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精密加工機μVシリーズに新機種「μV5」が登場【三菱重工業】
2017年1月26日
精密加工機μVシリーズに新機種「μV5」が登場
三菱重工工作機械、より大物のワークでもμmレベルの高精度加工を実現
三菱重工グループの三菱重工工作機械㈱(社長:白尾 誠二、本社:滋賀県栗東市)は、精密加工機μV(マイクロヴイ)シリーズの新機種として「μV5(マイクロヴイファイブ)」を開発しました。既存のμV1(マイクロヴイワン)よりテーブル作業面と加工ストロークを拡張することにより、自動車光学部品金型などの小径工具による微細な加工を必要とし、かつ大型化する製品に対して、μm(1/1,000mm)レベルの精度で高能率加工を行えます。自動車をはじめとする各種精密加工部品、ディスプレー筐体などを成形する大型の金型や燃料電池の主要部品であるセパレーター※、および回転機器のブレード加工向けをはじめとするさまざまな加工用途の需要に応えていきます。
μV5は、高精度金型や電極、精密部品などの加工をターゲットとして2006年に開発・発売したμV1の精度をそのまま受け継ぎ、新たに開発した3万回転/分の高性能主軸にも主軸の内部と外筒へ機体温度に同調させた潤滑油を循環させる特殊JET潤滑方式を採用。機械本体も高剛性対称構造とするとともに、各軸をすべり案内面とすることで高い減衰性を持たせながら、熱剛性と機械剛性にも配慮した最適構造とし、多種多様な素材に対し最良の加工面品位を確保することが可能です。また、各発熱源への冷却を徹底することにより加工時の熱変位を最小限に抑え、長時間の安定稼働を実現します。
μV5が搭載している主軸は高速・高性能なワイドレンジ主軸でありながら、少ない熱変位で高い精度を確保。さらに、高解像度CCD(電荷結合素子)カメラにより回転中の工具先端位置が正確に測定できる独自開発の「撮像式工具測定システム」を利用することで、μmレベルの切り込み量に対しても追従した精密加工が可能です。テーブルの作業面サイズは1,050×550mmを確保することで、最大800kgまでの大型ワークに対応できます。
μVシリーズは、μV1の3軸機に加えてテーブル上に傾斜軸と回転軸を持つ5軸機もラインアップし、非鉄材の切削加工や小形の各種冶具生産などにも用途を拡大。故障が少なく長期的に精度低下が起こりにくいことや、撮像式工具測定システムなどの独自技術が高く評価されてきました。今回、大型化する高精度部品加工に対応してμV5を投入したものです。
三菱重工工作機械は、2月2日(木)、3日(金)に栗東本社工場で開催する内覧会でμV5を披露。金型の加工実演などを通じ幅広い精密加工ソリューションを提案するとともに、今後は主軸バリエーションも順次追加するなどして加工用途をさらに広げていきます。
■ 小型精密加工機μV5の主な仕様
※:セパレーターは、固体高分子形燃料電池の発電単位となるセルを構成しており、電気を通す性質を持った金属や炭素などでできている板状のもので、固体高分子電解質膜に触媒を塗った膜・電極複合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を挟み込むように配置され、その表面には細かい溝が刻まれ、そこを水素や空気が通ります。
製品ページ
▶ μV5製品ページ(三菱重工工作機械株式会社のサイトへリンクします)
担当窓口:三菱重工工作機械㈱
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