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自動車用200℃対応リードタイプ積層セラミックコンデンサの開発【村田製作所】
2017年1月12日
要旨
㈱村田製作所は、最高使用温度200℃に対応する自動車用リードタイプ積層セラミックコンデンサRHSシリーズを開発しました。定格電圧ラインアップは200Vdc、500Vdcで、今後さらに拡大する予定です。主に自動車のエンジンルーム周辺など過酷な高温環境に搭載される機器などへの採用を目指します。本商品は、イワミ村田製作所で2017年5月から量産を開始します。サンプル価格は200円です。
なお本製品は、2017年1月18日~1月20日に東京ビッグサイトで開催される「第9回 [国際]カーエレクトロニクス技術展 ~カーエレ JAPAN~」に出展いたします。
背景
自動車の燃費向上を目的として、パワートレイン系制御システムはDCモーター駆動による制御が増加しています。このDCモーターから発生する電気的ノイズを抑制するためにコンデンサが使用されます。自動車の制御機器は過酷な温度環境で使用され、短時間ですが200℃近い高温になることもあります。このような環境で使用されるコンデンサには、高い耐熱性が求められます。本商品は、高耐熱積層セラミックコンデンサを、新しく開発した高耐熱樹脂でコーティングすることにより、最高使用温度200℃を実現しました。今後、エンジンルーム内などの高温環境に搭載される機器向けに拡販を目指します。
特長
● リード線付きタイプなので、ノイズ発生源の近くに溶接や「かしめ*1」で接続することが可能
● AEC-Q200*2に対応
● ISO7637-2*3規格の過渡サージ試験に対応
電気的性能
定格電圧:200Vdcおよび500Vdc
静電容量:100pF~0.01uF
外形寸法
L×W:4.0×3.5mmまたは5.5×4.0mm(定格電圧と静電容量の組み合わせによって決まります)
F:2.5mmまたは5.0mmいずれかの選択が可能
電圧・温度のディレーティングについて
製品温度が150℃を超える場合は、以下のように定格電圧に対してコンデンサに印加される電圧を軽減して使用いただくことになります。
用語説明
*1 かしめ:金属部材や金具を、接着剤などを使用せずにペンチや専用工具を用いて固定する方法
*2 AEC-Q200:Automotive Electronics Councilが策定した、車載電装部品に求められる信頼性試験規格
*3 ISO7637-2:車載電装機器から発生するノイズに対する耐性確認試験規格
ムラタについて
㈱村田製作所は、ファンクショナルセラミックスをベースとした電子デバイスの研究開発・生産・販売を行っており、材料から製品までの一貫生産体制を構築しています。またムラタ製品の90%以上は海外で販売されており、国内外にグローバル会社を展開しております。
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