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低コスト大口径GaN基板の製造に成功 4インチ径及び6インチ径量産ラインの整備を開始【住友電気工業】

2012年1月24日

住友電気工業㈱(本社:大阪市、社長:松本正義 以下、住友電工)とS.O.I. TEC Silicon On Insulator Technologies S.A.(本社:フランス パリ市、CEO:André – Jacques Auberton-Hervé (アンドレ・ジャック・ オベルトン・アルベ)、以下、Soitec )は、4インチ径及び6インチ径の薄膜GaN(窒化ガリウム)基板の製造に成功し、このたび量産に向けたパイロット製造ラインの整備を開始しました。

住友電工とSoitecは、2010年12月に、薄膜GaN基板の開発に関して協業を開始し、住友電工の高品質自立GaN基板製造技術と、Smart Cut技術で業界をリードするSoitecの半導体極薄膜の剥離・転写技術を組み合わせ、大口径自立GaN基板から複数枚の薄膜GaN基板を製造する技術について、共同で開発を進めてきたものです。

本技術開発の成功により、両社は、それぞれ兵庫県伊丹市と仏Bernin市に、4インチ径及び6インチ径の薄膜GaN基板パイロット製造ラインの整備に着手しました。製造ラインの整備により、お客様の基板需要に対して迅速な対応が可能となります。

本協業では、住友電工が日本で製造した自立GaN基板に、SoitecがフランスでSmart Cut技術を適用して、薄膜GaN基板を製造します。薄膜GaN基板は、高性能の半導体デバイスが求める低欠陥密度の特性を維持したGaN薄膜が、GaNと熱膨張係数の一致した低コスト支持基板に貼り付けられています。そのため、1枚の自立GaN基板に比べ、安価かつ同等の特性を有する薄膜GaN基板を得ることができます。
照明用の高輝度LEDや、電気自動車用や電力制御用のパワーデバイスなどの幅広い市場へむけて、GaN基板の本格的な普及が始まると期待しています。

住友電工の半導体事業部長の三浦祥紀 は、「今回、大口径GaN基板において薄膜剥離・転写技術の有効性を証明したことで、この薄膜GaN基板の低コスト量産の可能性が開けたと考えている。今後、拡大を続けている高輝度白色LEDやパワーデバイスの市場の要求に応えるために、Soitec社との協業をより実のあるものとすべく引き続き努力できることを喜ばしく思っている。」と述べています。

Soitec 副社長のFrédéric Dupont は、「今回の協業における4インチ径及び6インチ径の新型GaN基板の実験成功は、住友電工とSoitec両社の類い希なる革新性がもたらした結果です。私達の開発している新型基板は、斬新かつ先進的な機能をもたらす新たな材料の世界を切り開く第一歩となるでしょう。」と述べています。

Soitecグループについて

Soitecグループはエネルギーとエレクトロニクス業界において、革新的半導体材料の製造をリードする世界的企業です。主要製品としてSOI基板( Silcon-on-Insulator), CPV(集光型太陽電池)システム、またSmart-Cut・Smart-Stacking・Concentrix等のコア技術を有しています。その応用例は、携帯電話・情報通信・自動車・照明、さらには大型太陽電池ファームにまで広がっています。Soitecグループは、フランス・シンガポール・ドイツ・アメリカに工場及び研究所を持っています。
Soitecグループに関する情報は、http://www.soitec.comにて入手できます。

・Smart-Cut、Smart-Stacking、Concentrixは、Soitecグループの登録商標または商標です。


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