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COMSOLがCOMSOL Multiphysics® Version 5.1をリリース【計測エンジニアリングシステム】

2015年4月28日

COMSOLがCOMSOL Multiphysics® Version 5.1をリリース
シミュレーションアプリの設計に新たな基準を設定


COMSOL Multiphysics® version 5.1は業界初の統合ソフトウェア環境として、マルチフィジックスモデリング/マルチフィジックスシミュレーションソフトウェアの作成をサポートし、使いやすいシミュレーションアプリの構築・共有を可能にします。

マサチューセッツ州バーリントン発(2015/4/15)- マルチフィジックスモデリング/マルチフィジックスシミュレーションソフトウェアのトッププロバイダとして知られるCOMSOLは、COMSOL Multiphysics® software version 5.1の発売を本日発表しました。本バージョンは、マルチフィジックスモデルの構築および使いやすいシミュレーションアプリの作成・共有を実現する世界初かつ唯一の統合シミュレーション環境となります。バージョン5.1の登場により、シミュレーション部門はCOMSOL Multiphysicsを統合環境内で用いてモデルを作成し、Application Builderでシミュレーションアプリを構築し、作成したアプリをCOMSOL Server™経由で他の部署のユーザと共有することができるようになりました。COMSOL バージョン5.1では、ユーザは1つのインターフェースでシームレスに作業を行いモデルの設定とアプリケーション設計を組み合わせることができるため、ユーザーの経験と生産性の向上に貢献します。今回のApplication Builderの大幅アップグレードにはModel Builder とApplication Builderの完全統合、アプリ設計に用いるレイアウトツールの改良、LiveLink™ for Excel®のアプリ内での使用などが含まれます。
さらにCOMSOL Serverによりアプリケーションを複数のコンピュータ上で実行することが可能になり、運用の柔軟性が向上しました。

モデルをベースにして素早く簡単にアプリを作成

COMSOL Multiphysics 5.1ではModel BuilderとApplication Builderの融合が図られ、単一の対話型統合環境になりました。アプリを作成する際はModel BuilderとApplication Builderを簡単に切り替えて、モデルとアプリ両方に同時に変更を加えることができます。COMSOL MultiphysicsのリボンツールバーからApplication Builderに直接アクセス可能になりました。マウスクリック一つで簡単にアプリ設計環境に切り替えて作業を続けることができます。さらに、モデルとアプリの両方を拡張子.mphの統合ファイル形式で保存することができます。

「Application Builderは統合ソフトウェア環境というだけでなく、共通の1 つのファイル形式を用いて1つのウィンドウでマルチフィジックスアプリを作成できる唯一のアプリケーション設計環境です。」プロダクトマネジメント副社長Bjorn Sjodin氏は言います。「今回の技術革新によってアプリ設計工程が簡素化され、シミュレーションアプリを通じて専門外のユーザにも強力な設計能力をお届けできるようになりました。これでシミュレーションアプリは正真正銘の革新的エンジニアリングソリューションとなるでしょう。」

デモアプリ「Corrugated Circular Horn Antenna(コルゲートホーンアンテナ)」では、ユーザはアンテナのジオメトリを変更して、関心のある周波数における輻射特性および開口面交差偏波率の最適化を行うことができます。このアプリは、COMSOL Multiphysics®ソフトウェアに同梱のApplication Builderを用いて作成されています。


Model BuilderとApplication Builderの統合によって作業が合理化され、これらのツール間でモデルデータの相互受け渡しを単一環境内で行うことが可能になります。たとえば、Model Builderで利用可能な関数や機能をすばやくApplication Builderで利用可能にできます。作業に必要な全てのツールが利用可能な状態で統合環境内に提供されるため、ソフトウェアパッケージ間を往復する必要がなくなりました。さらにバージョン5.1ではコード生成が大幅に簡素化されたほか、多数のソースコードテンプレートが提供されており、アプリケーションの設計者が高度にカスタマイズされたコマンドや操作を実装したい場合にこれを支援します。

