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2015年Hondaモータースポーツ活動計画の概要【本田技研工業】
2015年2月13日
Hondaは、2015年のモータースポーツ参戦体制と普及活動計画について、以下の通り発表しました。
Hondaは、創業以来、世界中のモータースポーツにチャレンジして、自らの技術を世界の舞台で試し、磨き、証明することで成長してきました。世界中のお客様の期待に応えるため、Hondaのコーポレートスローガンである「The Power of Dreams」のもと、レースを通じて、楽しさ、喜び、感動をお届けするために、モータースポーツ活動を展開していきます。
1. モータースポーツ参戦体制
【二輪モータースポーツ活動】
2015年シーズンにおいても、あらゆるカテゴリーの二輪製品を提供しているメーカーとして、より多くのお客様やモータースポーツファンの皆さまの期待に応えたいという思いから、ロードレース、モトクロス、トライアルの各世界選手権とダカールラリーの4つのカテゴリーにおいて、さらに、取り組みを強化していきます。
FIM※1ロードレース世界選手権シリーズの最高峰であるMotoGPクラスには、今年もワークスチームのレプソル・ホンダ・チーム(Repsol Honda Team)から、2年連続チャンピオンに輝いたマルク・マルケスと昨シーズンランキング4位のダニ・ペドロサの2名体制で3年連続の三冠獲得を目指します。
モトクロス世界選手権では、最高峰クラスであるMXGP(450cc)クラスに、引き続きチーム・エイチアールシー(Team HRC)としてワークス参戦します。イブジェニー・バブリシェフに加え、新たに2014年シーズンMXGPランキング8位のゴーティエ・ポーリンを起用します。
また、アメリカのAMAスーパークロス世界選手権シリーズでは、今シーズンから、㈱ホンダ・レーシング(以下、HRC)、㈱本田技術研究所二輪R&Dセンターのテクニカルサポートにより体制を強化し、タイトル獲得を目指します。
トライアル世界選手権(WCT)には、昨年同様にレプソル・ホンダ・チーム(Repsol Honda Team)としてワークス参戦。前人未踏の8年連続チャンピオンに輝いたトニー・ボウと、唯一の日本人ライダーである藤波貴久に加え、WCTワールドカップクラスチャンピオンのハイメ・ブストの3名体制とし、9年連続のライダーズタイトルと10年連続のコンストラクターズタイトルの獲得を目指します。
2015年1月に開催された「ダカールラリー2015・アルゼンチン・ボリビア・チリ」にワークス参戦したTeam HRCは、パウロ・ゴンサルヴェスが総合2位、ライア・サンツは女性ライダーとして史上最高位となる総合9位の成績を収めました。
また、HRCでは、頂点レースでの活動だけでなく、市販レースマシンの販売も展開します。MotoGP「オープンカテゴリー」では、市販レーサー「RC213V-RS」を投入し、3チーム4名のライダーが使用します。さらに、ダカールラリー参戦マシン「CRF450 RALLY」も市販を開始しており、Hondaはワークスに準ずるマシンをより多くの皆様に供給し、二輪レースの普及と拡大に努めていきます。
※1 FIMとは、Fédération Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称
【四輪モータースポーツ活動】
Hondaは、FIA※2フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)に、パワーユニットサプライヤーとして参戦します。McLaren-Honda(マクラーレン・ホンダ)からフェルナンド・アロンソ、ジェンソン・バトンの2台体制で、ドライバー、コンストラクターのチャンピオンシップ獲得を目指します。
FIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)では、フル参戦3年目も引き続き、ワークスチームであるカストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)から、ガブリエーレ・タルクィーニとティアゴ・モンテイロが参戦します。さらに、プライベートチームにおいては、参戦3年目になる「ゼングー・モータースポーツ(Zengő Motorsport)」に加え、新たに「ニカ・レーシング(Nika Racing)」にもマシンを供給し、ワークスチームと共にドライバーとマニュファクチャラーのダブルタイトル獲得を目指します。
