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「LANXESS Rubber Day Japan」を開催エコタイヤ向け高性能ゴムの技術革新にはずみ【ランクセス】
2011年11月21日
● Rubber Dayで最先端の合成ゴム技術を推進
● エコタイヤ向け高性能ゴムを世界有数のタイヤメーカーに供給
● エコタイヤの急速な需要に対応
Leverkusen –
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)の日本法人ランクセス㈱(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ペーター・ワインマール)は、合成ゴムの未来を語るシンポジウム「LANXESS Rubber Day Japan」を、本日開催いたします。同シンポジウムは、「環境対応型車社会を推進する技術イノベーション」をテーマに、自動車およびタイヤ産業から、合成ゴム分野の最先端の技術およびテーマについて議論します。
ランクセスのCEOであるアクセル・ハイトマンは次のように述べています。「このたびのRubber Dayを通じて、ランクセスの技術リーダーシップと、そして当社が『エコタイヤ』の実現と普及に大きな役割を担っていることを訴求していきます。顧客の旺盛な需要に対応するために、的確な戦略投資を行い、全世界でゴム生産量を増強してまいりました」
「エコタイヤ」(環境対応型タイヤ)への取り組み
ランクセスは、タイヤ業界向けの高性能ゴムのプレミアムサプライヤーとして主導的役割を担ってきました。特に、Nd-PBR(ネオジウム触媒ポリブタジエンラバー)およびSSBR(ソリューション・スチレン・ブタジエン)の分野では、すでに主要サプライヤーとして世界の有数のタイヤメーカーに製品を供給しています。両製品は、標準タイヤに比べ、一層の低燃費、安全性、耐久性を備える「エコタイヤ」の製造に欠かせない材料です。
世界の「ラベリング制度」への取り組みについて
日本は世界に先駆けて、タイヤの「ラベリング制度」を導入しています。タイヤの転がり抵抗とウェットグリップ性能(湿潤路面でのタイヤのグリップ性能)が、グレーディングシステム(等級制度)に基づいて表示されています。日本では2010年から任意でこの「ラベリング制度」を導入しています。
「ラベリング制度」以外に、タイヤ消費量を牽引するもう1つの要因として、特に、中産階級の富裕化が進行しているアジアと中南米地域における車社会化のメガトレンドが揚げられます。最新の予測では、2015年までにタイヤ生産量は年間約20億本に達すると見込まれており(現在:年間約16億本)、これはタイヤ業界全体で約25%増となります。「エコタイヤ」の需要は、標準タイヤの2倍になると見込まれます。
急増する需要に向けて
ランクセスは、ドルマーゲン(ドイツ)、カボ(ブラジル)、オレンジ(米国テキサス州)の各拠点において高性能ゴムであるNd-PBR(ネオジウム触媒ポリブタジエンラバー)の製造量を大幅に増強しました。また、シンガポールにNd-PBRプラントの新設を計画しています。2015年に稼動予定のこの新プラントは、ランクセス設立以来、2番目に巨額の投資プロジェクト(約2億ユーロ)となります。
同時に、ランクセスは、トリウンフォ拠点(ブラジル)において新技術を導入するにあたりフィージビリティスタディを実施しています。標準タイヤ向けのESBR(エマルション・スチレン・ブタジエン・ゴム)の製造を、「エコタイヤ」向けのSSBR(ソリューション・スチレン・ブタジエン)の製造に転換する可能性を検討しています。現在、年間製造能力11万トンを備えるトリウンフォ拠点の製造転換を行うには、4,000万ユーロから6,000万ユーロの投資額が必要となります。2012年中旬には、最終決定がされる予定です。
Nd-PBRは、「エコタイヤ」のトレッドとサイドウォールに使用され、タイヤのエネルギー消費や転がり抵抗の低減を実現します。また、Nd-PBRは摩耗を低減し、タイヤ寿命を延長する重要な役割も果たします。SSBRは、主に「エコタイヤ」のトレッド化合物に使用されます。それにより、転がり抵抗を低減し、ウェットグリップ性能を向上します。「エコタイヤ」は、SSBRとNd-PBR両方を含む処方により、それぞれの最大の性能を確保することができます。
バイオ原料を使用した世界で初めてのプレミアム合成ゴムを紹介
ランクセスは、さらにシンポジウムにおいて、バイオ原料を使用した世界で初めてのエチレン・プロピレンゴム(EPDM)である「ケルタン エコ(Keltan® Eco)」など、自動車分野むけのプレミアム合成ゴムを紹介します。EPDMは、主に自動車分野において、ドアシーラントやフロントガラスのワイパーに使用されます。「ケルタン エコ」は、サトウキビで製造されたエチレンを使用します。このバイオ系エチレンは、石油系原料のエチレンと同水準の品質で、CO2排出量削減にも貢献します。
