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SUPER GT王者の松田、Nissan GT-R LM NISMOでル・マン24時間レース参戦へ【日産自動車】
2015年2月5日
● SUPER GT2014年チャンピオンの松田次生がNissan GT-R LM NISMOでル・マン24時間レースに参戦
● 日産はカスタマーエンジンプログラムからLM P2ドライバーの名手2名をLM P1に抜擢
● 日産のル・マン参戦のカーナンバーは21、22、23に決定
2015年2月5日 パリ(フランス)
日産がル・マン24時間レース参戦に投入するNissan GT-R LM NISMOを駆る3人のドライバーがこの日、伝統のACO(西部自動車クラブ:ル・マン24時間レースの主催者)によるシーズン前の記者会見で発表しました。
松田次生、ハリー・ティンクネル(英国)、オリビエ・プラ(フランス)が、世界から集められる9人のドライバー陣のうちの3人となります。世界耐久選手権(WEC)には2台がエントリーし、ル・マン24時間ではもう一台エントリーします。この3台のマシンのカーナンバーが#21(ル・マン)、#22、#23(WEC)となることも発表されました。
「日産で活躍を収め、若さと経験の両方を兼ね備えたドライバーを日産ファミリーから選りすぐりました」とニスモのグローバルヘッドオブブランド・マーケティング&セールス、ダレン・コックスは述べました。「松田は、昨年のSUPER GTチャンピオンです。ハリーとオリビエは、日産/ニスモのエンジンを搭載したLM P2マシンでプロフェッショナルなパフォーマンスを発揮してくれました。このような素晴らしい耐久レーサーを私たちのLM P1プログラムに迎えることをうれしく思いますし、私たちが誇るグローバルな才能に世界のトップを目指す挑戦をさせることは大きな喜びでもあります」
松田次生は日本でレーシングキャリアを築き、昨年は#23 MOTUL AUTECH GT-RでSUPER GTのGT500タイトルを獲得しました。
「Nissan GT-R LM NISMOでル・マンに参戦できることになり、とても光栄に思っています」と松田は述べました。「ル・マン24時間レースは、子どもの頃からのあこがれでした。世界屈指の過酷なレースであることは分かっていますが、だからこ挑んでみたいと思うのです。昨年日産エンジンを搭載したLMP2マシンで2回レースに参戦した経験を活かして、この新しい挑戦を成功させたいと思っています。非常にチャレンジングなレースですが、この挑戦に臨む機会を与えてもらったことに今からワクワクしています。出場するからにはレースでいい結果を収められるよう、全力で頑張ります」
松田が日産のSUPER GTファミリーから選ばれた一方、ティンクネルとプラはLM P2からスポーツカーレースのステップを上って、日産のLMP1マシンに到達しました。
ハリー・ティンクネルは、2014年のヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)で衝撃的な活躍を見せました。英国出身の23歳という若さで、初参戦のル・マン24時間ではLM P2クラス優勝を果たし、ELMSでもシリーズ2位に食い込みました。才能豊かなシングルシーターレーサーであるティンクネルは、2014年序盤にスポーツカーレースにスイッチしたばかり。2015年は、日産からWECのフル参戦に挑みます。
「大手メーカーとの契約は初めてです」とティンクネルは述べました。「カートをしていた頃から夢を見ていたことです。素晴らしい歴史と実績を誇る日産ファミリーの一員になるのは素晴らしいことですし、これが長く充実した関係の始まりになることを願っています。4つの大手メーカーがサーキットでしのぎを削るなど、スポーツカーレースは大変盛り上がっています。このカテゴリーの新たな黄金時代に一役を担えるなんて、最高です」
「スポーツカーレース関係者にとって、素晴らしい機会です」と彼は続けました。「日産からこの素晴らしい機会を与えていただきました。テストに臨むこと、そしてその後に控えるトップクラスでの初めてのル・マンに参戦することを楽しみにしています。9歳の時からテレビで観てきたマーク・ウエーバーやアンソニー・デビッドソンを相手にレースをすることができるのです!」