SUPER GTシリーズGT500クラスでは、レース専用2.0L直列4気筒直噴ターボエンジンとレーシングハイブリッドシステムを搭載した「NSX CONCEPT-GT」にて、5チーム5台体制でドライバーとチームのダブルタイトル奪還に挑みます。また、GT300クラスでは、今シーズンも引き続き、Hondaは、レーシングハイブリッドシステムの供給を継続し、「オートバックス・レーシング・チーム・アグリ」の参戦活動を、㈱M-TECと共にサポートします。
全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズでは、戦闘力を高めた2.0L直列4気筒直噴ターボエンジン「HR-414E」を5チーム9台に供給し、ドライバーとチームのダブルタイトル獲得を目指します。
北米のインディカー・シリーズでは、参戦6年目のシーズンを迎える佐藤琢磨が、今シーズンも引き続き「A.J.フォイト・レーシング(A.J. Foyt Racing)」より参戦します。
2. 世界で活躍する人材の育成
Hondaは、世界で活躍する人材の育成を目指し、さまざまなプログラムへ積極的に取り組んでいます。
ロードレースでは二輪モータースポーツへの関心が急速に高まるアジア地域においてHondaのレース活動と連動し、ロードレース世界選手権にチャレンジする若手ライダーの夢を具現化することを目指しています。日本を含むアジア地域各国からライダーを選抜し、将来のグランプリライダーを輩出するための育成プログラムである「FIM アジアロードレース選手権シリーズ(ARRC)」で開催の「アジア・ドリーム・カップ(ADC)」や、MotoGP主催者のドルナ・スポーツ(DORNA)が主催する「シェル・アドバンス・アジア・タレント・カップ(SAATC)」を引き続きサポート。これらのレースからのステップアップの場として「FIM CEV Repsol Moto3 Junior World Championship」や、FIMロードレース世界選手権シリーズMoto2へ参戦する「イデミツ・ホンダ・チーム・アジア(IDEMITSU Honda Team Asia)」をサポートします。
モトクロスでは全日本選手権シリーズへ参戦するチーム・ライダーの国内合宿をはじめ、将来有望な若手ライダーによるアメリカキャンプやMXGPへの参戦などの育成プログラムを、引き続き展開します。
また、F1への登竜門と呼ばれる「GP2 シリーズ」※3には、2014年全日本F3選手権でチャンピオンを獲得した松下信治が、「エーアールティー グランプリ(ART Grand Prix)」より参戦します。GP2 シリーズ参戦は、日本人F1ドライバー輩出に向けたHondaとしての取り組みの一環であり、「マクラーレン レーシング(McLaren Racing)」と協調し、日本人ドライバーが世界で活躍できる機会を創出していきます。
※2 FIAとは、Fédération Internationale de l’Automobile(国際自動車連盟)の略称
※3 GP2 シリーズは、F1への登竜門として位置づけられているカテゴリー。F1のサポートレースとして欧州を中心に各国で開催
され、歴代のチャンピオンがF1で活躍
3. モータースポーツ普及活動
Hondaは、モータースポーツの普及活動にも積極的に取り組んでいます。初心者でも気軽に楽しめる各種イベントを開催するほか、ライダーやドライバーの育成など、幅広い層にモータースポーツの魅力を伝えることを目的とした、さまざまな活動を展開しています。
HRCでは、レース未経験者でも手軽に参加でき、レースの楽しさや醍醐味を体感していただくために、「NSF100 HRCトロフィー」や「CBR250Rドリームカップ」等のワンメイクレースを展開しています。
さらに今年からは、市販ロードレーサーNSF250Rを使用した「HRC NSF250Rチャレンジ」を展開します。
四輪レースでは、開催2年目となる参加型モータースポーツで、軽乗用車「N-ONE」を活用したナンバー付き車両によるワンメイクレース「N-ONE OWNER’S CUP」を、全国6ヵ所で計10大会の開催を予定しています。
また、1リットルのガソリンで何km走行できるかを競う「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」※4は、今年で35回目を迎えます。この燃費競技大会は、日本国内だけでなく、タイ、中国、ベトナムにおいても開催しています。
