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ポリアミド6「デュレタン」が「ポルシェ 911 カレラ」のエンジンオイルパンに採用 ~ ポリアミド6.6の経済的な代替品 ~【ランクセス】

2016年7月15日

・プラスチック製のオイルパンが「ポルシェ 911 カレラ」に初めて採用
・高水準の機能統合
・アルミニウム製よりも、はるかに軽量
・エンジンオイルに対する極めて長期の耐久性


近年、アルミニウムなどの金属に代わって、プラスチックを使用したエンジンオイルパン製造が定着してきています。また、従来最適とされてきたプラスチックは、多くの場合ポリアミド6.6でしたが、最近のオイルパンには、ポリアミド6.6の代替品として、同等の高い特性を備えるだけでなく、より経済的なポリアミド6の使用も広がってきました。

「ポルシェ 911 カレラ」の新しい6気筒水平対向エンジンのオイルパンモジュール製造には、ランクセスが提供するポリアミド6「デュレタン®(Durethan®)」が採用されています。ドイツ・ローネに拠点を置くPOLYTEC PLASTICS Germany GmbH & Co KGの、高度複合コンポーネントのプロジェクトマネジャー、ゲオルク・ソアレス氏は、次のように述べています。「この部品は、新世代のエンジンに求められる機能性の統合、軽量化構造、コスト効率に優れた製造といった特殊な要件を完全に満たしています」 このオイルパンモジュールは、POLYTEC社とポルシェ社の緊密な協力によって開発されました。

■ 開発パートナー向けの素材データ
ポルシェ社から委託された研究で、ランクセスはポリアミド6で自動車のエンジンオイルパンを製造する実行可能性を検証しました。例えば、新しいエンジンオイルと古いエンジンオイルのような成分に対する熱可塑性樹脂の耐久性を計測するために、老化試験を実施しました。とりわけ、高度に強化された、耐加水分解性、流動性、高温安定性を備える「デュレタン」グレードなどのサンプルを用いて、150℃下で計3,000時間におよぶ耐久試験を行いました。ランクセスのエンジンコンパートメント用途の専門家クリストフ・ボデンは、次のように述べています。「引張り強度、ヤング率、破断時伸び、衝撃強度に関する熱老化挙動のいずれの点においても、熱安定性を備えたポリアミド6と熱安定性を備えたポリアミド6.6の試験結果は、わずかに異なるだけでした。従って、適切に最適化されたポリアミド6コンパウンドは、エンジンオイルを運ぶ部品の素材として理想的と言えます」
ランクセスの試験結果およびその他の素材データは、共同プロジェクトの一環として開発パートナーに公表されています。

さらに顧客は、『HiAnt』カスタマーサービスパッケージの一環として、オイルパン開発における全ての段階でサポートを受けることができます。
『HiAnt』サービスには、ランクセスのハイパフォーマンスマテリアルズビジネスユニットの広範な素材、シミュレーション、加工能力が組み込まれており、部品開発のあらゆる段階でサービス提供が可能です。本サービスには、例えば、反り解析を含む金型内充填シミュレーション、石による衝撃およびシール封止力シミュレーションやシール間隙拡大および石による衝撃に関する部品試験のサービスなどが含まれます。

■ 大幅に簡素化された製造および取り付け
「ポルシェ 911 カレラ」向けのエンジンオイルパンは、30%のガラス繊維で強化された「デュレタンBKV 30 H2.0」でつくられた上部と下部部品で構成されています。上部部品はパイプラインキャリアとねじ締結されています(パイプラインキャリアもポリアミド6でつくられています)。アルミニウムに代わってプラスチックを使用する利点は、射出成形の際に多くの機能を直接成形でき、これにより部品に機能を統合することができる点です。その結果、オイルパン製造およびマウントに必要とされる部品の数を削減することが可能となり、金属製と比較した場合では、部品数は14から8に削減することができます。また、最終段階のエンジン組み立ての際に必要な主要作業も、8段階から2段階に削減することができます。

例えば、バルクヘッドパネルはオイルパンの下部部品に統合されているため、個別に接着・接合する必要はありません。さらには、ターボチャージャー、オイルセパレーター、エアオイルセパレーターのそれぞれのオイルリターンパイプが、パイプラインキャリアに統合されています。

■ 2kg以上の重量を削減
ポリアミド6を使用することで、オイルパンの上部部品を1.3kgに、下部部品を1.8kgに、それぞれ軽量化することができます。プラスチックの密度の低さと最適化された薄壁により、オイルパン全体がアルミニウムでつくられた既存製品に比べ、2kg以上軽量化することができます。

■ 多くの利点をもたらす射出成形工程
射出成形によるオイルパン製造の主な利点は、様々な機能の統合と、それに伴うコスト削減という大きな可能性をもたらしたことです。さらに重要なことは、部品は金型内においてワンショット工程で製造されるため、ダイカストのアルミニウム部品のバリ取りのような複雑な仕上げ加工が不要となる点です。エネルギーコストのさらなる低下は、射出成形による部品製造のもう1つの利点です。

デュレタンに関する特性、用途、加工技術の詳細は下記URLをご覧ください。
www.durethan.com.


これは、ドイツ・ケルンで6月28日に発表されたリリースをもとに、ランクセス㈱が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。
http://www.press.lanxess.com


ランクセスについて :
ランクセスは、世界29カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2015年の総売上は79億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 16,600人、世界中に52の拠点を展開しています。主な事業は、中間体、特殊化学品、プラスチックの開発、製造とマーケティングです。また、ランクセスは、サウジアラムコ社との合弁会社ARLANXEO(仮称:アランセオ)を通して、合成ゴムを提供するリーディングサプライヤーです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
www.lanxess.co.jp


本件に関するお問い合わせ先 :
ランクセス㈱ コーポレートコミュニケーションズ
TEL : 03-5293-8005 FAX : 03-5219-9773
lanxess.japan@lanxess.com


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最近のオイルパンには、ポリアミド6.6 の代替品として、同等の高い特性を備えるだけでなく、より経済的なポリアミド6 の使用も広がってきました。最新の導入事例としては、「ポルシェ 911 カレラ」の新しい6 気筒水平対向エンジンのオイルパンモジュール製造に、ランクセスのポリアミド6「デュレタン® (Durethan®)」が採用されています。(写真:ランクセスAG)








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