ニュース

リチウムイオン電池の小型化に貢献する外装材の開発に成功【昭和電工】

2015年1月8日

昭和電工㈱(社長:市川 秀夫)の子会社、昭和電工パッケージング㈱(神奈川県伊勢原市、社長:渋谷昌夫 以下、昭和電工パッケージング)は、ラミネート型リチウムイオン電池(以下、LIB)の包材であるアルミラミネートフィルム(以下、ラミフィルム)に導電性を持たせ、LIBの小型軽量化に貢献する技術を開発しました。


1. タブリードレス電池の開発(ラミフィルムの導電化)

通常、ラミネート型LIBでは、集電体に集められた電気を外部に送り出す端子(タブリード)を正負極に溶着し、充放電を行いますが、今回、昭和電工パッケージングは、ラミフィルム自体に正負極構造を持たせ、充放電させることに成功しました。これにより、タブリードの溶着が不要となり、ラミネート型LIBの小型・軽量化が可能になりました。加えて、従来のラミネート型LIBの問題点であったタブリード周辺からの電解液漏れを防止できるとともに、放熱性も向上することから、自動車向けなどの大型LIBへの応用が期待されます。


2. 超薄型電池の開発(電極とラミフィルムの一体化)
上記に加え、昭和電工パッケージングでは、電極とラミフィルムを一体化させた製品を開発しました。本製品は、正負極構造を持ったラミフィルムに正負極活物質を塗布し、電解質やセパレーターを封入したもので、従来の正負極金属層が不要となることから、従来比で50%以上薄い、厚さ100㎛前後の超薄型電池やキャパシタの製造が可能になりました。加えて、伸縮性や捲回性(電極の巻き易さ)に優れていることから、今後はICカード等の薄型製品へのLIBの搭載のほか、駆動型製品などへの応用が期待されます。

樹脂とアルミ箔の複合材であるラミフィルムを用いたラミネート型LIBは、金属製の円筒型LIBや角型LIBに比べて成形の自由度が高く、軽量、放熱性に優れていることが特長です。LIB包材向けラミフィルムの市場規模は、本年には250億円程度になるとみられていますが、スマートフォンやタブレット端末などに代表されるスマートデバイスの台頭による小型LIBの需要に加え、自動車の電装化の進展・普及に伴う大型LIBの需要増大が期待されます。

今回、昭和電工パッケージングが開発したラミフィルムは、1月14日から1月16日に東京ビッグサイトで開催される「ネプコンジャパン2015 電子部品・材料EXPO」にて紹介いたします。

 

当社グループでは、現在推進中の中期経営計画“PEGASAUS(ペガサス)”フェーズⅡにおいて、LIB用材料を新規(育成)事業に位置づけており、ラミフィルムにおけるトップレベルのシェアと品質の維持向上に引き続き取り組むとともに、今後も需要の高まるLIB市場に対して高機能製品を絶えず提供することに努めてまいります。




◆ お問い合わせ先
昭和電工㈱ 広報室 03-5470-3235








昭和電工株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#昭和電工
#リチウムイオン
#電池
#フィルム