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世界初の3次規制レベルのNOx適合舶用SCR搭載船就航【日立造船】

2011年12月6日

~日本海事協会の鑑定書取得~

Hitz(日立造船㈱)は、当社が開発したNOx3次規制用SCR(Selective Catalytic Reduction)装置について、業界に先駆けて日本海事協会より鑑定書を取得し、本装置を装着した舶用ディーゼルエンジン(日立造船‐B&W 6S46MC-C)を搭載した、内海造船株式会社(広島県尾道市、森 弘行社長)建造による日正汽船㈱(東京都港区、宮川 雅夫社長、以下、日正汽船)の新造船舶が、このほど就航しました。
同船は、3次規制のNOx排出レベルであることを陸上で実証し、その鑑定を受けた舶用SCR装置を装備した世界初の就航船となります。

※NOx3次規制:IMO(International Maritime Organization:国際海事機関)が定める船舶航行時のNOx排出量削減に関する第3次規制で、H28年に現行比80%の削減を求めるもの。

本装置は、ターボチャージャーの前段階に設置する高温高圧のSCR装置であり、余計なCO2を排出しない、コンパクト化が可能などの特徴を有します。これまで陸上試験や海上試運転でSCR作動のためのエンジン制御やSCR自体の制御、脱硝性能などを含め様々な性能確認を行ってきましたが、今後は、日正汽船の協力のもと一般海域および港湾域を含めて長期間使用することにより、装置全体の信頼性、触媒の健全性などを確認
していきます。

これまで得られた主な結果は以下のとおりです。
1.本装置の脱硝性能について、3次規制相当のNOx排出レベルを満足する結果が得られ、日本海事協会の立会検査の結果、鑑定書を取得しました。
2.本装置を適正触媒活性温度で稼働させるための低負荷運転時において、排気ガス温度制御を含むエンジン制御で10%~100%負荷までの広範囲で期待通りの結果が得られました。
3.本装置は、ターボチャージャーの前段階に設置されており、それを作動させた場合とバイパスした場合と比較し、エンジン性能に影響が出ないことを確認しました。
4.種々のエンジン運転モード変更に対する本装置の追従性についても安定した制御結果が得られました。


当社は、昭和60年に単気筒のテストエンジンを旧桜島工場に導入するなど、舶用ディーゼルエンジンに関する技術開発を進めてきました。本装置の開発に当たっては、当社有明工場に移した同テストエンジンでの諸試験に加え、新造船用の実エンジン上での種々の試験を行うなど開発を進めてきましたが、脱硝技術をもつ当社プラント部門との連携を図るなど、オール日立造船の体制で開発をスピードアップさせてきました。今後は、本就航船で得られるデータをもとに新たに導入した多気筒テストエンジンを用い早期に商品化を実現していく所存です。

なお、本船の概要は以下のとおりです。


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