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100%滑らかに打ち抜く―ファイブランキングのスタンダードがここに【ファインツール・ジャパン】

2016年1月20日

複雑な形状の部品を連続生産するうえでの費用対効果と精度では、あらゆる利点から、ファインブランキングに勝るものはありません。ファインブランキングなら、そのまま組立て可能な多機能部品を量産する新しい技術的アプローチが拓け、費用対効果を最大限に引き出す新たな方法を実現できます。また、部品の形状や複雑さにおける汎用性や、後工程の削減が期待できる点など、様々な側面からみて極めて魅力的な技術です。ファインブランキングは、厚さ約15mmにおよぶ金属ワークを切断できるプロセスです。この製造プロセスの最も重要な特徴の一つが、破断やクラックの無い滑らかなせん断面をもつ部品を製造でき、加工後に新たな追加加工を必要としないことです。従来の単純なブランキング加工部品では、その切断面の約1/3ほどが滑らかな仕上がりとなるに過ぎず。残りの断面は、破断されるかたちになります。これと対照的に、ファインブランキングでは、ワーク厚さの100%にいたる断面がせん断面として滑らかに切断されます。ファインブランキング・プレス1台と金型1つあれば、そのまま組立て可能な高精度部品の製造に必要なものがすべて揃います。さらに、最大200ストローク/分もの高速で生産でき、繰り返し精度が高いうえ、部品単価も経済性に優れます。ファイブランキングでは、3つの力が精密に相互作用することが、その品質と性能に決定的な役割を果たしています。まず、プロセスの開始時に作用する力は、Vリング力とカウンター力です。
Vリング力がV字状の環歯でワークに押えこむ一方、カウンター力がパンチに対して板金を押し付けます。
そのため、切断プロセスが始まる前から、ワークはせん断部周囲の両側を囲むように確実にクランプされています。そうして初めて、3番目の力として打抜き力が加わり、クランプ状態を保ったまま部品を切断します。



現在、ファインツールは、ファインブランキング加工のすべてをグローバルに提供する唯一のメーカーとして、ファインブランキング技術の先頭に立っています。ファインブランキング・プレスから、その周辺機器や金型にいたるまで、全システムを当社一社でご用意できます。さらに、部品の設計・試作に関する技術や、金型設計にも重点をおいて取り組んでいます。

もっと複雑な形状で切断

一般には、部品に用いる材料の成形性、その厚さ、金型のせん断部が耐え得る最大荷重が、切断可能な形状を制約することになります。そこで、金型の材質に加え、より合理的な考え方に基づくブランキング・プロセス設計について開発を重ねることで、ファインブランキングの可能性を大きく拡げようと努めています。
たとえば、最新の事例として、精密な嵌合歯をもつ自動車のシートアジャスタ部品があります。その歯のサイズは、およそモジュール0.3~0.5に相当し、板厚は3~6mmです。

生産性の飛躍的向上

さらに、生産能力についても極めて大きな進歩を実現しています。単位時間あたりの最大ストローク速度を高めただけではなく、全生産システムを止めずに運用可能な期間の拡大もはかりました。とりわけ、ファインツールは最適なサーボ・プレスを開発することで前進を遂げてきました。自動車のドア・ロック関連部品の製造がその一例です。1ストロークにトータル450トンの荷重を加え、平均サイクル速度100ストローク/分で同時に4つのプランジャ・ブロックを素材片から切断できるようになっています。

部品形状の自由度を高める

複雑な3D形状の部品にも、更なる開発活動を行っています。複雑な3D形状の部品を製造するには、プレス機のベッド上に十分なスペースを確保する必要がありますが、別のアプローチとして、既存の形状と加工力をもっと効率よく活用するという方法があります。1つの領域に多機能な金型ステージを設けて、さまざまに作用する機械力を用い、同じ1度のステップで一連のプロセスを生み出すものです。

後工程の統合

同様なことが、後工程を主工程に統合する場合にもいえます。代表的な例は、ファインブランキング(バリ取りを含む)に、曲げ加工に先立って、引き続き平面部品のバリ取り工程を複合させることです。こうして、いくつかの加工ステージを1つの金型に集約すれば、部品生産がもっと高速になり、経済性もいっそう向上します。これに加えて、再研磨が必要になるまでの金型寿命も大幅に拡大します。

材料の使用量を抑える

材料が高価なため、そのコストが部品単価の50%以上を占めることもよくあります。そのため、ファインブランキング外形の外側に設けるブリッジ(縁さん)の幅や、スケルトンでの補助的機能に必要なスペースは可能な限り小さくする必要があります。成功へのカギを握るのは、プロセスの計画開始時にほかなりません。たとえば、材料の節約すなわちコスト削減などの最適な結果は、当初から、部品設計や材料、金型設計の間で相互のバランスを考慮して初めて実現できるのです。

 

イメージ1 :

従来のブランキングとファインブランキングの違い。従来の単純なブランキング加工部品では、その切断面の約1/3ほどが滑らかな仕上がりとなるに過ぎません。残りの切断面は、破断されるかたちになります。これと対照的に、ファインブランキングなら、ワーク厚さの100%にいたる全断面が滑らかに切断されます。



イメージ2 : 当社のサーボ・プレスXFT1500speed
Feintoolが、一つの時代を切り開きました。ファインブランキング・プレスで初めて、最大200ストローク/分を実現したのです。イメージ3 :金型の材質に加え、より合理的な考え方に基づくブランキング・プロセス設計について開発を重ねることで、ファインブランキングの可能性を大きく拡げようと努めています。



ほどが滑らかな仕上がりとなるに過ぎません。残りの切断面は、破断されるかたちになります。これと対照的に、ファインブランキングなら、ワーク厚さの100%にいたる全断面が滑らかに切断されます。



イメージ4 : ファインブランキング加工のあとは、そのまま組み立て可能です。そうした部品の一例に精密な嵌合歯をもつ自動車のシートリクライナー部品があります。

 

ファインツール・グループについて

ファインツールは世界をリードする技術指向のグループとして、とりわけ自動車産業に向け、ファインブランキング・システムの開発とファインブランキングおよび成形加工による直接組立て可能な部品の製造を専門に行っています。ファインツール・グループでは、部品設計から金型製造、システム構築、大規模な部品の連続生産を通じて、ファインブランキングや成形プロセス全体にわたるお客様との緊密な協力を大切にしています。また、当グループは、ファインブランキングに加えて、精密成形やオービタル成形技術など重要な加工プロセスも展開しており、複雑かつ精密な部品を高い費用対効果で製造するための包括的ソリューションを提供できる世界で唯一のサプライヤです。
ファインツール・グループは、欧州・日本・中国・米国に拠点を構え、世界の主要な自動車産業市場で活躍しています。また、グループ本社をスイス・リースに置き、2,000名あまりの従業員を擁しています。








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