※4 大会名称を、2010年大会より、「Honda エコノパワー燃費競技大会」から「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」に変更し開
催しています
《二輪参戦体制概要》
【ロードレース】
◆FIMロードレース世界選手権シリーズ
<MotoGPクラス>
Hondaは、「ファクトリーオプション」※5に参戦し、3年連続でライダーズ、コンストラクターズおよびチームタイトルの三冠獲得を目指します。マシンは、最高出力と操縦性をさらに向上させた2015年型「RC213V」を投入します。
ワークスチーム※6のレプソル・ホンダ・チームからは、2年連続チャンピオンを獲得したマルク・マルケスと、2014年シーズンランキング4位のダニ・ペドロサの2名体制で参戦します。サテライトチーム※7は、「シー・ダブリュー・エム・エルシーアール・ホンダ(CWM LCR Honda)」からカル・クラッチローが、「エストレーリャ・ガリシア・マーク・ブイ・ディー・エス(Estrella Galicia Marc VDS)」からは、スコット・レディングが参戦します。
なお、「オープンカテゴリー」※5は市販レーサー「RCV1000R」に代わり、ワークスマシン「RC213V」同様のニュウマチックバルブを採用し、さらに高出力化した「RC213V-RS」で参戦します。このマシンで、ニッキー・ヘイデン、カレル・アブラハム、昨年スーパーバイク世界選手権に参戦していたユージン・ラバティ、Moto3からステップアップするジャック・ミラーが参戦します。
オープンカテゴリー※5
※5 2014年より、ロードレース世界選手権シリーズの最高峰MotoGPクラスは、「ファクトリーオプション」と、「オープンカテゴ
リー」の2つのカテゴリーで開催されています。ファクトリーオプションは、主催者から供給されるECU(エンジン コントロール
ユニット)のソフトウエアを変更することが可能で、1台当たりの年間使用エンジンは5基、ガソリンタンク容量は20Lまでとな
ります。オープンカテゴリーは、主催者から供給されるECUのソフトウエアは変更できませんが、年間使用エンジンは12基、
ガソリンタンク容量は24Lまでとなります
※6 ワークスチームとは、マシンを製造しているメーカーが運営しているチーム
※7 サテライトチームとは、ワークスチームを運営しているメーカーが製造するワークスマシンを使用し、独自でチームを運営
し、参戦しているチーム
<Moto2クラス>
Hondaは、Moto2クラスが設立された2010年より、唯一のオフィシャルエンジンサプライヤーとして、市販スーパースポーツモデル「CBR600RR」の直列4気筒エンジンをベースとしてMoto2専用に開発したエンジンを供給しており、さらに2016年から2018年まで全チームへの供給継続が決定しました。
<Moto3クラス>
Hondaは、Moto3クラスへ参戦する6チーム12ライダーに対し、「NSF250RW」の供給とテクニカルサポートを実施します。尾野弘樹は、2013年のアジア・ドリーム・カップのチャンピオンで、「2014 FIM CEV Repsol International Championship Moto3クラス」に「ホンダ・チーム・アジア」から参戦し、ランキング3位を獲得。今シーズンよりロードレース世界選手権のMoto3クラスにステップアップし、レオパード・レーシングより参戦します。
◆FIM世界耐久選手権シリーズ 鈴鹿8時間耐久ロードレース
第38回鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)には、3年連続優勝を目指す「ムサシ・アールティ・ハルク・プロ」の高橋巧、「エフ・シー・シー・ティーエスアール・ホンダ」から、昨年の鈴鹿8耐で7位に入賞したジョシュ・フック(オーストラリア)が参戦を予定しています。
より魅力ある鈴鹿8耐とするため、FIMスーパーバイク世界選手権など、国内外の選手権で活躍するライダーの参戦を計画しています。また、アジアで活躍するライダーを起用する「ホンダ・チーム・アジア」も、3年目の挑戦を予定しています。(詳細は決定次第ご案内します)
◆FIMスーパーバイク世界選手権シリーズ
