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自動車および電子産業で用いられる精巧な部品向けの新たなポリフタルアミド製品を投入【BASFジャパン】
2016年9月28日
Ultramid® Advanced N:
自動車および電子産業で用いられる精巧な部品向けの
新たなポリフタルアミド製品(PPA)を投入
(本資料は2016年6月29日にBASF本社(ドイツ)で発表されたプレスリリースの抄訳です。)
● BASFの新たな半芳香族ポリアミドを、グローバルで販売開始
● 卓越した特性 : 100°Cまで安定した機械的特性、優れた耐薬品性、低吸水性、低摩擦、低摩耗
BASFは半芳香族ポリアミドの製品ラインアップを拡大し、新たなポリフタルアミド(PPA)の製品ポートフォリオを市場に投入します。この製品群はUltramid® Advanced N(ウルトラミッド アドバンストN)という名称で、非強化、ガラス短繊維、長繊維で強化された複合材、難燃性のグレードで構成されています。これらの製品は100°Cまで安定した機械的特性(ガラス転移温度:125°C)を維持し、優れた耐薬品性、低吸水性を備えているだけでなく、低摩擦、低摩耗であり、従来のPPAプラスチックの特性をはるかに超えた製品です。Ultramid® Advanced Nはサイクル時間の短縮を実現し、プロセスウィンドウを拡大します。この新たな製品群は、綿密な材料特性データ、BASFによって培われてきたアプリケーションノウハウと共に提供されます。BASFは今後、世界各地のお客様のプロジェクトに対し、厳選されたグレードを提供していきます。
イノベーションの幅を拡大
技術的に精巧さが求められるエンドユーザー向け製品の開発において、この新たなポートフォリオは様々な業界のお客様の革新性をより一層高めます。Ultramid® Advanced Nは、お客様は小型化や機能統合、設計の自由度に対する要求を満たすことができます。また、エネルギー効率、安全性の基準といった市場の要求に求められる機械的特性、耐薬品性、寸法安定性に対する高い基準を、幅広い温度帯で満たすことができます。パフォーマンスマテリアルズ事業本部欧州担当シニア・バイスプレジデントであるメラニー・マース ブルンナーは次のように述べています。「Ultramid® Advanced Nは、より厳しい使用環境で使用されるプラスチック需要の高まりを受けて、BASFが市場投入した製品群です。Ultramid® Advanced Nのような特殊製品を開発することは、お客様に幅広いソリューションを提供するというBASFの戦略とも合致しています。私たちは様々なPPA製品を提供することに全力で取り組み、今後も高性能プラスチックのさらなる市場投入を行っていく予定です。」
多くの業界で幅広い用途
Ultramid® Advanced Nを使用することで、他の材料では限界に達してしまうような困難な環境向けに、より軽量で強度の高いプラスチック部品を設計できるようになります。この新たなPPAの特殊な特性が組み合わさることで、ユニークな製品の製造が可能になり、様々な用途で使用する際の問題を解決することができます。Ultramid® Advanced Nは白物家電や消費者向け電子製品、モバイル端末に使われている小さなコネクタや機能統合型のハウジング部品等、高温で腐食性の媒体や様々な燃料と接触するエンジン、ギアボックス周辺の自動車部品や構造部品にも使用することができます。またギアホイールや、その他の摩耗性のパーツへの適用も可能です。Ultramid® Advanced Nは鉛フリーはんだのリフロープロセスにも適しており、例えば、SMD(表面実装デバイス)技術を使用した回路基板アセンブリなど、電気電子産業での利用も可能です。パフォーマンスマテリアルズ事業本部欧州のPPA事業を率いるアブドゥラ・シャイフは次のように述べています。「私たちは、お客様の抱える課題を理解し、用途開発や製品ノウハウにおけるBASFの専門知識に基づいてそれぞれに合ったソリューションを見つけるため、積極的にお客様に働きかけていきます。2016年10月に開催されるK-Fairでは、当社のポートフォリオへの理解を深めていただき、お客様と様々な用途について議論したいと考えています。」
優れた機械的特性、卓越した難燃性
BASFの新たなポリフタルアミドの剛性と強度は、125°Cという高いガラス転移温度まで安定しており、湿度変化などの外的要因による影響が非常に低くなっています。同等のPA66グレード(ガラス転移温度:60°C)と比較すると、Ultramid® Advanced Nの応用範囲はさらに広く、機械的特性も優れています。Ultramid® Advanced Nの電気的特性も、室温やそれ以上の温度での水分含量にはほとんど影響を受けません。これも脂肪族ポリアミドとは顕著な違いです。また、融点が300°Cと高く、吸水性も低いことから、Ultramid® Advanced Nは鉛フリーはんだのリフロープロセスに最適です。高温条件における材料の軟化、ブリスターの発生を抑止することが可能です。また、吸水性が低いことで、優れた寸法安定性を提供します。試験では、吸水性、吸湿性ともにPA6Tと比べ、約50%減らすことができました。ガラス繊維を35%配合して強化したUltramid® Advanced Nのグレードの場合、飽和状態になるまで吸収する湿度はわずか1%未満です。
各種耐候性試験では、ガラス繊維を30%配合して強化した難燃性グレードは、市場にある同様のPPAグレードよりも、耐マイグレーション性の点で優れていることが確認されました。このグレードは非常に優れた難燃性(0.4 mm厚でUL94規格のV-0等級)を持ち、ハロゲンフリー難燃性が備わっています。また、耐クリープ性や表面平滑性も優れており、レーザーマーキングが可能です。
Ultramid® Advanced Nは化学品、特に熱油やグリサンチン® のような熱媒、塩化カルシウムや、メタノール含有量が高い燃料などに対する耐薬品性が極めて高いのが特徴です。個々のグレードには様々な熱安定化技術が適用されており、自動車産業、電気電子産業の特殊な要件に合わせたテーラーメイドのソリューションとなっています。
K 2016への出展
アイデアを理想的ソリューションに:BASFは、2016年10月19日~26日にドイツのデュッセルドルフで開催されるK fair(国際プラスチック・ゴム産業展)に出展します(第5ホール、C21/D21ブース)。関連プレスリリース、画像、詳細情報は、basf.com/k2016でご覧ください。
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業部について
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2015年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、67億ユーロを達成しました。詳細に関しては、www.performance-materials.basf.comをご覧ください。
BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります。また、経済的な成功、環境保護、そして社会的責任を同時に実現しています。BASFでは、約112,000人の社員一人ひとりがほぼすべての産業、ほぼすべての国においてお客様の成功に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの部門から成ります。2015年、BASFは700億ユーロを超える売上高を達成しました。BASFの詳しい情報は、www.basf.com(英語)、newsroom.basf.com(英語)、www.basf.com/jp(日本語)をご覧ください。
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