オリビエ・プラは、世界屈指のスポーツカードライバーのひとりである力を常に見せつけてきました。ティンクネル同様、彼のレーシングキャリアもシングルシーターから始まっていますが、2008年からはスポーツカーレーシングに専念しています。LM P2では強豪のひとりとして活躍してきたプラ。2015年、フルシーズンへのステップアップに向けて準備は万端です。
「このようなプログラムに参加できるなんて、最高の気分です」とプラは述べました。「ドライバーとしてとても大きな意味を持ちますし、大変誇らしい気分です。日産のワークスドライバーになれて、うれしいですね。とてもエキサイティングな挑戦ですし、準備は万端です。特にこの3年間はLM P2の競技レベルが非常に高くなってきていましたので、LM P1への修業として完璧な場所となりました」
「私にとってはかなり新しい経験になると思います」と彼は続けました。「サーキットでは今、LM P1のマシンはエネルギー回生システムや燃料使用ルールなどによりとても洗練されているので、戦略面では取り組むことがたくさんあります。サーキットの外では、LM P1クラスは間違いなくメディアからの注目を集めますので、忙しいシーズンになりそうです。ル・マンで勝ちたいと思っていますし、日産とならそれができると思っています」
3台のNissan GT-R LM NISMOのドライバー組合せについては、すべてのドライバーが発表されてから明らかになります。
生年月日 : 1979年6月18日
出身地 : 三重県
国籍 : 日本
居住地 : 東京
言語 : 日本語
ツイッター : @TsugioMatsuda
松田次生は、2014年に#23 MOTUL AUTECH GT-RでSUPER GT でタイトルを獲得した現GT500チャンピオンです。チームメイトのロニー・クインタレッリと共に、11月にツインリンクもてぎでの最終戦に勝利して、NISMOに念願のSUPER GTタイトルをもたらしました。
松田のキャリアはゴーカートで始まり、その後1998年に全日本フォーミュラ3選手権にステップアップ。そこからフォーミュラ・ニッポンに上がり、2007年と2008年にチャンピオンに輝いています。2000年以降、SUPER GT(旧JGTC)とフォーミュラ・ニッポンへの参戦を続けており、ニスモチームでは最も経験豊富なドライバーのひとりです。
主要キャリア
2014
・ SUPER GT GT500チャンピオン(チームメイト、ロニー・クインタレッリ) #23 Motul Autech GT-R (NISSAN GT-R NISMO
GT500)
・ FIA世界耐久選手権に参戦(KCMG):シルバーストン2位、オースチン優勝
2013
・ SUPER GT(NISSAN GT-R)ドライバーズランキング9位、チームズランキング9位
・ スーパーフォーミュラ(旧フォーミュラ・ニッポン):シリーズ6位
・ FIA世界耐久選手権富士戦LMP2クラス参戦(KCMG)、アジアン・ル・マン・シリーズ セパン戦参戦
2012
・ SUPER GT(NISSAN GT-R)ドライバーズランキング4位、チームズランキング4位
・ フォーミュラ・ニッポン シリーズ8位
2011
・ SUPER GT(NISSAN GT-R)ドライバーズランキング5位、チームズランキング5位
2010
・ SUPER GT(NISSAN GT-R)ドライバーズランキング5位、チームズランキング5位
・ フォーミュラ・ニッポン(スポット参戦) シリーズ14位
2009
・ SUPER GT(NISSAN GT-R)ドライバーズランキング11位、チームズランキング10位
・ フォーミュラ・ニッポン シリーズ11位
2008
・ SUPER GT(NISSAN GT-R)ドライバーズランキング5位、チームズランキング4位
・ フォーミュラ・ニッポン シリーズチャンピオン
2007
・ SUPER GT(フェアレディZ)ドライバーズランキング5位、チームズランキング2位
・ フォーミュラ・ニッポン シリーズチャンピオン
2006
・ SUPER GT(フェアレディZ)ドライバーズランキング6位、チームズランキング4位
・ フォーミュラ・ニッポン シリーズ2位
2005
・ フォーミュラ・ニッポン シリーズ6位
・ SUPER GT シリーズ9位
2004