スーパーバイク世界選手権シリーズ(WSB)には、欧州現地法人ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドの「パタ・ホンダ・ワールド・スーパーバイク・チーム」が、「CBR1000RR」で参戦します。ライダーは、昨シーズンのWSBチャンピオンのシルバン・ギュントーリが新加入。さらに、同じく昨シーズンのスーパースポーツ世界選手権シリーズ(WSS)のチャンピオンで、鈴鹿8時間耐久ロードレースでも2年連続優勝を果たした、マイケル・ファン・デル・マークがWSBにステップアップし、2名体制で挑みます。
◆FIMアジアロードレース選手権シリーズ
アジアロードレース選手権シリーズ(ARRC)のSS600クラスには、マレーシアの現地法人であるブンシュウ・ホンダ、タイの現地法人のエーピー・ホンダとタイ・ホンダ、インドネシアの現地法人のアストラ・ホンダのチームが参戦します。ブンシュウ・ホンダには、2014年の全日本選手権J-GP2クラスのチャンピオン高橋裕紀が加入し、4年連続のタイトル獲得に挑戦します。
【モトクロス】
◆FIMモトクロス世界選手権シリーズ
Hondaは、モトクロス世界選手権シリーズの最高峰クラスであるMXGPクラスに、2014年よりTeam HRCとしてワークス参戦しています。ライダーは、イブジェニー・バブリシェフに加え、新たに昨シーズンMXGPランキング8位のゴーティエ・ポーリンを起用し、2名体制で表彰台獲得を目指します。
MX2クラスでは、プライベートチームのホンダ・ガリボルディーをサポート。ティム・ガイザーとホルヘ・ザラゴザが参戦します。
MXGP
2ストローク : 175cc~250cc、4ストローク : 290cc~450cc
MX2
2ストローク : 100cc~175cc、4ストローク : 175cc~250cc
EMX : ヨーロッパモトクロス選手権
◆AMAスーパークロス世界選手権シリーズ
AMA※8スーパークロス世界選手権シリーズの最高峰クラス450(450SX)には、米国現地法人アメリカンホンダ(AH)が運営する「チーム・ホンダ・エイチアールシー」と、AHがサポートする「ガイコ・ホンダ」の2チーム3名体制で参戦します。今シーズンからは、HRC、㈱本田技術研究所二輪R&Dセンターがテクニカルサポートを展開するなど体制を強化し、タイトル獲得を目指します。
2ストローク : 175cc~250cc、4ストローク : 290cc~450cc
※8 AMAとは、American Motorcyclist Association(アメリカモーターサイクル協会)の略
◆MFJ全日本モトクロス選手権シリーズ
MFJ※9全日本モトクロス選手権には、昨シーズンに引き続き、Team HRCがワークス参戦します。最上位カテゴリーのIA1クラス※10は、Team HRCで3年連続のタイトルを獲得した成田亮と、ランキング2位の小方誠が引き続き参戦し、4年連続のタイトル獲得を狙います。また、IA2クラス※11は、昨シーズンランキング2位の富田俊樹が、チャンピオン奪還を目指します。
※9 MFJとは、Motorcycle Federation of Japan(一般財団法人 日本モーターサイクルスポーツ協会)の略称
※10 IA1クラス(2ストローク : 175cc~250cc、4ストローク : 290cc~450cc)
※11 IA2クラス(2ストローク : 100cc~125cc、4ストローク : 175cc~250cc)
【トライアル】
◆FIMトライアル世界選手権シリーズ
Hondaは、トライアル世界選手権シリーズ(WCT)に、2014年シーズンから「レプソル・ホンダ・チーム」としてワークス参戦を開始しました。2015年シーズンは、前人未到の8年連続チャンピオンのトニー・ボウと、2014年ランキング5位で、今シーズンでWCT参戦20年目となる藤波貴久に加え、WCTワールドカップクラスチャンピオンのハイメ・ブストの3名体制で、9年連続のライダーズタイトルと10年連続のコンストラクターズタイトルの獲得を目指します。
【ラリー】
◆ダカールラリー2015・アルゼンチン・ボリビア・チリ
2015年1月に開催された「ダカールラリー2015・アルゼンチン・ボリビア・チリ」にワークス参戦したTeam HRCは、パウロ・ゴンサルヴェスが総合2位、ライア・サンツは女性ライダーとして史上最高位となる総合9位という成績を収めました。さらに、エルダー・ロドリゲスが12位、ホアン・バレダが17位と、5名中4名が完走し、13ステージ中6回のステージ優勝を果たしました。2016年大会については、ライダーを含め参戦体制が決まり次第発表します。
【MFJ全日本選手権シリーズ】
