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世界初、重希土類フリーで高い磁力と優れた減磁耐性をあわせ持つモータ用磁石を開発【東芝】

2016年11月10日

㈱東芝と東芝マテリアル㈱は、レアアースの中でも特に希少な重希土類を一切使用せずに高い磁力と優れた減磁耐性をあわせ持つモータ用の高鉄濃度サマリウムコバルト磁石注1を開発しました。本開発品は、高耐熱モータの実使用温度域(140℃以上)において、現在一般的に採用されている耐熱型ネオジム磁石を上回る磁力注2を持つとともに、180℃でも優れた減磁耐性注3を示す世界初の磁石です。モータの高温時も磁力を保持できるため、モータの冷却システムが不要または簡素化でき、その結果、省スペース化、低コスト化が可能になります。また、薄型磁石が使用可能となることでモータ設計自由度が飛躍的に向上します。

140℃以上の耐熱性が要求されるハイブリッド自動車や電気自動車の駆動モータ、産業用モータ、風力発電機など向けに耐熱型ネオジム磁石の需要は増加しています。ネオジム磁石は室温で大きな磁力を持つもののモータの実使用時に高温になると磁力が大幅に低下したり、コイルに大きな電流を流した際に磁石に加わる反磁界の影響で減磁してモータトルクや出力が低下してしまうという課題がありました。このような減磁はネオジムの一部をジスプロシウムやテルビウムといった重希土類で置き換えることである程度抑制できますが、高い磁力を維持しながら180℃まで減磁耐性を保つことは困難でした。また、重希土類の鉱山が地球上の一部地域に集中しているため、政治状況によって調達が難しくなったり、市況が乱高下しやすくなるといった問題があり、重希土類を使用しない高性能磁石の開発が望まれていました。

当社は、2012年に開発した高鉄濃度サマリウムコバルト磁石注4に当社独自の熱処理技術を適用することにより保磁力注5を30%向上するとともに、高耐熱モータの実使用温度域(140℃以上)で耐熱型ネオジム磁石を上回る高い磁力を保持したまま、180℃でも優れた減磁耐性を示すことを確認しました。さらに、両社共同で本開発品の量産技術を開発し、その基本プロセスに目処が立ちました。

東芝マテリアル㈱は、今回開発した耐熱モータ用高鉄濃度サマリウムコバルト磁石のサンプル提供を本日から開始し、ニーズを調査した上で早期の市場投入を目指します。


注1 特許取得済

注2 磁力とは、単位面積当たりの磁力線の数(磁束量)のことを指します。磁束密度とも呼ばれます。

注3 減磁耐性とは、熱や外部磁界に対抗して磁石が磁束を保とうとする性質のことを指し、モータ設計上重要な性質
    です。屈曲の無い直線的な減磁特性によって優れた減磁耐性が担保されます。

注4 2012年8月16日プレスリリース https://www.toshiba.co.jp/about/press/2012_08/pr_j1601.htm

注5 保磁力とは、外部磁界に対抗して磁石が磁束を保とうとする力のことを指します。



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