「モデル構築とアプリ設計ツールを統合して1つの作業環境にすることで、COMSOL社は本日、シミュレーションアプリケーション設計の分野のユーザ経験に新たな基準を設定しました。」COMSOL グループのCEOであるSvante Littmarck氏は言います。「さらにCOMSOL 5.1には、シミュレーションアプリケーションを構築し、あらゆるロケーションのユーザと共有する際に役立つ生産性の高いツール群が提供されています。」


デモアプリケーション「Payload Capacity of a Truck Mounted Crane(トラック積載型クレーンの吊り上げ荷重)」では、クレーンを指定された姿勢に展開したときの吊り上げ能力を計算するためクレーンの剛体解析が実行されています。さらにこのアプリケーションでは油圧シリンダーの利用率が一覧表示され、限界に達したシリンダーはハイライト表示されます。このアプリはCOMSOL Multiphysics®ソフトウェアに提供されるApplication Builderで作成され、COMSOL Server™で共有・実行されています。


COMSOL Serverにも数多くの改良が加えられました。まず、COMSOL Serverを複数のコンピュータで実行できるようになりました。アプリを起動したハードウェア以外のコンピュータに計算を実行させることが可能です。さらに、改良されたCOMSOL Server のApplication Libraryに新たにグリッドビュー、詳細ビュー、リストビューが追加され、特定のアプリケーションを作成する際に必要なアドオン製品に関する情報が提供されるようになりました。

アプリケーションライブラリには新たに数多くのデモアプリケーションが追加されました。COMSOL ソフトウェアからこれらのデモアプリケーションを実行し、新機能を色々に試してみることができます。「デモアプリケーションには、便利な各種機能について詳しい解説が添付マニュアルとして提供されています。」Littmarck 氏は言います。「これらデモアプリケーションの実行を通じて、シミュレーションレポートを電子メールで送信する方法、アニメーション作成、シミュレーションの最適化、パラメータを設定する際の値の推測のしかた、実験データのインポート、データベース
の取り扱いなど、さまざまな機能について学習することができます。」デモアプリはすべて編集可能です。また、ユーザ独自のアプリケーションを設計する際にデモアプリからフォーム、フォームオブジェクト、メソッドをコピーして、設計の起点にすることができます。


デモアプリケーション「Biosensor Design(バイオセンサの設計)」では、柱の直径、柱の間隔、入力側の流速などのパラメータを変化させてセンサの設計を変更できます。設計変更が検出結果にどのように影響するか色々に試してみることができます。なお、柱の距離の最小値として設定される「製造上の制約」はアプリケーション内で通知されます。

COMSOL Multiphysics®およびアドオン製品関連の膨大なアップデートを顧客に提供

COMSOL Multiphysicsのユーザは、アドオン製品のライセンスがなくてもモデルやアプリケーションを閲覧できるようになったほか、利用可能な計算結果に対しさらにポストプロセスを行えるようになりました。ユーザが任意のCOMSOLファイルを確認できるようになった今回のアップデートは生産性に大きなインパクトを与えます。シミュレーションを再実行することはできないものの、どの機能がシミュレーションに用いられたかを確認することは可能で、他のユーザが作成したモデルやアプリケーションを容易に活用することができます。

この他にも、COMSOL Multiphysics 5.1ではCOMSOL Multiphysicsおよびアドオン製品の機能性に大幅な拡張が加えられています。任意のモジュールで定義済みパラメトリックジオメトリコンポーネントを利用できるようになったほか、マイクロフルイディクス、ミキサー、幾何光学、構造力学の各モジュールに専用部品のライブラリが作成されました。また幾何光学モジュールおよび波動光学モジュールでは、新たに追加された★光学材料データベースOptical Materials Database★を活用することができます。

COMSOL Multiphysicsバージョン5.1はwww.comsol.com/release/5.1からダウンロードできます。また、本リリースの主な特長を紹介するビデオが同じアドレスで公開されています。