㈱ホンダモーターサイクルジャパン、HRC、㈱本田技術研究所二輪R&Dセンターと協力し、全日本ロードレース、モトクロスの各選手権会場にてHonda車で参戦するすべてのライダーを対象に、マシンセッティングやライディングテクニックなどをアドバイスする「ホンダ・レーシング・サーキットサービス」を実施し、レース活動をサポートします。
また、一般社団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)ならびに業界団体とも連携し、モータースポーツ「FUN」の拡大に向け、国内レースの活性化に取り組んでまいります。
◆MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ(JRR)
<JSB1000> 主なチームとライダー
◆MFJ全日本モトクロス選手権シリーズ(JMX)
<IA1> 主なチームとライダー
◆全日本トライアル選手権シリーズ(JTR)
Hondaは、HRCサービスショップ所属の全日本トライアル選手権シリーズへ参戦するチームへのサポートを行います。
《四輪参戦体制概要》
◆FIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)
Hondaは、McLaren-Honda(マクラーレン・ホンダ)からフェルナンド・アロンソ、ジェンソン・バトンの2台体制で、ドライバー、コンストラクターのチャンピオンシップ獲得を目指します。
◆FIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)
Hondaは、今シーズンも引き続き、ワークスチーム「カストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)」から、ガブリエーレ・タルクィーニとティアゴ・モンテイロが参戦します。
さらに、プライベートチームへのマシン供給を継続し、参戦3年目となる「ゼングー・モータースポーツ(Zengő Motorsport)」から参戦のノルベルト・ミケリスに加え、新たに「ニカ・レーシング(Nika Racing)」のリカルド・ライデルが加入、今シーズンのドライバーとマニュファクチャラーのダブルタイトル獲得を目指します。
◆SUPER GTシリーズ<GT500クラス>
Hondaは、NSX CONCEPT-GTをさらに熟成し、新たに野尻智紀、オリバー・ターベイ、伊沢拓也が加わり、引き続き5チーム5台体制で戦います。ドライバーとチームのダブルタイトル奪還に向け、今シーズンも「Honda GTプロジェクト」として㈱本田技術研究所が主体となり、㈱M-TECの協力のもと、マシンを開発します。
◆SUPER GTシリーズ<GT300クラス>
今シーズンの「CR-Z GT」プロジェクトでは、レーシングハイブリッドシステムを供給し、「オートバックス・レーシング・チーム・アグリ」の参戦活動をサポートします。
◆全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ
Hondaは㈱日本レースプロモーションを通じ、昨年からのレギュレーション変更に合わせて投入した2.0L直列4気筒直噴ターボエンジン「HR-414E」を5チーム9台に供給します。また、昨シーズン後半より参戦の「ドラゴ コルセ」が、2015年はフルシーズン参戦します。ドライバー、チームのダブルタイトル獲得を目指します。
◆インディカー・シリーズ
インディカー・シリーズでは、アメリカン・ホンダ・モーターの子会社であるホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)が、6チーム12台※12に2.2L V6ツインターボエンジン「HI15R」を供給し、ドライバーとエンジンマニュファクチャラーのダブルタイトルを目指します。
佐藤琢磨は、昨シーズンに引き続き、「A.J.フォイト・レーシング」から参戦します。
《世界で活躍するライダー・ドライバーの育成》
「二輪」
◆FIMロードレース世界選手権シリーズ
<Moto2>
Moto2クラスには、参戦3年目となる「イデミツ・ホンダ・チーム・アジア(IDEMITSU Honda Team Asia)」が、引き続き参戦します。このチームは、元Hondaワークスライダーの岡田忠之氏が監督を務め、アジア地域各国におけるHondaのレース活動と連動し、ロードレース世界選手権にチャレンジする若手ライダーの夢を具現化することを目指しています。今シーズンも、中上貴晶とアズラン・シャー・カマルザマンの2名体制で参戦します。