・ フォーミュラ・ニッポン シリーズ11位
・JGTC シリーズ8位(1勝)
2003
・ フォーミュラ・ニッポン シリーズ11位
・ JGTC シリーズ11位
2002
・ フォーミュラ・ニッポン シリーズ5位
・ JGTC シリーズ2位(3勝)
2001
・ フォーミュラ・ニッポン シリーズ10位
・ JGTC シリーズ8位(1勝)
2000
・ フォーミュラ・ニッポン シリーズ4位(1勝):日本人最年少勝者、最年少で表彰台に
・ JGTC
1999
・ 全日本F3シリーズ5位
・ マカオF3GP 4 位、韓国F3グランプリ
1998
・ 全日本F3シリーズ4位(1勝)
・ フォーミュラ・ニッポン:鈴鹿戦にスポット参戦
・ マカオGP
1997
・ SRS-F(鈴鹿レーシング・スクール・フォーミュラ):スカラシップ獲得
1996
・ ワールドカップ・アジア・パシフィック選手権ICAクラスチャンピオン
・ 全日本カート選手権FSA class
1994-95
・ 全日本カート
1993
・ カートデビュー
生年月日 : 1991年10月29日
出身地 : 英国エクセター
国籍 : 英国
居住地 : 英国シドマス
言語 : 英語、基本的なフランス語とイタリア語
ツイッター : @HarryTincknell
ティンクネルのLM P2マシンでのスキルは、2014年のヨーロピアン・ル・マン・シリーズで脚光を浴びました。ポールポジションを2回獲得したほか、ル・マン24時間ではLM P2最速のドライバーとして安定した速さを披露し、伝統の24時間耐久レースでクラス優勝を獲得しました。この2014年のパフォーマンスは、シングルシーターのレースからシーズン序盤にスポーツカーにスイッチしたばかりとは思えないほどの内容でした。
カートで存分に基礎を磨いたティンクネルは、2008年の終盤にシングルシーターの世界に入りました。すぐにフォーミュラ・ルノーUK選手権で頭角を現し、表彰台の常連となりました。フォーミュラ・ルノーからフォーミュラ3にステップアップしたティンクネルは、まず英国シリーズに、その後ヨーロッパでも好リザルトを続けました。
速くてミスをしないドライバーとして定評のあるティンクネルは、超激戦区のLM P1レーシングの世界でもその本領を発揮することが期待されています。
主要キャリア
2014
・ ル・マン24時間LM P2クラス優勝– 自身4度目となるスポーツカーレース、JOTAスポーツでLM P2優勝、総合5位。
・ ヨーロピアン・ル・マン・シリーズで選手権2位(JOTAスポーツ):1勝、表彰台3回、ポールポジション4回
・ ルーキー・オブ・ザ・イヤー– ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ
・ FIA世界耐久選手権:スパ(LMP2・2位)とル・マンに参戦
・ 英国レーシング・ドライバーズ・クラブ(BRDC)のフルメンバーシップを授与
・ BRDC ウルフ・バーナート・トロフィー受賞
2013
・ FIAヨーロピアン・フォーミュラ3選手権シリーズ総合5位:1勝、表彰台3回、ポールポジション2回
・ F3マスターズ参戦(4位)
2012
・ 英国フォーミュラ3インターナショナルシリーズ シリーズ5位:4勝、表彰台9回
・ ヨーロピアン・フォーミュラ3選手権3戦に参戦:1勝
・ マカオグランプリ:予選6位、メインレース9位
・ フォーミュラジュニア:パウ・ヒストリックグランプリ2位
・ レイモンド・メイ・トロフィー受賞(歴代受賞者にジェイミー・グリーン、マイク・コンウェイ、ジェイソン・プラト)
2011
・ 英国フォーミュラ3インターナショナルシリーズでレース勝利。デビューシーズンにブランズハッチGPで優勝、
表彰台3回でシリーズ総合11位
・ チームUKのメンバーに選抜
2010
・ フォーミュラ・ルノーUK選手権シリーズ総合5位:2勝、表彰台7回
・ チームUKのメンバーに選抜、MSAアカデミーのヤングドライバーズエリート、1オン1パフォーマンスマネジメント対象
・ BRDC(英国レーシング・ドライバーズ・クラブ)のライジングスターに認定
2009
・ フォーミュラ・ルノーUK選手権シリーズ総合5位:表彰台4回
・ フォーミュラ・ルノー・グラジュエート・カップ シリーズチャンピオン:11勝
・ フォーミュラ・ルノーUKウィンターシリーズ シリーズチャンピオン:2勝、表彰台4回
