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5社連合がカタール国初となる地下鉄システムの受注内示を獲得【三菱重工業】

2015年2月20日

三菱重工業、三菱商事、日立製作所、近畿車輌、Thalesの5社連合が
カタール国初となる地下鉄システムの受注内示を獲得


三菱重工業㈱(社長:宮永 俊一/以下、三菱重工業)、三菱商事㈱(社長:小林 健/以下、三菱商事)、㈱日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立製作所)、近畿車輛㈱(社長:森下 逸夫/以下、近畿車輌)、Thales (フランス、CEO:Patrice Caine)からなる5社連合は、20日、カタール国のカタール鉄道会社(Qatar Railways Company)から、「ドーハメトロ」と呼ばれる同国初の地下鉄システムの受注内示を獲得しました。都市交通システムとしては世界最大規模のプロジェクトとなります。本システムの完成は2019年10月を予定しています。

受注内示を獲得した地下鉄システムは、全自動無人運転の鉄道システム一式で、車両225両(75編成)のほか、信号設備、受配電設備、通信設備、プラットホームドア、軌道工事、トンネル換気設備、検修設備、車両基地建設等からなり、フルターンキー方式で建設されます。なお、今回の契約にはシステム完工後、最長20年にわたる保守も含まれる見込みです。

このうち、三菱重工業は連合のリーダーとして、受配電設備、プラットホームドア、軌道工事、トンネル換気設備等の供給に加え、プロジェクトマネジメントとシステムインテグレーションを手掛けます。車両は三菱商事と近畿車輌が供給します。最新のコミュニケーションベースによる列車制御方式(CBTC)を用いた信号システム、通信・保安システム、総合運行管理センターおよび自動料金収受システムはThalesが供給します。日立製作所はプロジェクトマネジメントの一部を手掛けるほか、軌道・電車線等のインフラの安全性を総合的に検測する総合検測車や一部メンテナンス設備についても供給します。

カタール鉄道会社のサード・モハンナディ(Saad Ahmed Al Muhannadi)CEOは次のように述べました。
「ドーハメトロの工事は、プロジェクトの開始時に定めたスケジュールに沿って進行しています。我々は、近い将来に最高水準の地下鉄を完成させることをめざし、多額にのぼる数々の関連する建設契約に調印してきました。今日、三菱重工業を中心とした5社連合を迎えることとなり、日本チームの国際的に評価の高い鉄道技術で我々のプロジェクトの価値がさらに高まり、ドーハに非常に安全な全自動無人運転の地下鉄がもたらされることを楽しみにしています。」

ドーハメトロは、カタール国の首都ドーハを走行するレッドライン、グリーンライン、ゴールドラインの3路線からなる総延長約86km、32駅の鉄道システムです。そのうち52kmは地下区間となります。2014年4月に開港した新ドーハ国際空港や、旧市街、高層ビルが立ち並ぶウエストベイ地区、ルセール地区等の市内主要部をくまなく結ぶ交通インフラとなります。

今回の受注内定は、昨年3月10日の入札以来、その後11ヵ月にわたる詳細交渉を経て確定したもので、各社の技術力と納入実績が高く評価されたことによります。また、本件入札前の2013年8月に「日本・カタールビジネスフォーラム」が開催され、日本政府によるカタール国へのインフラ建設支援を強くアピールしたことも効果をあげました。

中東のカタール国は、豊富なエネルギー資源を背景に経済成長を遂げ、一人当たりのGDPは世界トップクラスです。首都ドーハは人口や自動車の急激な増加により交通渋滞が深刻化しており、同国は開発マスタープランである「カタールナショナルビジョン2030」において、公共交通機関の整備を掲げています。また、カタール国は2022年の「2022 FIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップ」開催地となっており、ドーハメトロは同イベントで使用されるスタジアムへのアクセスとしても重要な役割を果たす交通インフラとして期待されています。
さらに、将来的には約140kmに及ぶ延伸も計画されています。

中東湾岸諸国の大都市では、同様の高性能な都市交通システムが計画されており、連合各社は今回の受注内示を機に業界をリードする経験を活用して、さらに中東市場での受注拡大をめざし、地域のさらなる発展ならびに環境負荷軽減に貢献していきます。








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