<Moto3>
Moto3クラスには、2013年アジア・ドリーム・カップのチャンピオンで、「2014 FIM CEV Repsol International Championship Moto3クラス」に「ホンダ・チーム・アジア」で参戦しランキング3位を獲得した尾野弘樹が、今シーズンよりステップアップし、レオパード・レーシングより参戦します。
◆モトクロス世界選手権シリーズ
昨シーズンMX2クラスで世界選手権にフル参戦を果たした日本人ライダー山本鯨を引き続きサポートします。今シーズン、山本はチーム・アッソモーター・ホンダよりMXGPクラスにステップアップして参戦します。
◆「FIM CEV Repsol Moto3 Junior World Championship」
昨年の「FIM CEV Repsol International Championship Moto3クラス」から名称が変更され、世界選手権としてポルトガルを皮切りにスペイン、フランスにおいて全8戦で開催されます。
昨シーズンの「アジア・ドリーム・カップ」でランキング1位のカイルール・パウィ(マレーシア)と「アジア・タレント・カップ」で、ランキング1位の鳥羽海渡、2位の伊達悠太、ならびに全日本ロード選手権J-GP3の2年連続チャンピオンの山田誓己が挑戦します。
【アジア地域における人材育成】
◆アジア・ドリーム・カップ
二輪モータースポーツへの関心が急速に高まるアジア地域において、「FIMアジアロードレース選手権シリーズ」に2012年から導入された育成プログラム「アジア・ドリーム・カップ」を引き続きサポートします。このレースは、日本を含むアジア各国からライダーを選抜し、将来のグランプリライダーを輩出するための育成プログラムです。今シーズンも「CBR250R」をベースとしたレース仕様車を提供します。
今シーズンの日本代表選手は、昨シーズン、日本国内の「CBR250R ドリームカップ」で好成績を収めた中村大輝と仲村優佑が参戦します。
◆シェルアドバンス・アジア・タレント・カップ
今シーズンも、MotoGP主催者の「ドルナ・スポーツ」によりアジア地域において次世代のライダーを育成するプログラム「シェルアドバンス・アジア・タレント・カップ」が開催されます。HRCは参戦車両NSF250Rの供給を通じて、引き続きこのプログラムをサポートしていきます。
「四輪」
【Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト】
Hondaはモータースポーツ界で活躍する若手ドライバーの発掘・育成を目的とした、人材育成プログラム「Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」を展開しています。
昨年より開始したGP2 シリーズへの参戦を引き続き展開し、F1ドライバー輩出に向けた取り組みの強化を図っていきます。今後、McLaren Racingとの連携をさらに強め、日本人ドライバーが世界で活躍できる機会を創出していきます。
国内では、全日本F3選手権に参戦する3名と、ジュニア・フォーミュラレースである「FIA-F4選手権」※13に参戦する3名をそれぞれサポートします。
※13 FIA-F4選手権は国際自動車連盟がレーシングカートからF3へのステップアップを目指す若手ドライバーの育成を主な目
的として世界各国で展開を目指す新たなカテゴリーとして、2015年にスタート。
◆GP2 シリーズ
昨年の全日本F3選手権においてチャンピオンを獲得した松下信治が、今シーズンより、F1への登竜門と呼ばれる「GP2 シリーズ」に、フランスを拠点とする「エーアールティー・グランプリ(ART Grand Prix)」より参戦します。
◆全日本F3選手権
Hondaは、今シーズン全日本F3選手権に参戦する3名のドライバーをサポートします。
◆FIA-F4選手権
Hondaは、モータースポーツ界で活躍する有能な若手ドライバー育成の場を、今シーズンより新たにスタートするFIA-F4選手権に移行し、3名のドライバーの参戦をサポートします。
【鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)】