2008
カート
・ ロタックス・マックス・ユーロ・チャレンジ-フランス・サルブリス-4位
・ フォーミュラ・ルノー・ポルトガル・ウィンターシリーズ-エストリル-6位、8位
・ フォーミュラ・ルノーUKウィンターシリーズ
2007
カート
・ ICA ウィンターカップ・ファイナル-イタリア・ガルダ-4位
・ ICA イタリア選手権-イタリア・ガルダ-5位
・ 世界シリーズ・オブ・カート選手権-イタリア・サルノ-4位
・ ICA フランス選手権-フランス・エッセイ-総合3位、ファステストラップ、ポールポジション
・ ICA アジア-パシフィック選手権-日本-9位
生年月日 : 1981年10月22日
出身地 : フランス・トゥールーズ
国籍 : フランス
居住地 : フランス・トゥールーズ
言語 : フランス語、英語
ツイッター : @OlivierPla
シングルシーターでレーシングキャリアを始めたフランス人のオリビエ・プラは、ここ数年、スポーツカーレーシングでその実力を高く評価されています。日産が初めて注目したのは、OAKレーシングがエントリーさせるLM P2マシンで参戦した時のこと。ニスモがチューンした日産VK45DEV8エンジンを搭載していました。
プラは模範的なスポーツカードライバーで、総合的な速さと安定感を備えており、それが耐久レースでの活躍につながっています。2014年はNo.26リジェ・ニッサンを駆り、FIA世界耐久選手権8戦中6戦でLM P2のポールポジションを獲得しました。4勝のほか幾度となくファステストラップをマークしましたが、プラとチームメイトは選手権タイトルを逃しており、2015年は成功に向けての意欲が高まっています。
主要キャリア
2014
・ FIA 世界耐久選手権(G-DriveエントリーのOAKレーシング)LM P2ドライバーズ耐久トロフィーでシリーズ2位:4勝
・ チュードル・ユナイテッド・スポーツカー選手権6戦に参戦(OAKレーシング):モスポートで優勝
2013
・ FIA 世界耐久選手権(OAKレーシング)LM P2ドライバーズ耐久トロフィーでシリーズ2位、ル・マン24時間でクラス2位、
総合8位
2012
・ FIA世界耐久選手権LMP2シリーズ4位(OAKレーシング)
・ ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ シリーズ2位:1勝、表彰台2回
2011
・ インターコンチネンタル・ル・マン・カップ参戦:シルバーストン総合3位(OAK/ペスカローロ・ジュッドLMP1)
・ ル・マン・シリーズ&ル・マン24時間:LMP1/ザイテック-Quifel-ASM
2010
・ ル・マン・シリーズ シリーズ総合6位:1勝、表彰台2回(ジネッタ-ザイテックLMP2 – Quifel-ASM )
・ ル・マン24時間7位(ジネッタ-ザイテックLMP2 – Quifel-ASM )
2009
・ ル・マン・シリーズ LMP2チャンピオン:2勝(ジネッタ-ザイテックLMP2 – Quifel-ASM )
・ ル・マン24時間参戦(ジネッタ・ザイテック):DNF
2008
・ ル・マン・シリーズLMP2参戦(ローラAER)
・ル・マン24時間 LMP2・4位(Quifel-ASM、ローラAER)
・ プチ・ル・マンLMP1参戦(ザイテックからワークスエントリー)
・ GP2テストドライバー
2007
・ GP2 テストドライバー
2006
・ GP2 シリーズ(デビッド・プライス・レーシング)
2005
・ GP2 シリーズ(デビッド・プライス・レーシング):2 勝
2004
・ ワールド・シリーズbyニッサン:スポット参戦(カーライン・モータースポーツ)、1勝、表彰台2回
2003
・ フォーミュラ3ユーロ・シリーズ シリーズ3位(ASM)
2002
・ フランス・フォーミュラ3選手権(ASM):2勝、表彰台6回
・ F3マスターズ-ザンブート:総合2位
2001
・ フランス・フォーミュラ3選手権でF3デビュー(ソルニエ・レーシング):表彰台1回
2000
・ ルノー・キャンパス選手権シリーズ3位:4勝、表彰台8回
1999
・ ラフィリエでモータースポーツデビュー
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