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NISSAN GT-R、23年ぶりにバサーストで総合優勝【日産自動車】
2015年2月8日
NISSAN GT-R、23年ぶりにバサーストで総合優勝
– バサースト12時間レースレポート –
2月8日 マウントパノラマサーキット(オーストラリア)
2月8日(日)にオーストラリア・バサーストで行われた「バサースト12時間レース」で、ニスモアスリートグローバルチームからエントリーした#35 NISSAN GT-R NISMO GT3(千代勝正/ウォルフガング・ライプ/フローリアン・ストラウス)が総合優勝を飾りました。GT-Rがバサーストで優勝するのは1992年のR32スカイラインGT-R以来23年ぶりのことです。
12時間レースは、まだ暗い早朝5時50分にスタートしました。予選3位の好位置につけた#35 GT-Rは、スタートドライバーのライプがロケットスタートを決め、2位でオープニングラップを周回しました。ライプはそのまま快調に2位のまま2スティントを完了し、ストラウスにステアリングを委ねました。彼も、安定した走りで周回を重ね、114周目には全出走車両50台中の首位に立つことに成功。千代も力強い走りで他車のリードを許しませんでしたが、その後はピットインとSC(セーフティカー)ラップのたびにレースリーダーがめまぐるしく変わることになります。バサースト12時間レースはアクシデントが多く、その度に追い越し不可のSCラップとなり、それまで貯めたマージンを一気に吐き出すことになります。高い緊張感の中、レースはクライマックスへと向かいました。
レースが残り1時間となった午後4時50分の時点で、首位は#10ベントレー、直後に#15アウディが従い、10秒ほどの間隔を置いて二度目の担当周回を走る千代#35 GT-Rが3位につけていました。その後、登り区間でアクシデントが発生。30分近くSCラップが続きました。そして、ゴール20分前にレースは再開しますが、またしても1台が最終コーナーでスピンし、SCラップになります。残り時間わずか4分強の時点で、グリーンライトが点灯。その瞬間に3位の千代GT-Rが猛ダッシュし、第一コーナーからマウンテンストレートで一気に前を走る2台を抜き去り、首位に躍り出ます。その後は後続を寄せ付けることなく、トップでゴールしました。
バサースト12時間レースが行われるマウントパノラマサーキットは、公道を封鎖してできる1周6.213kmの特設コースです。マクフィラミーパークと呼ばれる公園内の山間路と生活道路を組み合わせたもので、アップダウンが激しくコース幅が狭いため、少しのミスでクルマにダメージを与えてしまうことで知られています。12時間レースはこのコースを12時間走って速さを競うもので、今年はFIA GT3車両がメインの出場車両でした。NISSAN GT-R NISMO GT3のほか、メルセデスSLS AMG、アウディR8-LMSウルトラ、ポルシェGT3R、ランボルギーニLP600、ベントレー・コンチネンタル、アストン・マーチンなど名だたる強豪が集まりました。合計269周約1671kmを走破し、優勝したGT-Rと3位のアウディまでの差はわずかに2.8秒でした。また、SC導入回数はこれまでで最多の合計20回でした。
優勝ドライバーとなった千代は、「リスタートのことだけを考えて、最後のSCラップを走りました。レース再開の周は最終コーナーから力をためて、一気にフル加速したことが功を奏しました。2台をいっぺんに抜くことができたのは自分自身でも信じられないほどです。応援していただいた皆さん、徹夜でクルマを直してくれたチームに心から感謝します」と語り、ライプは「僕のスティントの時だけでないですが、とにかく追い越し禁止区間が多く、フラストレーションは溜まりましたが、最後に千代が力を振り絞って優勝を勝ち取ってくれました。本当に素晴らしいです」と話すと、ストラウスも「僕のスティントはブレーキが心配であまりプッシュできず、トップを取り返すことができなかったのが残念でした。しかし、今日ここに来られなかったアレックス(バンコム)と生まれたばかりの彼のベイビーに優勝をプレゼントできて嬉しいです」としめくくりました。
【田中利和チーム代表のコメント】
「応援していただいたファンの皆さん、多くの関係者の方々にやっと優勝をお知らせすることができます。ありがとうございました。今日のレースは、SC(セーフティカー)ラップが幾度ともなく出る状況の中、チームは徹夜でクルマを修復したあとでも集中を切らすことなく、ドライバー、スタッフ一丸となって戦略通りレースを組み立てることができました。そして、最後の2ラップで5台がトップ争いをするという、他に類を見ない非常にエキサイティングな場面に遭遇しました。その中、千代が昨日のミスを挽回する素晴らしい走りでトップをもぎ取る劇的な形で優勝することができました。R32スカイラインGT-Rが1992年に当地バサーストで優勝しており、GT-Rは地元でも親しまれています。23年ぶりにここで勝って存在感を示せたことは、大変意義あることだと思います。本当にありがとうございました」
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