ランクセスは、トリウンフォ拠点で同製品を世界市場向けに年間約10,000トンを製造する予定で、最初の500トンがすでに販売されました。
ランクセスは、EPDM以外でも、タイヤ業界向けの高品質のハロブチルゴムの世界有数のメーカーです。ハロブチルゴムは、チューブレスタイヤのインナーライナーに使用され、タイヤ圧力を一定に保ちます。これらのゴムの需要は、アジア地域のラジアル化およびチューブレスタイヤのトレンドが牽引しています。ランクセスは、シンガポールのブチルプラントに、設立以来、最大規模の投資(4億ユーロ)を行い、旺盛な需要に対応していきます。同プラントは2013年初頭に製造開始予定です。
ランクセス㈱ 代表取締役社長 ペーター・ワインマールは、「当社は、これまで高品質な製品と革新的なソリューションのご提供を通して、日本のパートナーの皆様とともに歩んで参りました。日本での『Rubber Day』の開催が、未来に向けての更なる重要なステップとなることを確信しております」と述べています。
Rubber Day」について
世界規模で低燃費車への重要が増加する中、ランクセスは持続可能な車社会化を促進するために、ゴム技術の革新に注力しています。2009年には、ランクセスの前身となる研究所での合成ゴム発明100周年を記念して、ドイツで初めて「Rubber Day」を開催しました。このシンポジウムを皮切りに、合成ゴム業界の未来を語るプラットフォームとして「Rubber Day」を立ち上げ、2010 年には、中国、ブラジル、インドで開催しています。
日本では、日独交流150周年の記念事業の一環として行われます。当社は、「日独交流150周年」のダイヤモンドスポンサーとして、「Rubber Day」開催の他、「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」のスポンサーシップや、「ドイツフェスティバル2011」への出展なども行っております。
「Rubber Day」は今後、11月23日に済州島で、「環境対応型車社会を推進する技術イノベーション」と「未来につながる環境に優しい道」のテーマでそれぞれ開催されます。また、今年9月には、デュッセルドルフ(ドイツ)で「Rubber Day」を、10月初旬にはサンパウロ(ブラジル)で「Automotive Day」を開催し、日本、韓国を経た後、12月2日の北京(中国)で一連のイベントを締めくくる予定です。
ランクセスについて
ランクセスは、世界30カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2010年の総売上は71億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 16,100人、世界中に47の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
www.lanxess.co.jp
ランクセス㈱について
ランクセス㈱は、ドイツに本社を置くランクセスグループの日本法人として、関連会社のラインケミージャパンと共に、国内で13 のビジネスユニットを展開しています。主な事業として、世界の生産拠点から化学品を輸入し、幅広い製品群を自動車、タイヤ、IT、電機・電子製造など、日本のさまざまな業界に向けて販売しています。東京・丸の内に本社をおき、豊橋、姫路に事業所をおいています。ランクセス株式会社についての詳細は同社URL にてご確認下さい。
www.lanxess.co.jp
免責について(Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、ランクセス経営陣による現在の仮定と今後の予測に基づく記述があります。既知あるいは未知の各種リスクや不確定性、その他の要素により、本頁に記載された予測と弊社の今後の総合売上高、財務状況、業績の数字が異なる場合があります。弊社は、ニュースリリースの記載事項を更新、もしくは今後の出来事や進展状況に合わせ、内容を変更する義務はないものとします。
その他の情報
ランクセスのニュースリリースは www.lanxess.co.jp の”プレスリリース”項目よりご覧ください。また、役員およびその他の写真は www.photos.lanxess.com (英語)より入手いただけます。ランクセスの動画および音声、ポッドキャストについては下記をご覧ください。http://corporate.lanxess.com/en/media/audio-video/ (英語)ランクセスのウェブマガジンは下記でご覧いただけます。
http://webmagazine.lanxess.com/ (英語)
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