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マン・ウント・フンメル社がBASFのブロー成形用高温ポリアミドUltramid® Endure BMを採用したチャージエアダクトを製造【BASFジャパン】
2016年11月22日
(本資料は2016年10月14日にBASF本社(ドイツ)で発表されたプレスリリースの和訳です。)
● BMWのターボチャージャー搭載2.0リッター四気筒エンジン向けに量産を開始
ターボチャージャーとチャージエアクーラーの間で「高温」、「高圧」にさらされるパイプの製造には、BASFの高温ポリアミドであるUltramid® Endure(ウルトラミッド エンデュア)D5G3 BMを用いたブロー成形が最適です。自動車エンジン等を取り扱うマン・ウント・フンメル社(ドイツ・ルートヴィヒスブルク)が、BMWグループの2.0リッター4気筒ターボエンジン用に製造した新たなチャージエアダクトが、それを証明しています。チャージエアクーラーを搭載したターボチャージャーは、BMW 4シリーズ、5シリーズ、7シリーズのほか、BMW X3、X4、X5など、数多くの自動車に採用されています。
Ultramid® Endure D5G3 BM(BMはblow molding:ブロー成形の略称)を使用することで、ブロー成形による効率的なチャージエアダクトの製造が可能となります。ガラス繊維を15%含有するBASFのポリアミド66(以下PA66)は、熱老化に対する高い耐性と優れた吸音性を備え、容易に加工することができます。通常使用においては最高220°Cの耐熱性があり、ピーク時の温度負荷は最高240°Cです。2010年から広く利用されている射出成形向けのUltramid® Endureのシリーズが、ブロー成形タイプで補完されることになります。射出成形グレード同様、Ultramid® Endure BMは、大気中の酸素による酸化を抑制する技術によって、優れた熱安定性が確保されています。これにより表面だけでなく、内部への酸化の促進を防ぎます。
最適化されたUltramid® Endure BMの特性で、成形業者や自動車メーカーには処理温度の低下によるシステムコストの削減、サイクル時間の短縮、省エネなど多くのメリットがもたらされ、高度な技術と組み合わせることで、耐久性のある強力なエンジンを製造することができます。つまり、Ultramid® Endure BMは、ポリフェニレン硫化物(PPS)やアルミニウムなど、従来のチャージエアダクト材料に比べ、より高いコストパフォーマンスを実現します。ターボチャージャーからチャージエアクーラーへは、チャージエアダクト内のエアチャージパイプを通って高温の圧縮空気が送られますが、その圧力は2.5バールを上回ります。
Ultramid® Endure BMは、自動車部品の組立てコストの削減や、軽量化を実現します。高温ポリアミドは、圧延アルミシート製パイプの代わりとなるものです。狭い設置スペースでパイプ部分を円形にするためには、高額なハイドロフォーミング法で金属パイプを製造する必要がありますが、BASFの素材を使用することで、パイプをさまざまな形状にブロー成形することができます。内部の表面はなめらかで、他のプラスチックに比べて空気抵抗も低減できます。
高い溶解安定性と膨張性、容易な溶接性がもたらす優れた加工特性
ブロー成形には、高度な溶融強度と膨張性を備えるプラスチックが必要です。溶融安定性が優れると、パイプの長さのバラつきを抑えることができます。長さのバラつきを小さく抑えることで、サクションブロー成形でのより安定した製造が可能となります。長さの変化が少なくなるほど、製品はサクションブロー成形に適するようになります。これはパイプの膨張にもあてはまり、ある程度の膨張は必要であるものの、膨張しすぎるとパイプを鋳型に挿入する際に問題となります。さらに、大幅に膨張する材料では成形品が肥大する傾向があるため、パイプが円錐台形になってしまいます。Ultramid® Endure BMでは大半の場合に円筒状が維持されます。処理パラメータの変更にも柔軟に対応するため、製造工程での修正も容易です。
Ultramid® Endure BMは赤外線溶接などを用いて、特にPA66の部品とは良好に溶接できます。多くの場合、ボンネット内の部品同士は溶接されますが、含有されるガラス繊維が少ないことから、特に経年とともに溶接線強度が弱まります。一方、Ultramid® Endure BMの革新的安定性メカニズムでは、ポリマーそのものが保護されるだけでなく、こうした潜在的弱点を強化します。溶接線は、高温の連続運転に対して高い耐久性も備えており、220°Cで1,000時間運転した後も、接合部に亀裂の兆候は見られません。つまり、溶接線の強度が高く維持されるのです。
極めて優れた吸音特性
自動車業界にとって、吸音性はブランド要素に直結し、極めて重要な要素になってきました。新しいエンジンのコンセプトにおいても、お客様や関係当局からの需要の高まりにおいても、吸音効果の高い材料が求められています。優れた減衰挙動を示すUltramid® Endure BMは、厳しい吸音要件に対応します。たとえば、振動する部品表面から発生する耳障りな空気伝播音を、発生源において直接的に低減します。温度や湿度次第では、ポリフェニレン硫化物の最大10倍の減衰効果を発揮します。
K 2016への出展
アイデアを理想的ソリューションに:BASFは、2016年10月19日~26日にドイツの デュッセルドルフで開催されたK fair(国際プラスチック・ゴム産業展)に出展しました。関連プレスリリース、画像、詳細情報はbasf.com/k2016でご覧ください。
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業部について
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2015年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、67億ユーロを達成しました。詳細に関しては、www.performance-materials.basf.comをご覧ください。
BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります。また、経済的な成功、環境保護、そして社会的責任を同時に実現しています。BASFでは、約112,000人の社員一人ひとりがほぼすべての産業、ほぼすべての国においてお客様の成功に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの部門から成ります。2015年、BASFは700億ユーロを超える売上高を達成しました。BASFの詳しい情報は、www.basf.com(英語)、newsroom.basf.com(英語)、www.basf.com/jp(日本語)をご覧ください。
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