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ポータブルNOx-O₂測定装置「NOA-7100」を発売【島津製作所】
2016年12月20日
Wi-Fi通信に対応、大気汚染の原因となる窒素酸化物を高感度に測定可能
ポータブルNOx-O₂測定装置「NOA-7100」を発売
ポータブルNOx-O₂測定装置「NOA-7100」(タイプ1)
島津製作所は、窒素酸化物(NOx)および酸素(O₂)の濃度をリアルタイムで測定可能なポータブルNOx-O₂測定装置「NOA-7100」を12月20日に発売します。
本製品は、前処理用のサンプリングユニットを本体に内蔵し、オールインワン(装置単体)での測定が可能な可搬型の装置です。Wi-Fiによる無線データ通信やUSBメモリによるデータ読み出し、PCブラウザからのデータ閲覧への対応により利便性を大幅に向上させました。
NOxは、環境に悪影響を与えることが知られており、汚染の防止と対策のために測定が必要とされています。本製品は、従来の燃焼排ガス測定の用途に加え、触媒の研究用途に適する以下の2タイプをラインナップしています。
・タイプ1:燃焼排ガス測定用NOx-O₂計
・タイプ2:触媒研究用NOx計(一酸化窒素・二酸化窒素を含む窒素酸化物測定向け小流量タイプ)
【開発の背景】
燃料が高温で燃焼する時に発生するNOxは、大気汚染の原因物質の1つであることから排出基準値が定められています。ポータブルNOx-O₂測定装置は、発電施設のボイラーやガスタービンから出る排ガスやゴミ処理施設の燃焼排ガス、船舶などのディーゼルエンジン排ガスの測定などのために現場へ持ち込まれます。これまで、当社従来製品で測定データを保存するには、作業者がデータを転写するケースのほか、PCや記録計を別途現場へ持ち込むことも多かったため、煩雑な手順を解消したいという要望がありました。また、NOxを浄化する触媒の研究のために、微量な流量の一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO₂)を個別に測定できる装置が求められていました。
このようなニーズに応えるため、当社は、一酸化炭素・二酸化炭素・メタンを測定できる昨年発売のポータブルガス濃度測定装置「CGT-7100」のネットワーク技術や、長年培ってきたNOxの計測技術を応用して「NOA-7100」を開発しました。「NOA-7100」は、国内外で年間100台の販売を目指します。
【新製品の特長】
1.オールインワンで高感度な測定を実現
クーラやポンプ、フィルタなどのサンプリング部品を本体に内蔵しているため、前処理装置を必要とせずにオールインワン(装置単体)での測定が可能です。また、当社の定置型排ガス分析計でも採用する化学発光方式によって、広い濃度範囲に対して高感度な測定を実現します。シンプルな設計は故障が生じにくく、メンテナンス性にも優れています。
2.Wi-Fiによるデータ通信やPCブラウザからのデータ閲覧に対応
Wi-Fiによる無線データ通信によって、iPad(iOS 8.1以降)などのスマートデバイスやPCのWebブラウザからリアルタイムでデータを確認できます。また、USBメモリによるデータの読み出しにも対応しました。これらの機能により、記録計無しでデータの記録が可能になり、現場での効率的な運用を支援します。
3.小流量測定に対応、NOx/NO切り替え機能を搭載
触媒の試験・研究用途に適したタイプ2は、十分なガス流量を確保できない場合や希少な試料の測定に適した小流量サンプリングに対応しています。タイプ1の必要ガス採取量が1.5L~2L/分なのに対し、タイプ2は100mL/分のガス採取量で測定できます。また、タイプ2には、NOxとNOを切り替えて測定する機能を標準搭載しており、NOxとNOを測定した結果からNO2を算出できます。
※本書に記載されている各社の商標および登録商標には、本文中に「™」、「®」は記載していません。
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iPadは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
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