㈱モビリティランドでは、「モータースポーツで世界に通用する選手を育成する」ことを目的として、1992年に二輪の「鈴鹿サーキットレーシングスクール ジュニア(SRS-J)」、1993年には「鈴鹿サーキットレーシングスクール カート(SRS-K)」、1995年には「鈴鹿サーキットレーシングスクール フォーミュラ(SRS-F)」を開校し、トップライダー・トップドライバーを講師に迎え運営しています。また2015年からは、新たなプログラムの「SRS-F チャレンジ」を開講します。これまでMotoGPライダーやF1ドライバーの輩出をはじめ、数多くの卒業生が国内外の二輪・四輪それぞれのカテゴリーで活躍しています。また、SRS-Fでは成績優秀者を対象に、ステップアップカテゴリーであるFIA-F4選手権参戦のスカラシップを授与しています。
《モータースポーツ普及活動》
Hondaは、モータースポーツの普及にも積極的に取り組んでいます。初心者でも気軽に楽しめる各種イベントを開催するほか、ライダーやドライバーの育成など、幅広い層にモータースポーツの魅力を伝えることを目的としたさまざまな活動を展開しています。
<NSF100 HRCトロフィー、CBR250R ドリームカップ、HRC NSF250Rチャレンジ>
2006年より全国20ヵ所以上のサーキットで開催されている「NSF100 HRCトロフィー」は、レース専用車両NSF100を使用するワンメイクレースです。今年で開催10年目となる本レースは、世界を目指すジュニアライダーの登竜門のひとつとなっています。
2012年より日本全国各地のサーキットで開催されている「CBR250R ドリームカップ」は、市販車両のCBR250Rを使用したワンメイクレースです。2014年からはレース未経験者にも参加しやすいクラスを新設し、従来の経験者を対象としたクラスと合わせ、2クラス制で開催されています。
さらに今年からは、市販ロードレーサーNSF250Rを使用した「HRC NSF250Rチャレンジ」を新設します。このレースは、国内地方選手権においてJ-GP3クラスが行われる各サーキットで、J-GP3クラスと混走で行われ、またスタンダード車両(HRC出荷時仕様)を使うことでランニングコストを抑えられるため、より安価に本格的なレースへの参戦が可能となります。
これらのレースでは、各サーキットで開催されるレースのランキング上位者に、鈴鹿サーキットやツインリンクもてぎなどで行われる、それぞれの全国大会への出場権が与えられます。
HRCは、これらの参戦車両を販売するとともに、このプログラムをサポートしていきます。
<Honda Sports & Eco Program>
Hondaは、㈱モビリティランドと㈱M-TECが共同で運営する参加型モータースポーツ「Honda Sports & Eco Program」を引き続きサポートします。このプログラムは「Ecoでスポーツする。」をテーマに2012年から開始しました。環境とスポーツドライビングの両立を目指し、レース仕様のCR-Zをレンタルして、「Eco」性能を最大限に引き出しながら、「操る・磨く・競う」楽しさを気軽に体感できるモーターレクリエーションです。モータースポーツ入門者でも安心してレースデビューを目指していただける4段階のスクールプログラムと、年4回のレースプログラムを継続してご提供するほか、初級者から上級者まで、より多くの皆様が手軽にモータースポーツをご体験いただけるような新たな料金プランを設定するなど、充実した内容で展開していきます。
<FIT1.5チャレンジカップ(もてぎ、SUGO)/FIT1.5チャレンジカップ(鈴鹿)>
㈱モビリティランドが2012年より開催している、排気量1500cc以下のJAF登録車両による自動車レース「もてぎ1.5チャレンジカップ」は、今シーズンからフィットによるワンメイクレース「FIT1.5チャレンジカップ」と名称を変更。2014年より開催されている「FIT1.5チャレンジカップ(鈴鹿)」のシリーズ戦とともに、Hondaは積極的にサポートします。
<N-ONE OWNER’S CUP>
Honda は、多くのお客様に支持をいただいている軽自動車「N-ONE」を活用した参加型モータースポーツ「N-ONE OWNER’S CUP」を展開しています。N-ONE OWNER’S CUPは、レース入門者をはじめとした、より多くの方々にご参加いただけるレースを目指し、2014年から開催したナンバー(車両番号標)付き車両によるスプリントレース形式のモータースポーツです。ご好評をいただいているコンセプトはそのままに、国内6ヵ所(鈴鹿、もてぎ、岡山国際、富士、オートポリス、SUGO)で開催します。今シーズンは、レース開催数を全10戦で計画し、レース初心者の方へのサポートをさらに充実させていきます。
