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自動車端子向け耐熱低挿入力Cu-Snめっき材を開発【古河電気工業】

2017年3月3日

自動車端子向け耐熱低挿入力Cu-Snめっき材を開発
〜耐熱性を維持しつつ更なる低挿入力を実現、ワイヤハーネス用の端子に最適〜


当社は、自動車ワイヤハーネス用の小型コネクタ端子の接点材料(端子材料)として、耐熱性と低挿入力性を両立した耐熱低挿入力Cu-Snめっきを開発しました。

本めっきは表層に銅(Cu)と錫(Sn)からなる金属間化合物層(注1)を形成することで、小型コネクタ端子向けの材料で求められる低挿入力性および耐フレッティング(注2)性が特長であり、今春よりサンプル出荷を開始する予定です。

(注1)金属間化合物;
     2種以上の金属によって形成される化合物で、金属単体とは異なる性質を示します。CuとSnの化合物の場合、
     一般的に2 種類の金属間化合物が知られており、Snより硬いといった特性を有します。
(注 2)フレッティング;
     自動車の振動により端子接点が非常に小さな振幅で振動し、Snめっき層が削れて摩耗粉が発生する現象。発生
     した摩耗粉が酸化することにより接点間の接触不良を引き起こします。

背景

近年、自動車ワイヤハーネス用のコネクタ端子は、車載電子機器や配線の増加に伴い、多極化と小型化(低背化)が進み、コネクタあたりの挿入力が増大する傾向にあることから、車両組み立て時の作業性が低下するという問題が生じています。

また、搭載スペースの都合からエンジンルーム近くなどの高温環境下で使用されるケースが増えているため、コネクタ端子用のめっき材料には、多極化に対応した低挿入力性と高温環境での接続信頼性の両立が求められています。

内容

このたび当社は、低挿入力と従来と同等の低い接触抵抗とを両立させた耐熱低挿入力Cu-Snめっきを開発しました。本めっきは、表層にCuとSnからなる金属間化合物層を形成することで、従来の低挿入力Snめっきと比べて挿入力が約20%低減されるとともに、表層の金属間化合物層が削れ難いため、フレッティングによる接触抵抗の上昇が抑制されます。

そのためフレッティングを生じやすい小型端子のみならず、挿入のための補助機構を必要としていた大型コネクタにおいても挿入力を低減できるため、自動車ワイヤハーネス用のコネクタ端子材料として最適です。

従来品との比較



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