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2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦 岡山 国本雄資がレース2で悲願のシリーズ戦初優勝!【トヨタ自動車】
2016年9月11日
2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦 岡山
国本雄資がレース2で悲願のシリーズ戦初優勝!
国本はレース1でも2位に入りランキング首位に浮上
オートポリスの代替戦として岡山でスーパーフォーミュラ第5戦が2レース制で行われ、レース1で2位フィニッシュを果たした国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がレース2で悲願のシリーズ戦初優勝を飾った。レース2では中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が2位、石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が3位で続き、トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(TDP)出身ドライバーが表彰台を独占する活躍を見せた。
9月10日(土)、11日(日)の両日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦が開催された。
オートポリスでの開催が予定されていた第5戦だが、今年春に発生した熊本地震の影響により、岡山へと舞台を移して戦われることとなった。
今大会は2レース制として実施。10日(土)に全車両走行による1セッションの予選と、30周で争われる第1レース、11日(日)はノックアウト方式の予選と51周で争われる第2レースというフォーマット。ポイントは各レース通常の半分が与えられる他、両レース共にポールポジションでの1ポイントは獲得出来るため、追い越しの難しい岡山のコースレイアウトも相まって、予選から熱い戦いが繰り広げられた。
シーズンは折り返しを過ぎ、今大会を含めて残り3戦と後半戦に入ったが、ドライバーズタイトル争いでは、前戦初優勝を飾って首位につけている関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)から10位までが僅か8ポイントという争いとなっている。残り3大会5レース(最終戦鈴鹿も2レース制)、タイトル争いに向けて1戦も落とせない緊張の戦いとなった。
◆レース1◆
10日(土)は朝から好天に恵まれ、午前9時からの1時間のフリー走行を経て、午前11時から1セッションのみでレース1グリッドを決定する20分間の予選が開始された。
スターティンググリッドが特に重要なスプリントレースへ向け、セッション開始5分前からほとんどの車両がピットレーンに並んで待ち、定刻にコースイン。
フリー走行で2番手タイムと好調ぶりを見せていた小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)が開始6分ほどで痛恨のスピン。コース脇に車両を停め、セッションは赤旗中断。小林はここで予選を終え、最後尾スタートが決定してしまった。
9分ほどの中断で車両を回収し、14分弱を残してセッションは再開。タイミング的に2回アタック出来る残り時間だったため、ここでのタイヤ選択やコースに出るタイミングが明暗を分けた。
残り7分ほどから各車最後のアタックを開始。セッション終盤に目まぐるしく順位が入れ替わっていった。その中でトップタイムをマークしたのは中嶋一貴。今季初、約2年ぶりとなるポールポジションを獲得した。
フリー走行でトップタイムをマークしていた国本は中嶋一貴のタイムを上回るべくアタックを続けたが惜しくも届かず。それでも開幕以来今季2度目の2番手グリッドを獲得。トヨタエンジンがグリッド最前列を占めた。
この予選もポールポジションの中嶋一貴から、アタック出来なかった小林を除く18台が1秒位内に入る僅差の争いとなり、タイヤ選択やアタックタイミングでタイムを伸ばせなかったランキング上位勢がまさかの下位グリッドに。カーティケヤンが6番手、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)と石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)は7,8番手につけたが、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は11番手、ランキング首位の関口が13番手。ランキング2位のアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)はまさかの17番手で後方からの追い上げを強いられることとなった。
