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ESIグループがCIVITECの買収へ【日本イーエスアイ】
2015年5月12日
組込み先進運転支援システム(ADAS)の開発と統合のための画期的な技術を獲得
製造業向けのバーチャル・プロトタイピングのパイオニアであり、世界有数のソリューション・プロバイダーであるESIグループは、センサーシミュレーション開発の専門企業であるフランスのCIVITECの80%の株式取得を発表しました。これにより、安全性基準に関する要求の高まりを背景に急成長する先進運転支援システム(Advanced Driving Assistant System: ADAS)市場への参入をめざします。
安全性基準に関する要求の高まりを背景に急成長する先進運転支援システム市場への参入
今回の買収により、ESIグループは急成長する先進運転支援システム(ADAS)市場における新たな戦略的地位を確保します。先進運転支援システム(ADAS)では、運転者の運転環境に対する知覚を補助することで、衝突を防止するアクティブ・セーフティを大きく推進することができます。アクティブ・セーフティは衝突予防の全段階においてユーロNCAP認証試験で重要性が増しており、メーカーの需要は今後も堅調で、自動車産業における需要はさらに伸びると予想されています。
アクティブ・セーフティの認証を獲得するための対策は拡大していますが、その費用は仮想評価ツールがなければ年間1000万~3000万ユーロに上ります。これは、車両走行時に想定される環境条件が無限に存在することから、多様な範囲で試験を繰り返し行わなければならないためです。
CIVITECの代表的なプラットフォームPro-SiVIC™は、センサーの検出に従い3D環境をシミュレートすることによってこの問題に対応し、ADASの開発コストを大幅に低減することができます。現在ADAS市場は2015~2019年に年間平均20%増を達成する成長市場になると予想され、2010年には10%だったアクティブ・セーフティの試験は2014年には20%を占めるに至っています。この傾向は、安全性を高める自動化システムの重要性が増すなかで加速し、予想では2025年までに自動車の完全自動運転化が実現するまで続くと考えられています。
CIVITECは、2009年にフランス運輸・整備・ネットワーク科学技術研究所(IFSTTAR)からスピンオフして設立され、最近までIFSTTARを主要株主としていました。IFSTTARにおける長年の研究開発の成果を蓄積し、センサーによるシミュレーションとそのアルゴリズム開発ノウハウを活用しています。
ESIグループの買収により、今後CIVITECの革新的な開発プラットフォームを工業製品化し、世界へ提供されることになります。
ADASは、今日、自動車業界や航空宇宙業界で重要であるとされているアクティブ・セーフティ・システムを実現するためには欠かすことができませんが、ADASに搭載されるモジュールの実装は非常に複雑であり、高度に現実的な環境条件での3Dモデリングを必要とします。最終的には操作者の知覚を補助する最適化したインターフェースに仕上げるために、Pro-SiVIC™でデジタル化したセンサーによるシミュレーションを活用することで、開発期間の短縮と大幅なコスト削減が期待されます。
ESIグループのアラン・ド・ルヴレー会長兼CEOは次のように述べました。「人間の知覚を支援するこの新技術にフランス運輸・整備・ネットワーク科学技術研究所(IFSTTAR)の優れたパートナーシップを加えれば、自動車・その他工業製品とスケーラブルな没入型環境とのインタラクションを反映させることができるようになります。これをデジタル3Dモデリングに取り込めば、組込み制御・安全装置の設計とプロトタイピングにかかる時間が劇的に短縮し、バーチャル・プロトタイピングにおける当社のグローバル・ソリューションの価値をさらに高めることができます。
ESIグループのパートナー企業にとって、先進運転支援システム(ADAS)は大きな技術的課題となっています。デジタル・モデリングと人間の知覚の間のインタラクションの質が効率性に大きく影響するからです。アクティブ・セーフティに関する要求が高まるなか、バーチャル・プロトタイピングにADASシステムを統合することで、製品開発時のパッシブ・セーフティの現今の制約を補うことが重要かつ緊急の課題となっています。ESI Groupは、今後自動車・航空宇宙分野など数多くの産業分野において当社の技術力と販売力のシナジーを強化するとともに、車両挙動と安全性に関わる産業の新たな社会的課題に対応していきます」
詳細についてはhttps://www.esi.co.jp/product/electric-system/pro-sivic/index.htmlをご覧ください。
CIVITECについて
CIVITECは、センサーおよびその周囲環境のモデル化とシミュレーションを行うプラットフォームPro-SiVIC™によって産業界を支援することを目的として2009年に創設。CIVITECは、センシングと組込みセンサーシステムおよび関連する制御/コマンド分野の設計開発、またシステムの機能的性能・ロバスト性の改善に関するイノベーションを支援します。代表的なソフトウェア製品であるPro-SiVIC™は、商用オフザシェルフ(COTS)ソフトウェアのプラットフォームであり、数十年にわたって蓄積した研究とソフトウェア開発の研鑽の賜物です。詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
http://www.civitec.com/
IFSTTARについて
フランス運輸・整備・ネットワーク科学技術研究所(IFSTTAR)は、都市・領土・運輸・土木工学分野の欧州の主要研究機関です。2011年1月1日に国立交通・安全研究所(INRETS)と中央土木研究所(LCPC)の合併によって誕生した科学技術関連の公的機関であり、環境・持続可能な開発・エネルギー省とフランス高等教育・研究省www.enseignementsup-recherche.gouvの共同の管轄下にあります。詳細については、ウェブサイトをご覧ください。http://www.ifsttar.fr/en/
ESIグループについて
ESIは、ものづくりにおいて、「材料の物理特性」を重視した高度なシミュレーションソフトウェアと技術支援を提供する、世界的なリーディングカンパニーです。ESIの提供するソリューションは、End-to-Endバーチャルプロトタイピングのコンセプトのもと、物理的なプロトタイプに替わる革新的な製造プロセスと、正しく迅速な意思決定をサポートし、ものづくりに最適な環境を提唱します。また、3D立体視でのシミュレーションを可能にするバーチャルリアリティを含む最新テクノロジーを提供しています。ESIグループは、世界中に1000名を超えるハイレベルな専門技術者を擁し、40か国以上に製品・サービスを提供する上場企業です(NYSEEuronext 証券取引所 パリ市場C 区画)。詳細は、www.esi-group.comをご覧ください。
ESIの詳細については、LinkedIn、Twitter、Facebook、およびYouTubeでもご覧になれます。
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