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新製品「LTC3899」を発売開始【リニアテクノロジー】

2015年3月2日

自動車や大型トラックのアイドリングストップ・システムで安定化を維持する、
60Vトリプル出力、暗電流29μAの降圧/降圧/昇圧DC/DC コントローラ


リニアテクノロジー㈱は、2.2V~60Vの入力電圧範囲にわたり出力電圧を安定化状態に保つ、トリプル出力(降圧、降圧、昇圧)、暗電流29μAの同期整流式DC/DCコントローラ「LTC3899」の販売を開始しました。LTC3899は38ピンSSOPパッケージおよび38ピン5mm×7mmQFNパッケージで供給されます。4種類の温度グレードがあり、温度拡張グレードとインダストリアル・グレードは-40℃~125℃、高温車載グレードは-40℃~150℃、ミリタリ・グレードは-55℃~150℃で動作します。1,000個時の参考単価は4.95ドルからです。製品の詳細情報は、リニアテクノロジーのWebサイトをご覧ください(http://www.linear-tech.co.jp/product/LTC3899)。

12Vのカーバッテリはエンジンの再始動時またはコールドクランク時に4V未満まで降下してしまうことがあり、インフォテインメント・システムをはじめとする動作電圧が5V以上の電子機器はリセットされる恐れがあります。LTC3899の昇圧コンバータはその出力を2個の降圧コンバータに給電することにより、カーバッテリの電圧が降下した際の出力電圧のドロップアウトを防ぎます。この機能は、燃料節約のためアイドリング時にエンジンを止める自動車のアイドリングストップ・システムにおいて有用です。60Vの最大入力電圧は、ダブルバッテリのトラック・アプリケーションに対応しています。また、汎用のトリプル出力コントローラとして使う場合、降圧コントローラには入力から電力を供給することもできます。

LTC3899は4.5V~60Vの入力電圧で起動し、起動後は入力電圧が最低2.2Vまで下がっても動作を維持します。昇圧および降圧コンバータは最大95%の効率で最大60Vの出力電圧を生成可能です。入力電圧が安定化出力電圧を超えることのあるアプリケーションでは、LTC3899は昇圧同期MOSFET を連続してオン状態に保つことができるので、出力電圧は最小限の電力損失で入力電圧に追随します。

また、LTC3899はBurst Mode®動作を行うように設定可能なので、出力が安定化したスタンバイモードでの暗電流がチャネルあたり29μA(3つのチャネルすべてがオンの場合39μA)と低く抑えられ、バッテリ稼動時間を延ばすのに役立ちます。すべてN チャネルのMOSFET用の強力な1Ωゲート・ドライバを内蔵しているので、MOSFETのスイッチング損失を最小限に抑えてチャネルあたり10Aを超える出力電流を供給することができます。この出力電流は外付け部品によってのみ制限されます。また、各コンバータの出力電流はインダクタ(DCR)の電圧降下をモニタするか、
別に検出抵抗を使って検出可能です。固定周波数電流モード・アーキテクチャにより、50kHz~900kHzの範囲で周波数を固定できますが、75kHz~850kHzの範囲で外部クロックに同期することもできます。この他に、IC電源およびゲート・ドライブ用のLDOを内蔵し、出力電圧のトラッキングや調整可能なソフトスタート機能、パワーグッド信号、オプションの外部VCCバイアス入力などを特長としています。

 

LTC3899の特長 :

エンジンの再始動時にすべての出力が安定化状態を維持
広い入力電圧範囲 : 4.5V~38V(起動時)、最低2.2V(起動後)
昇圧出力電圧 : 最大60V
降圧出力電圧範囲 : 0.8V~60V
スタンバイ時の低暗電流 : 29μA
効率 : 最大95%
すべてNチャネルのMOSFET用の強力なゲート・ドライバ内蔵
RSENSEまたはDCRによる電流検出
パワーアップ/パワーダウン・トラッキングおよびシーケンシング
電流モード制御
プログラム可能な固定動作周波数 : 50kHz~900kHz
同期可能な動作周波数 : 75kHz~850kHz
温度拡張グレードおよびインダストリアル・グレード : -40℃~125℃(動作接合部温度)
車載温度グレード : -40℃~150℃(動作接合部温度)
ミリタリ温度グレード : -55℃~150℃(動作接合部温度)



リニアテクノロジーについて
S&P 500の一員であるリニアテクノロジーは、過去30年にわたり広範囲に渡る高性能アナログIC の設計・製造及びマーケティング活動を行い、世界中の多くの企業に提供しています。リニアテクノロジーの半導体は、私たちのアナログ世界と「通信」、「ネットワーキング」、「産業」、「自動車」、「コンピュータ」、「医療」、「精密機器」、「民生」さらには「軍需航空宇宙」システムで幅広く使用されている、デジタル・エレクトロニクスとの架け橋の役目を担っています。リ
ニアテクノロジーは、パワーマネージメント、データ変換、信号調整、RF、インタフェース、μModule サブシステム及びワイヤレス・センサ・ネットワーク製品を設計・製造・販売しています。詳細は同社Web サイトをご参照ください。
http://www.linear-tech.co.jp



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