予選の後、午後3時30分にフォーメーションラップ開始。1周して全車スターティンググリッドに着いたが、この時、ポールポジションの中嶋一貴がグリッドの位置を間違えてしまうというまさかのミス。これによりスタートは順延されることとなり、その原因を作ったとして中嶋一貴は最後尾スタートを余儀なくされてしまった。
午後3時54分、再度フォーメーションラップが開始され、気温32度、路面温度42度という残暑の中、決勝レースのスタートが切られた。
中嶋一貴の脱落により最上位スタートとなった国本だったが、若干出遅れ、ライバルの先行を許すことに。その後方では、予選6番手のカーティケヤンが好スタートで2つポジションを上げ、国本に続く3位へと浮上した。
2位の国本は序盤、首位と変わらないペースで追走したが、その後はじりじりと離されていき、中盤にはトップ3はそれぞれ離れた単独走に。
そのまま周回が重ねられていき、国本は2位でフィニッシュ。開幕戦に続く今季2度目の2位表彰台を獲得し、ドライバーズランキングで首位に躍り出た。3位にはカーティケヤンが入り、今季初の表彰台を獲得した。
石浦が7位、11番手スタートのオリベイラがスタートで一気にジャンプアップし8位でフィニッシュ。僅差のタイトル争いの中で貴重なポイント獲得を果たした。
◆レース2◆
11日(日)に行われたレース2の予選は、通常とは異なる2セッションのノックアウト方式で実施。午前9時50分、上位10台がQ2へと進出する20分間のQ1セッションが開始された。この日は事前の練習走行が無く、予選が最初の走行セッションという事もあり、開始6分ほど前からほとんどの車両がピットロードに並び、スタートと共にコースイン。10分ほどで最初のアタックを終えてピットへ戻り、残り7分ほどで新品タイヤを装着し、再度アタック。
各車アタック5周目でタイムを出してきたが、20分を経過してのラストアタックで次々にタイムが塗り替えられていき、またもQ2進出のボーダーラインは極僅差の争いに。
そんな中でトップに立ったのが関口。スーパーフォーミュラでは大差とも言える0.3秒もの差をつけての暫定ポールにつけた。
チェッカー直前のアタックで好位置に付けていた中嶋一貴、中山雄一(KCMG)、ロッテラーは最後に極僅差でかわされまさかのQ1落ち。中嶋一貴は10番手と0.007秒差、中山も0.009秒差でQ2進出を逃すこととなってしまった。
10分間のQ2は、残り7分となったところで各車コースイン。しかし、先陣を切ってコースに向かった小林が計測1周目にコースオフ。またしても赤旗中断となってしまった。
残り5分弱でセッションが再開されると、各車アタック出来る周回がぎりぎりと言うこともあり、チェッカー直前に激しく順位が入れ替わる展開に。
トヨタ勢では前日苦戦していた石浦が好タイム。最後に上回られたものの、最前列2番手グリッドを獲得した。
予選3番手のクルマがグリッド降格のペナルティを受けたため、ロシターが3番手、オリベイラが4番手、国本が5番手、カーティケヤンが7番手、関口が8番手。小林は10番手グリッドから決勝に臨むこととなった。
気温33度、路面温度44度という暑さの中、午後3時にフォーメーションラップが開始され、レース2(51周)のスタートが切られた。
2番手の石浦がポジションをキープする一方、2列目3番手グリッドのロシターがスタートでミスしポジションダウン。好スタートを切ったオリベイラが3位へと浮上した。
1周目を終えたところで、5位の国本を先頭に、中嶋一貴、関口らがピットイン。国本、中嶋一貴はタイヤを交換して作戦通りコースへ復帰したが、関口はピット作業で痛恨のタイムロス。
翌周にはロッテラーもピットへ。先にピットインしたグループはハイペースで上位との差を詰めていった。
その後、上位勢も次々にピットへ向かい、14周目には3位走行中のオリベイラもピットインすると、ロッテラーの後でコース復帰。トップの野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とそれを追う石浦だけがピットを引っ張り、30秒ほどの差で2位の国本、3位中嶋一貴、4位ロッテラーと続く形に。