<Honda エコ マイレッジ チャレンジ 2015>
Hondaは、環境にスポットを当て、創造力と自由な発想、そして技術を結集した手作りのマシンを使って、1リットルのガソリンで何km走行できるかを競う「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」を、1981年から開催しています。今年で35回目となるこの大会に、初回大会以来、のべ13,000を越えるチームが参加し、日本国内だけでなく、タイ、中国、ベトナムにおいても開催しています。
Honda エコ マイレッジ チャレンジ 2015 国内開催スケジュール
《モータースポーツイベントなど》
<Enjoy Honda 2015>
Hondaの二輪・四輪・汎用製品を「見て、遊んで、体感する」ことを目的としたファンの皆様への感謝イベント「Enjoy Honda」を熊本県、三重県、北海道、静岡県、栃木県、宮城県、広島県に加え、新規会場の愛媛県を合わせ、全8会場で開催します。なお、鈴鹿サーキットでは、鈴鹿2&4レース(MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦と全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ第1戦の併催イベント)、ツインリンクもてぎでは、もてぎ2&4レース(MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦と全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ第4戦の併催イベント)の開催日に行います。
当日はHondaの二輪・四輪・汎用製品の展示、親子バイク教室、ASIMOのデモンストレーションライブ、トライアル・バイクショーなどを開催します※14。
※14 開催内容は会場によって異なります。詳しくはEnjoy Honda公式サイト(http://www.honda.co.jp/enjoyhonda/)で
ご確認ください
Enjoy Honda 2015 開催スケジュール
*2015年2月13日現在の開催スケジュールです
<Honda Racing THANKS DAY 2015>
Hondaは、モータースポーツファンの皆様に対する感謝イベント「Honda Racing THANKS DAY」を今年も開催します。
Honda Racing THANKS DAY 2015 開催スケジュール
<Honda Motorsports Park>
次世代Hondaファンの醸成を目的に、Jリーグのサッカークラブ「川崎フロンターレ」とタイアップし、等々力陸上競技場での試合を観戦する小学生およびサポーターを対象に、「Honda Motorsports Park」を、今年も開催します。お子様を対象にしたCRF50Fなどの体験試乗会、MotoGPなどに参戦するレーシングマシンの展示、スタジアム内でのデモ走行など、観て触れる機会を提供し、Hondaのモータースポーツへの取り組みを多くの方々に知っていただけるよう、活動をしていきます。(開催日はホームページをご確認ください)
<㈱モビリティランドが開催する主な国際レースなど>
㈱モビリティランドは、「見て、遊んで、体感する」場と機会の創出に取り組み、さまざまなレースやイベントを開催。日本のモータースポーツ文化のさらなる発展に貢献しています。
鈴鹿サーキットは、日本初の本格レーシングコースとして1962年に開場して以来、50年以上の長い歴史を経て、これまでさまざまなレースを開催してきました。「F1」「FIM世界耐久選手権シリーズ(EWC、鈴鹿8時間耐久ロードレース)」「FIMアジアロードレース選手権シリーズ(ARRC)」など、年間を通じてさまざまなイベントを開催します。また、ツインリンクもてぎでは、初開催となる「FIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)」をはじめ、「FIMロードレース世界選手権シリーズ(MotoGP)」「FIMトライアル世界選手権シリーズ(WCT)」を開催します。二輪、四輪それぞれの国際レースをはじめ、3月7日(土)、8日(日)に開催する「モータースポーツファン感謝デー」を皮切りに、国内外のさまざまなモータースポーツを観戦し、体感できる機会を提供します。
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