

グラフ② トルクの回転数依存性(TS-Ring)


◆付属資料(2)CT-Ring低トルク化のしくみ  (グラフはNOK調べ)
グラフ③は、はみ出し隙間とトルクの関係を示したものです。従来品(■)では、はみ出し隙間が大きくなるとトルクも大きくなりますが、CT-Ring(▲)では、はみ出し隙間に変化があってもほぼ一定のトルクを維持します。AT/CVTのメーカーにとっては、はみ出し隙間を大きく確保できる方が設計の自由度が高くなるため、CT-Ringのように、はみ出し隙間の影響を受けずに安定して低トルクを実現できるシールリングが求められています。グラフ④に見るように、CT-Ringは従来品対比、最大70%の低トルク化を実現しています。

グラフ③ はみ出し隙間とトルクの関係

グラフ④ トルクの回転数依存性(CT-Ring)



NOK㈱ 概要
事業内容:シール製品・工業用機能部品・油空圧機器・プラント機器・原子力機器・合成化学製品・エレクトロニクス製品・その他の製造・仕入・輸入・販売並びに機械器具設置工事等上記に付帯する業務
本社:〒105-8585 東京都港区芝大門1−12−15 正和ビル

リリース問い合わせ先:
NOK㈱ 経営企画室広報部
Tel:03-3434-1736 Fax:03-3436-5874 〒105-8585 港区芝大門1-12-15 正和ビル
*製品写真の貸し出し、取材のご希望につきましても、広報部宛にお問い合わせください。







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