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次世代の自動車用アルミハーネス接続技術の開発に成功【古河電気工業】

2015年9月30日

古河AS 次世代の自動車用アルミハーネス接続技術の開発に成功
~世界に先立つ防食構造で自動車の軽量化に貢献~


古河電工グループの古河AS㈱(本社;滋賀県、社長;柴田勝美、以下、当社)は、自動車用ワイヤハーネス(以下、W/H)のアルミ電線に適用する防食端子(以下、α端子シリーズ)の開発に成功し、本年8月より本格量産を開始しました。優れた防食性をもちながら、従来の防食処理のコストを削減し、W/Hのアルミ化を更に加速します。

背景

近年、自動車の軽量化と銅資源の枯渇・価格高騰を背景に、W/Hのアルミニウム化に注目が集まっています。アルミニウム化によって、大型SUV車の場合、W/Hの総重量が3~4割程度、軽量化されるとの試算もあり、自動車の燃費向上への貢献が期待されています。

一方で、アルミW/Hはアルミ電線と端子(銅合金製)間に良好な電気的接続を得るため、端子部分への異種金属間の腐食対策が必要不可欠となっています。これまでのアルミW/Hは、製造時の端子圧着時に別工程処理が必要であり、製造コストが大きく嵩むこと、専用のコネクタハウジング(注1)が必要なため汎用性に欠けることなどがW/Hのアルミ化を進める際の障壁となっていました。

内容

このたび、当社は、気密性が高く、世界トップレベルの防食構造を有する防食端子「α端子シリーズ」の開発に成功し、量産を開始しました。この端子は、本年8月発売のトヨタ新型ランドクルーザー200系に採用されています。

今回新たに開発した「α端子シリーズ」は、一般の端子と同様に高速プレス機にて成型した端子の圧着部を、古河電工保有の光ファイバレーザの溶接技術を用いて密閉した管構造にし(図1)、W/H製造工程において、アルミ電線を圧着すると同時に電線端部被覆をかしめることにより(図2)、気密性の高い優れた防食構造を提供します。

この方法は、防食処理のための樹脂モールドや塗布など別工程を必要とせず、従来の電線圧着技術の応用で防食処理を完了でき、さらに、形状的にも既存のコネクタハウジングがそのまま使用可能なため、従来の樹脂モールドや塗布方式に比べて、適用範囲が広く、大量生産に適した防食処理を実現します。

当社は今後、カーメーカー各社宛に「α端子シリーズ」の提案を進め、アルミW/Hの搭載を加速し、自動車のグリーン化に貢献して参ります。


(注1)コネクタハウジング :
電線を圧着した端子を収容し、極間の絶縁や、オスメス端子の嵌合・保持を行う部品です。W/H に対する様々なニーズに合わせて端子の種類毎に極数や端子配列等のバリエーションが多数存在し、汎用的に使われています。

古河AS㈱概要








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