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低・中価格帯の自動車向けに、優れた画像・音声・ビデオ処理を実現する新しい車載用ICを発表【STマイクロエレクトロニクス】
2016年11月28日
・低コスト化の求められる車載市場において、スマートフォンとの連携機能などを持つフルデジタル・ヘッドユニット
を可能にする先進的な集積技術
・優れた画像・音声・ビデオ処理を可能にする高性能マルチ・プロセッサ・アーキテクチャ
・クラス最高のセキュリティを実現する暗号化アクセラレーション機能搭載のマイコンを内蔵
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーで、先進的な車載用ICの主要サプライヤであるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、低・中価格帯の自動車において、高級車のようなデジタル・メータクラスタを実現する新しい技術を発表しました。
STの新しい車載用プロセッサ・ファミリであるAccordo5は、低価格帯の自動車に適した低消費電力の小型プラットフォームにおけるディスプレイ性能とセキュリティに対する厳しい要求をサポートします。画像・音声・ビデオ処理機能を集積した同製品は、設計コストの削減や組立ての簡略化が可能なため、最新のデジタル・メータクラスタやAudio/Video/Navigation(AVN)ヘッド・ユニットなどを、これまで以上に簡単に実現することができます。
Accordo5は、スマートフォンとの連携機能を有し、車載システムのGUIから、スマートフォン上のコンテンツ(音楽、ナビゲーション・サービスなど)に安全にアクセスするなど、ドライバーに価値の高い機能を提供します。最先端のホスト・プロセッサと高性能ビデオ・グラフィックス・エンジンは、ナビゲーションや動画プレビューと共に、GUI画面とリアカメラ映像を表示するなど、同時にさまざまな情報をディスプレイに表示することができます。また、H.264やDivX®を含む主要フォーマット向けのビデオ・プレイバック機能があり、ブレンディングやオーバーレイなどの効果付きの2D・3Dグラフィック再生や、USB・SDカード・インタフェースによる接続もサポートしています。
Accordo5は、ヘッド・ユニットと車載メイン・ネットワーク間のインタフェースを確保する高性能マイクロコントローラ(マイコン)を集積しています。これは、今日の「つながる」自動車にとって極めて重要なポイントです。このマイコンには、ブート・コード認証、セキュアな相互接続、高性能データ暗号化などの機能を搭載しています。
STのオートモーティブ・ディスクリート・グループ バイスプレジデント 兼 オートモーティブ・デジタル事業部ジェネラル・マネージャであるFabio Marchioは、次のようにコメントしています。「従来のダイアル、スイッチ、表示ランプなどを、先進的なグラフィックスパネルに置き換えることで、運転者はより簡単に車両やその周辺の情報にアクセスできるようになります。また、デジタル・ヘッド・ユニットによって安全性と利便性が向上します。最先端機能をコスト効率の高い1チップに集積したAccordo5ファミリにより、自動車メーカーはこれらのメリットを今まで以上に多くの顧客に提供できるようになります。」
技術情報
Accordo5ファミリは、実績のあるAccordoラインの最新世代の製品で、演算用CPUにARM® Cortex®-A7プロセッサを搭載したデジタル・インフォテインメント用ICの中では、最も高い性能を有しています。エリア効率の高いCortex-A7アーキテクチャは、コスト効率が良く、高い処理性能およびメモリ・ストリーミング性能を特徴としています。Accordo5を採用する設計者は、外付けの高性能DDR3メモリに対応する16bit幅のインタフェースを備えたシングルコアCortex-A7、または、16/32bit 幅のDDR3メモリ・インタフェースを備えたデュアルコアCortex-A7を選択することができます。
Accordo5は、中価格帯の自動車をターゲットとしていますが、500MHzの3Dグラフィックス・プロセッサ・コアにより、クラス最高のグラフィック性能を提供します。そのアーキテクチャは、OpenVGやOpenGLES-2.0などの主要フォーマットで、最大解像度1080pの2D・3Dグラフィックをサポートします。また、複数のモードとビデオ・オーバーレイにより最大4レイヤまでのブレンディングが可能です。マルチフォーマットのビデオ・サブシステムは、ピクチャ・イン・ピクチャのようなエフェクトを可能にするポスト・プロセッシング機能を提供します。さらに、高性能オーディオDSPとアナログオーディオ出力(ステレオ3系統・計6チャンネル)、および複数の業界標準オーディオ・インタフェースのサポートが、本格的なオーディオ性能を可能にします。内蔵ディスプレイ・コントローラは、フルHDまでのTFT-LCDディスプレイとタッチ・パネルに対応します。
この新製品ファミリは、デジタル機器と車両メイン・ネットワーク間のセキュアCANインタフェースの制御に、ARM Cortex-Mマイクロコントローラ(マイコン)を使用しており、セキュリティをさらに高めています。このマイコンは、最新の高速規格であるCANFDをサポートする3つのCANポート、暗号化アルゴリズム(SHA-2、PK、AESなど)向けのハードウェア・アクセラレータ、暗号鍵の保管と改竄を防止する一時プログラマブル・メモリ(OTP)を集積しています。また、スタンバイ・モードでの消費電流が極めて小さく、車両全体の電力損失を最小化する電源制御機能を内蔵しています。
その他の先進性として、実行性能に対する放熱量が改善されたことが挙げられます。これにより、最適な信頼性を得るための熱設計が容易になるほか、柔軟な配線によりオーディオ設計が簡略化されます。
また、STは、機能豊富なディスプレイや機器の設計を簡略化する包括的なソフトウェアおよびミドルウェアIPを提供しており、Accord5ファミリを採用する設計者をサポートしています。
Accordo5ファミリのSTA1275、STA1285、およびSTA1295は、現在サンプル出荷中です。デュアルコアCortex-A7プロセッサを搭載するSTA1295は、LFBGA529パッケージ(19 x 19 x 1.7mm)で提供されます。価格および詳細については、STのセールス・オフィスまでお問い合わせ下さい。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、私たちの暮らしに欠かすことのできないエレクトロニクス機器に、優れた性能と高い電力効率を特徴とした半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。あらゆるシーンで活躍するSTの製品は、お客様が開発する次世代モバイルやIoT機器の他、よりスマートな自動車、工場、都市および住宅を可能にします。STは、生活をより豊かにする技術革新を通じ、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。STは、10万社を超えるお客様に半導体を提供しており、2015年の売上は69.0億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。
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オートモーティブ&ディスクリート製品グループ
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