21周目に野尻がピットインし、石浦は首位浮上。前の空いた石浦は、唯一ピットインしないまま首位で逃げることに。しかし、30周目にカーティケヤンがスピンを喫し、セーフティカーが導入。このタイミングでピットに向かった石浦はタイヤを交換し4位でコースに復帰した。
35周目にレースが再開されると、石浦のピットインで首位に立った国本が再スタートを決めポジションをキープ。
その後方では、コース復帰時に石浦の前に出た野尻が、セーフティカーラン中の追い越しでペナルティを受けたため、トップの国本に2位中嶋一貴、3位石浦、4位ロッテラー、5位オリベイラと続き、トヨタ勢がトップ5を占めての終盤戦となった。
1周目のピットインで交換したタイヤで走り続ける国本、中嶋に対し、タイヤを交換したばかりの石浦が、怒濤の追い上げを開始。周回毎にファステストタイムを更新していき、残り6周ほどで中嶋一貴とテール・トゥ・ノーズに。
ヘアピン進入などで再三攻めるが、中嶋一貴のガードも堅く、ファイナルラップには、残していたオーバーテイクシステムを使っての逃げを打った中嶋一貴を攻略ならず。
激しい2位争いを背後に、国本は1秒以上の差で逃げ切り、トップチェッカー。シリーズに含まれないJAFグランプリでの勝利経験を持つ国本だが、シリーズ戦ではトップフォーミュラ参戦6年目にして、嬉しい初優勝。翌日に26歳の誕生日を迎える国本が一日早い誕生日プレゼントを自身にもたらした。
中嶋一貴が2位、石浦が3位で、トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(TDP)出身の日本人勢が表彰台を独占。ロッテラー、オリベイラが4位、5位と続き、トヨタエンジンはトップ5独占という結果となった。
今季、ここまでの5大会6レースで、全て異なる6名の勝者と混戦のスーパーフォーミュラ。今大会のレース1で2位、レース2で勝利を挙げた国本がやや抜け出しランキング首位となったが、チームメイトの石浦が4.5ポイント差の2位で続いているほか、ランキング7位の中嶋一貴まで8.5ポイントとまだ差は小さく、残り2大会3レース、まだまだタイトル争いは予断を許さない状況が続く。
P.MU/CERUMO・INGING 2号車 ドライバー 国本雄資 :
初優勝を果たせて本当に嬉しい。ここまでなかなか結果が出ず、辛い時期もあったが、周りの皆が支えてくれた。昨日はスタートを失敗し2位と残念なレースだったが、速さには自信があったので、今日のレースは絶対に前に出られると思っていた。昨日のレースで、5番手からスタートした人のデータを見て、今の自分なら1周目のピット作戦で前に出られる可能性があると踏み、その作戦に賭けた。その後も良いペースで走ることが出来たし、全てが完璧で満足行くレースだった。今、チームも最強の状態だと思っているので、このままの勢いでチャンピオンを狙っていく。
VANTELIN TEAM TOM’S 37号車 ドライバー 中嶋一貴 :
今日は非常に良いレースが出来たが、つくづく昨日はもったいないレースをしてしまった。今日はスターティンググリッドがあまり良くなかった時点で1周目に入ることは決めていたが、まさか(国本)雄資があの位置から同じ作戦を採るとは思わなかった。とはいえ、今日の彼のペースは速かったし、完敗だ。最後は石浦君にも追われ、挟まれる形で厳しかったが、なんとか最低限2位という結果を取れて良かった。週末を通してクルマのパフォーマンスも良く、後半戦に向けて弾みがつくと思う。ややポイント差は開いてしまったが、次戦SUGOで何とかその差を詰めて、最終戦鈴鹿は自力でタイトルを狙える位置にいられるよう頑張りたい。
P.MU/CERUMO・INGING 1号車 ドライバー 石浦宏明 :
昨日は若干苦しんだが、国本選手のセットアップを参考にさせてもらったりしたおかげで、今朝からクルマにはすごく速さがあり、決勝でのペースも良かった。ただ、若干作戦が上手く機能しなかった。セーフティカーが出てしまったり、ペナルティが出る前の車両に抑えられてしまうなど、ちょっと運がなかった部分もあり、そこは悔しい。しかし、チームとしては国本が去年悩んでいたのも見ていたし、2台で速く走ることをずっと課題にしてやってきたので、こうして国本が初優勝を挙げ、僕も国本のセットアップを参考にさせてもらうなど、チームとしてとても良い状態でレースが出来、結果に繋げられたのは嬉しい。
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