COMSOL Multiphysics®バージョン5.1 の新機能および新たに追加されたツールの主な特長

• Application BuilderおよびCOMSOL Server™ : Model Builder とApplication Builderをより密接に統合。ファイル操作の改善、添付ファイル付き電子メールの送信、文字列やキーワードの検索、表のツールバーのカスタマイズなど大幅な生産性向上が実現。COMSOL Server は、アプリケーション実行の負荷を複数のコンピュータに分散させることが可能。COMSOLモデルに基づいた20件の定義済みシミュレーションアプリ(マニュアル完備)をアプリケーションライブラリに追加。
• ジオメトリおよびメッシュ : インポートされたメッシュに対する面検出、メッシュ‐ジオメトリ変換時の曲面の簡素化、NASTRAN®のProperty ID Numbersツールに対する領域および境界の選択。
• モデリングツール、スタディ、および可視化 : 行列非依存型領域分解法ソルバー (matrix-free domaindecomposition solver)の導入。メッシュ領域外の解の可視化(電磁波や音波の遠距離場の把握に便利)。単位セルの周期解をカスタムサイズ配列として可視化。ジオメトリポイントまたはカットポイント、および時間経過に伴いこれらが描く軌跡のプロット。
• 電気 : マルチターンコイルの計算(断面が変化するコイル)。損失が大きい導体境界の表面粗さ(電磁波シミュレーション)。六面体周期構造への対応。ビームエンベロープの定式化の際にリング共振器の取り扱いを目的とした特殊ツール。新たに学材料データベースを追加。光線光学モジュールに部品ライブラリを追加。薄膜ダンピングのためのパーフォレーション機能(MEMS 分野で役立つ)。半導体物理に基づいたLEDの色の計算および可視化のデモアプリケーション。
• 力学 : 構造力学モジュールに新たに吸湿膨張のインターフェースを追加。薄膜に非線形材料を利用可能。トラスのモデリングに非線形バネおよび塑性を使用できる。構造アプリケーション(梁、ボルトなどを含む)に利用可能な部品ライブラリが追加。熱伝達モデルに新たに代数乱流モデルが追加。多孔質内の熱伝達のため新たにマルチフィジックスインターフェースを追加、局所的な非平衡シミュレーションが可能(マイクロ波加熱、発熱反応、核工学、エレクトロニクスシステムの設計、燃料電池などに利用可能)。既定義インピーダンスの境界条件を追加(音響シミュレーションに使用)。幾何音響(傾斜媒体および減衰のある流体モデルに使用)。
• 流体力学 : オイラー・オイラー(Euler-Euler)二相流(乱流)の計算。流体のシミュレーションにおいて、多孔質の流れと乱流を組み合わせることが可能。多孔質領域は、無限要素の適用によって非有界にすることが可能。パイプ内の流れのシミュレーションに、T 字路、Y 字路、ならびにn 方向分岐に伴う圧力損失のオプションを新たに追加。ミキサーモジュールに新たに部品ライブラリを追加。
• 化学 : ペレット‐流体界面において、マクロスケールからマイクロスケールへの濃度カップリングが可能。気体混合物の粘度の自動計算機能およびDusty Gasモデル機能の追加。3次元充てん層反応器(2段階の均質化を利用可能)の最先端マルチスケールチュートリアルモデルを新たに追加。
• 複数目的 : 新たにマルチフィジックスインターフェースを追加。追加されたマルチフィジックスインターフェースは粒子‐場の相互作用および流体‐粒子相互作用、非弾性衝突、粒子トレーシングシミュレーションにおける速度分布からのリリースサンプリング。

COMSOLについて

COMSOLは技術関連企業、研究所、大学を対象に製品設計/研究を目的としたシミュレーションソフトウェアを提供し、全世界に22以上の支社・販売代理店のネットワークを展開しています。同社の旗艦製品COMSOL Multiphysics®およびCOMSOL Server™は、物理現象に基づく系のモデリング、シミュレーション、およびアプリケーション構築・配布を目的としたソフトウェア環境です。最大の特色は、物理現象の連成やマルチフィジックス現象の取り扱いが可能なことです。アドオン製品により、電気、力学、流れ、化学に関するシミュレーションの各分野にシミュレーション環境を拡張することができます。インターフェースツールを用いることにより、技術計算ツールおよびCADツールとしてCAE 市場に出回っている全ての主要製品にCOMSOL Multiphysics®のシミュレーションを統合することが可能です。

COMSOL、COMSOL Server、COMSOL Multiphysics、COMSOL DesktopおよびLiveLinkは、COMSOL ABの登録商標または商標です。その他の製品名、組織名、ブランド名、サービス名は、各組織の商標または登録商標です。








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