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京浜急行電鉄新造車向け電気品納入について【東芝】
2015年12月9日
当社は、京浜急行電鉄株式会社(以下、京急電鉄)の新1000形新造車両向けに、全閉型永久磁石同期電動機注1(以下、全閉PMSM)と4in1VVVFインバータ装置注2を組み合わせた駆動システムを納入しました。本システムを搭載した車両の運転が、本日開始されます。
今回納入したのは、京急電鉄に導入される新1000形の新造車両(6両編成)の1編成分に搭載される全閉PMSMと4in1VVVFインバータ装置を組み合わせた駆動システム2セットです。京急電鉄の車両として、当社製全閉PMSMは初めての採用となります。当社製駆動システムの信頼性と全閉PMSMの実績が評価され、受注に至りました。
全閉PMSMは定格効率97%を実現する高効率なモーターで、全閉構造のため内部清掃が不要であり、メンテナンス性も向上しています。4in1VVVFインバータ装置は、1台の冷却器に対して4つのインバータ回路を配置した4in1インバータユニットを2台搭載しており、小型、軽量化を実現しています。1台のインバータ装置で8台の全閉PMSMを駆動することにより、力行注3の消費電力量を削減するとともに、当社独自の制御方法で電力回生ブレーキ注4の割合を増やし、回生電力量を増加させ車両全体の省エネも実現しています。本システムでは、当社製従来システム注5と比較して30~50%の消費電力の削減が見込めます。また、今回納入した駆動システムは、開発段階から様々な車系・路線で使用可能な性能を満たせるように検討することで、システムが標準化されているため、車種によって仕様を大幅に変更する必要がなくなり、幅広い車系での搭載が可能です。
当社の全閉PMSMを採用した車両システムは、阪急電鉄㈱1000系、九州旅客鉄道㈱305系、阪神電気鉄道㈱5700系などで導入されており、日本以外のアジア地域においても、本システムを搭載した車両の運行が開始されています。当社は、今後も省エネ効果が高く、ライフサイクルコストを抑えた製品をグローバルに展開し、環境への配慮と快適性を両立した鉄道輸送の実現に貢献していきます。
注1 永久磁石同期電動機 : Permanent Magnet Synchronous Motor
注2 可変電圧可変周波数制御 : Variable Voltage Variable Frequency
注3 電力の供給を受けて車両が加速する状態。
注4 主電動機を発電機として用い、これによって発生した電力を電車線に戻すブレーキ。
注5 現在鉄道車両で一般的に使用されているVVVFインバータ装置と誘導電動機を組合せたシステム。
全閉PMSM(写真)
4in1インバータ装置(写真)
新1000形の新造車両(写真)
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