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リチウムイオン二次電池用の高耐熱セパレータを開発【三菱樹脂】

2011年12月16日

三菱樹脂㈱(本社:東京都中央区 社長:吉田 宏)は、需要の拡大が見込まれる自動車用リチウムイオン二次電池市場をターゲットに、コスト競争力のある高耐熱セパレータを開発しました。今後、自動車用リチウムイオン二次電池メーカーによる品質評価を経て、2012年に発売し、2013年度から本格量産化を行う予定です。

当社が開発・生産を手がけるリチウムイオン二次電池用セパレータは、三菱ケミカルホールディングスが成長事業と位置づけるリチウムイオン電池部材事業の主要4部材の1つです。リチウムイオンを適度に透過させ、かつ正極と負極が触れてショートするのを防ぐ機能を有する多孔質フィルムで、電池が異常発熱した場合に安全に孔を塞ぐシャットダウン機能も有します。
セパレータ市場では、2010年度から自動車向けの需要が拡大しており、2015年度には自動車向けが市場全体の約4割を占める見込みです(当社推計)。セパレータの製造方法は、湿式製法と乾式製法とに大別されますが、自動車向けには、コスト競争力があり、かつ電池の出力向上に適した乾式製法によるセパレータが主流となることが予想されます。また、セパレータメーカーには、電気自動車の普及に備え、さらなる安全性を確保するための高耐熱でコスト競争力があるセパレータの開発が求められています。

当社は、リチウムイオン二次電池用部材の製造・販売を手がける三菱化学と連携しながら、独自の乾式法のリチウムイオン二次電池用セパレータ「セパレント®」を2009年に開発しました。「セパレント®」は、当社が長年培ってきた材料設計技術とフィルム製膜技術等を駆使して開発した高機能セパレータで、乾式法でありながら、孔の高次構造コントロールにより湿式法に近い孔構造を有し、低温出力、サイクル寿命等の諸電池特性を併せ持つことが特徴です。2011年から国内外数社への本格販売を開始し、今後さらなる需要が見込めることから、現在、新たな生産ラインを増設中です。一方で、将来的に需要拡大が見込める自動車用リチウムイオン二次電池市場をターゲットに、今般、コスト競争力のある高耐熱セパレータを開発しました。この高耐熱セパレータは、当社のセパレータに、独自の耐熱コートを行った製品で、200℃以上の耐熱性を有し、電池の内部短絡防止に寄与します。また、長年培ったコーティング剤の開発力とコーティングプロセス技術により、市場に流通している耐熱セパレータ(湿式法)よりコスト競争力にも優れています。

当社は、セパレータを含めたリチウムイオン二次電池用の4部材を販売する三菱化学と連携しながら、グローバルな自動車向けのスペックイン活動と顧客毎の性能評価及びカスタマイズを実施し、2012年度中の発売を目指してまいります。そして、2013年度に高耐熱セパレータの量産化を行い、セパレータ全体で2015年度に7200万㎡の販売を目指します。


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