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化合物3接合型太陽電池で世界最高変換効率36.9を達成【NEDO/シャープ】
2011年11月4日
NEDOの「革新的太陽光発電技術研究開発」の一環として、シャープ株式会社が太陽光を高い効率で電気エネルギーに変換する化合物3接合型太陽電池※1で、世界最高変換効率※2 36.9%※3を達成しました。
このプロジェクトは、新材料・新規構造等を利用して太陽光発電の「変換効率40%超」かつ「発電コストが汎用電力料金並み(7円/kWh)」達成のための探索研究を行い、2050年までの実用化を目指すものです。
本成果によって、この目標の達成が大きく促進され、高効率太陽電池の早期実用化が期待されます。
※1 化合物3接合型太陽電池 : インジウムやガリウムなど、2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を3層重ね、各層で異なる波長の光を吸収させることで、高い変換効率を実現する太陽電池
※2 2011年11月4日現在、研究レベルにおける非集光太陽電池セルにおいて(シャープ株式会社調べ)
※3 2011年9月、産業技術総合研究所(世界の太陽電池の公的測定機関の一つ)により確認された数値(セル面積 : 約1cm2)
1. 背景
地球温暖化対策やエネルギーセキュリティ向上のため、世界的に太陽光発電への期待は大きくなっています。太陽光発電を更に普及させていくためには、変換効率等の性能を飛躍的に向上させ、低コスト太陽電池の開発を進めることが重要です。
このような背景の下、NEDOは日本の技術的優位性を超長期に亘って維持し、産業競争力強化に資する技術を開発するため、2050年に向けた長期的視野に立ち、国内の知見・技術を結集して、新材料・新規構造等を利用した革新的な太陽光発電技術を開発しています。
2. 今回の成果
太陽電池の重要な性能の一つに、光のエネルギーを電気エネルギーに変換する「変換効率」があります。現在、導入されている太陽電池の約80%を占めるシリコン結晶の太陽電池は、市販製品で最高20%程度の変換効率を有しています。太陽光発電を更に普及させていくためには、狭い面積でも十分な発電量が得られるように、この変換効率を向上させていく事が重要なポイントとなります。
NEDOは、将来の高効率太陽電池の一つである化合物太陽電池の開発をシャープ㈱に委託して進め、2009年10月に化合物3接合型太陽電池で変換効率35.8%まで高めることに成功しました。今回新たに、各太陽電池層を直列に繋ぐために必要な接合部の抵抗を低減させることで、太陽電池の最大出力が向上し、変換効率アップを実現しました。
3. 今後の予定
プロジェクト目標である40%超の変換効率達成のため、今後、更なる効率向上を進めるとともに、実用化へ向けたコスト低減などの技術開発を進めていきます。集光型太陽電池*を始め、狭い面積でも十分な発電量が得られる太陽電池としての実用化へ向け、努力していきます。
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